「ソフトウェア品質保証部長の会」からのメッセージ ~現役、品質保証部長が語る熱き想い~
近年、ソフトウェア品質保証部門の担う役割は多様化し、品質保証部門長の持つ悩みも大きく、複雑になってきました。
そこでSQiPではこの現状を鑑み、ソフトウェア品質保証部門の長による「ソフトウェア品質保証部長の会」を結成し、有識者による講演やグループディスカッションを通して、品質保証戦略の立案や組織体制の構築、品質保証業務の改善、効果的な品質保証活動の事例の作成、開発現場への普及推進、これからの品質保証の在り方などについて議論を深めてまいりました。
7月24日(月)に開催しました本成果発表会では、延べ120名以上の方々にご参加いただきました。
基調講演として、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授の白坂 成功 氏に「IoT時代のシステム品質~これからのシステムは品質確保がポイントとなる~」と題し、IoT時代に向けたシステム開発方法論の進化を通じて、対象となるシステムがどのように変化しているのか、その変化のスピードが速くなっていることに対し、今後、どのようにシステムの品質確保をしていけばよいのかなどをご講演いただきました。
今期は本成果発表会に引き続き、1年間の集大成として9月に開催される「ソフトウェア品質シンポジウム2017 」で、最後の発表を行います。成果発表会に参加いただけなかった方は、是非、この機会にご参加ください。
成果発表会の様子 | ご講演いただいた白坂 成功 氏 |
日時 | 2017年7月24日(月)13:00~17:40 |
会場 | 日本科学技術連盟 東高円寺ビル 地下1階講堂 |
時間 | 内容 |
13:00〜13:10 |
主催者挨拶 |
13:10〜13:20 |
ソフトウェア品質保証部長の会 活動の紹介 ・孫福 和彦 氏((株)日立ソリューションズ/本会企画委員) |
13:20~14:20 |
基調講演 『IoT時代のシステム品質~これからのシステムは品質確保がポイントとなる~』 ・白坂 成功 氏(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授) |
14:20〜14:30 |
休憩 |
14:30〜14:55 |
成果発表1 『自社の“品質力”をひっぱり上げる!品質保証部門での人財育成』 ・牟田 香奈 氏(日本ATM(株)) |
14:55〜15:20 |
成果発表2 『ソフトウェア開発における品質意識のモノサシづくり』 ・鎌倉 洋一 氏(富士通(株)) |
15:20〜15:45 |
成果発表3 『品質戦略の実際とこれから~戦略策定と実施のポイント~』 ・品川 祐美 氏((株)Eストアー) |
15:45〜16:10 |
成果発表4 『進化論・組織論-品質保証能力成熟度モデルの構築-PartⅡ ・横山 美枝子 氏(永山コンピューターサービス(株)) |
16:10〜16:20 |
休憩 |
16:20〜16:45 |
成果発表5 『ITサービス時代の品質保証 PartⅡ ・佐々木 方規 氏((株)ベリサーブ) |
16:45〜17:10 |
成果発表6 『IoT時代の品質保証 ~つながる世界の中で品質保証はどうなっていけばいいのか~』 ・内海 俊行 氏(東芝デジタルソリューションズ(株)) |
17:10〜17:35 |
成果発表7 『セキュリティ品質を考慮したSDLにおけるQAの役割(上流工程編)』 ・日下 宏 氏(キヤノン(株)) |
17:35〜17:40 |
終了の挨拶 ・大島 啓二 氏(元(株)日立製作所/本会企画委員) |
講演タイトル | IoT時代のシステム品質~これからのシステムは品質確保がポイントとなる~ |
概要 | IoTシステムを代表とする新たなシステムでは、品質の確保がポイントとなってきています。本講演では、まず、IoT時代にむけて進んでいるシステム開発方法論の進化を通じて、対象となるシステムがどのように変わってきているかを説明します。具体的には、ISO26262のようなシステム規格への対応の必要性や、System of Systemsなどのシステム対象の変化を説明します。その上で、これからのシステムにおいては、どのようにシステムの品質確保がポイントとなってきているのか、特に予期せぬ変化に対応するためにどのようなことを対処する必要があるのかを説明します。 |
講演者紹介 |
白坂 成功(しらさか せいこう) 氏 (慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)
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成果発表1 |
自社の“品質力”をひっぱり上げる!品質保証部門での人財育成 ・牟田 香奈 氏(日本ATM(株)) ソフトウェアの品質は開発手法や技術力、倫理観の影響も受けることから、人材育成といえば個人に対する技術研修や啓蒙を思い浮かべるかもしれません。私たちは品質力が組織学習の源泉であり、“高品質力人財”が現場の品質意識や技術力をひっぱりあげるという仮説を立て、これを「品質のハンカチモデル」と名付けました。
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成果発表2 |
ソフトウェア開発における品質意識のモノサシづくり ・鎌倉 洋一 氏(富士通(株)) 品質を向上させるためには様々な施策が必要ですが、何よりも重要なのは、製品やサービスを提供する一人ひとりの品質意識を高めることだと考えます。
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成果発表3 |
品質戦略の実際とこれから~戦略策定と実施のポイント~ ・品川 祐美 氏((株)Eストアー) 品質戦略は、会社や組織が成長していくために重要であり、品質保証部長の会でも、第4期に「経営視点から品質向上を考える」で、品質戦略の立て方や重要性を発表しました。しかし現状は、「品質戦略が策定できていない」、「品質戦略を策定はしているものの中々成果を生み出せていない」組織も多々あります。
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成果発表4 |
進化論・組織論-品質保証能力成熟度モデルの構築-PartⅡ ・横山 美枝子 氏(永山コンピューターサービス(株)) 品質保証の組織・人財はどのように進化すべきなのでしょうか?品質保証部長の会では、第2期と第6期にわたって組織規模の違いや取り巻く環境変化を踏まえ、組織や役割をどのように進化させるべきかを議論してきました。また、第7期では品質保証組織を進化させるための人財育成に焦点を当ててCCSF(Common Career Skill Framework:共通キャリア・スキルフレームワーク)を参考にしながらキャリアパス的なものとしてQMMiマップを作成しました。 |
成果発表5 |
ITサービス時代の品質保証 PartⅡ ・佐々木 方規 氏((株)ベリサーブ) 「モノづくり」と「コトづくり」、ビジネスを取り巻く環境は常に変化し続けています。モノづくりではコモディティ化が進み、ビジネスで成功するためには「モノ+コト」の観点で顧客価値を高める必要があります。昨年より、これを実現するための要になる”サービス”の品質保証について検討してまいりました。
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成果発表6 |
IoT時代の品質保証 ・内海 俊行 氏(東芝デジタルソリューションズ(株)) IoT時代の品質保証について、何から手をつければいいかお困りではありませんか?特に困っているメンバーが集まり、このテーマで検討を進めて参りました。その結果として、IoT時代での現在の日本の状況とさらされているリスクが分かってきました。その内容や、我々が感じた危機感を皆様にも感じていただきたく、品質保証として解決すべき課題とその取り組み方法を提言致します。
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成果発表7 |
セキュリティ品質を考慮したSDLにおけるQAの役割(上流工程編) ・日下 宏 氏(キヤノン(株)) あらゆるシステムがネットワークに繋がることでセキュリティ上の脅威が格段に増大したためにシステムのセキュリティ品質の確保が必須になってきました。ソフトウェア品質保証部門(QA)として、ビジネスドメインに応じてセキュリティリスクを軽減した「安全・安心なシステム」をセキュリティデベロップメントライフサイクル(SDL)として保証できる仕組みを考えます。
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