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ソフトウェア品質管理研究会
特別講義 2021年度
特別講義レポート: 2021年 2020年 2019年 過去のテーマ: 一覧
 
例会
回数
例会開催日 活動内容
 2021年
1 5月21日(金)

特別講義

テーマ ソフトウェア開発の真のボトルネックとは何か?
講演者 講演者:岸良 裕司 氏
(Goldratt Japan CEO)
2 6月25日(金)

特別講義

テーマ ユーザーモデルを活用したコミュニケーションの理論と実践
講演者 小澤 一志 氏
(ユーザーモデリングラボ 代表)
3 10月8日(金)

特別講義

テーマ パターンと品質(仮)
講演者 原田 騎郎 氏
(株式会社アトラクタ Founder 兼 CEO)
4 11月12日(金)

特別講義

テーマ プロダクトライン開発の考え方 – 共通性を確立して可変性を確保する
講演者 林 好一 氏
(Y’s Workshop 代表 兼 ソフトウェアプロセスエキスパート)
5 12月10日(金)

特別講義

テーマ システム視点からの信頼性と人の思い込みのリスク
講演者 田中 健次 氏
(国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
 2022年
6 1月7日(金)

特別講義

テーマ 機械学習の品質マネジメント(仮)
講演者 大岩 寛 氏
(国立研究開発法人 産業技術総合研究所
 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター ソフトウェア品質保証研究チーム長)
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第1回特別講義 レポート
日時 2021年5月21日(金)10:00 ~ 12:00
実施形態 オンライン(Zoom)開催
テーマ ソフトウェア開発の真のボトルネックとは何か?
講師名・所属 岸良 裕司 氏(Goldratt Japan CEO)
司会 岩井 慎一 氏(株式会社デンソー/本研究会 基礎コース 主査)
アジェンダ
  • 的外れなカイゼンが組織にもたらす深刻なダメージ
  • ソフトウェア開発の真のボトルネックとは?
  • 生産性を10倍に上げ、品質を向上できる理由とロジック
  • 数万人が関わり、数十か国をまたがる先端技術開発における目覚しい事例
アブストラクト

ソフトウェアが産業界のボトルネックになりつつあり、一部には開発プロジェクトの破綻のせいで経営危機に陥る会社も出てきています。今回のセミナーではソフトウェア開発における真の制約とは何かを明らかにし、そこに取り組むことで、目覚ましい成果を出すシンプルなロジックと事例をご紹介します。

特別な準備はいりません。組織を良くしたい。プロジェクトを良くしたいという思いだけ持ってきていただければ結構です。講義はわかりやすく実践的にしていきます。

講義の要約

◆ 講師紹介

岸良 裕司(Goldratt Japan CEO)

<略歴>
全体最適のマネジメント理論TOC(Theory Of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践し、活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び、07年4月に国策として正式に採用される。
幅広い成果の数々は、国際的に高い評価を得て、08年4月、ゴールドラット博士に請われて、イスラエル本国のゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任。博士の側近中の側近として、世界各国のゴールドラット博士のインプレメンテーションを、トップエキスパートとして、知識体系を進化させ、また、ゴールドラット博士の思索にもっとも影響を与えた一人と言われている。そのセミナーは、楽しく、わかりやすく、実践的との定評がある。著作活動も活発で、笑いながら学べ、しかも、ものごとの本質を深く見つめるユニークなスタイルで読者の共感をよび、ベストセラーを多数出版している。海外の評価も高く、様々な言語で、本が次々と出版されている。


1.はじめに
  • ゴールドラット博士のTOC(Theory Of Constraints)開発
    TOC(Theory Of Constraints)は「手法」ではなく「理論」、つまり、予測することのできる普遍性をもつ体系的知識。TOCは物理学をベースとした再現性のある科学である。
2.全体最適のマネジメント理論
  • 「つながり」と「ばらつき」
    あなたの仕事は他の人や組織と、つながって行われていますか?
    それぞれの人や組織の能力は一緒ですか?ばらついてますか?
    →仕事は横に流れているのに、管理は縦で行われている
    →非常に非効率

  • 制約→ボトルネック→希少リソース
    次のような流れで進んでいく作業があったとする
    例)あるハウスメーカー
    [市場]→営業→設計→生産管理→工場→工事→[売上]

    工程毎の1日の生産量が次のような状態だとしたら、全体の1日の生産量はいくつになるか
    20→15→10→12→16  回答)10にしかならない
    他の部署が頑張れば頑張るほど、希少リソース(10の箇所)がひっ迫する

    全体の制約に集中することが全体最適となるTOC (Theory Of Constraints)
    非制約に力を注ぐことはムダとなるため、Focus =Not to do =「今はやらないこと」を実現する
    端的に言えば、みんなでよってたかって希少リソースを助けるということ

  • 実験
    3つ同時に仕事がやってきたとする。(実際の現場でもよくあるパターンではないか)
    仕事A:1~20までを紙に書く
    仕事B:A~Tまでを紙に書く
    仕事C:△〇♢の順で紙に20個書く

    仕事を1つずつやれば60秒あれば完了する(20秒×3仕事)はずだが、上司から全部最優先という指摘をされる
    1,A,△,2,B,〇…の順で紙に書いていくと60秒では終わらない。
    →納期超過、品質劣化の原因

  • 組織の中で最も重要なものは優秀な人の時間
    早く始めれば早く終わるというものではない
    仕事そのものは変えない。やらないものを決める。仕事の進め方を変える。
    的外れな改善は会社にダメージを与えることになる
3.流れがすべて~シンプル化に向けた取組み
  • フルキット(Full Kit)という考え方
    コンセプトを定めて決めたもの以外は手を付けない

  • 経済産業省「2005年版組込みソフトウェア産業実態調査」より
    品質トラブルの原因は?
    →3分の1はソフトが原因
    計画通りの品質のソフトが作れましたか?
    →3割が計画の品質を下回る
    仕様は守れましたか?
    →4分の1が開発途中で機能を削減
    納期は守れましたか?
    →半分以上が納期遅れ
    予算は守れましたか?
    →半分以上が予算オーバー

    15年経って、これらの課題は解決されているでしょうか?

  • ソフトウェアの重要性は増している
    車、飛行機、スペースシャトルなど
    5年前と比べてあなたのプロジェクトは
    • ソフトの重要性はますます増してますか?
    • 仕様はますます複雑になっていますか?
    • 期限はますます厳しくなっていますか?
    • 不確実性はますます増していますか?
    • 一人でできることはより少なくなっていますか?
    • 組織をまたいで仕事をすることはより多くなってますか?
    5年後にはソフトウェア開発がボトルネックになる可能性がある。

  • 業者天国の開発
    社員1人あたり、7~8人のパートナーで複数のチームに分かれて開発
    全体を考えずに重要度・難易度の高いものは後回しでできるところから開発
    何度も再検討や仕様変更が実施されソフトウェアは完成しない
    プロジェクト全体は進まないが、日々の進捗は進んでいる状態に陥る
    パートナー会社は儲かるが、現場の人は疲弊する
    これはソフトウェア技術者じゃなくても解決できる問題

  • 具体的な進め方 (やるならつまみ食いせずに全部やる!)
    • 助けてボードを見えるところに張り付け、みんなで支援。つながりフローボード
    • 半日も待たない。とにかくすぐに対応する
    • 集中時間を設ける
    • 優先順位を定める(顧客への迷惑、工場への迷惑、自分のスケジュール)
    • 進捗会議は未来の話をする(過去は変えられない。未来は何とかなる)
      <具体例>
      あと何日ですか?
      →毎日、現場の見積もり力を鍛える
      問題あるとしたら何ですか?※問題なしと報告があった場合でも注意して質問する
      →毎日、現場のリスク予知能力を鍛える
      何か助けられることはありませんか?
      →毎日、現場の考える力を鍛える

  • PCDAサイクルは回っていない
    PCDAサイクルはみんな知っているけれどもきちんと回っている会社はほとんどない
    しっかりと計画立てること。やることとやらないことをきれいにすることが最も大切。

    PDCAのCA重視マネジャー
    →「これお願い。」と丸投げで仕事を依頼するのは楽、あとで文句つけるのも楽。
     これだと仕事をしている感もあるし、優越感ある。
    →だけども組織にとってそれが本当に自分の望んだ未来なのか?
    →生産性は向上しない

    PD重視マネジャー
    →しっかりやっているのでトラブルも発生せず目立たない。
4.まとめ

変えられない過去から、変えられる未来に!マネジメントが変われば、現場が変わる。
品質はプロセスで創られる。結果(不良)出てからでは遅い!
ソフトウェアを開発するのは人である。人の仕事の質向上なしに品質向上なし!
「銀の弾丸はない」かもしれないが、「金の知恵」はある!

5.質疑応答

<質問>
TOCの実施にはフルキットがカギとなるが、フルキットを使ったプロジェクトの進め方について工夫が必要な点があるか。(要求するものが大きくなりすぎてしまい、実現不可能になってしまう事が考えられるが、フルキットはどのように設定したらよいか。)

<回答>
ボーイング社では、ソフトウェアの欠陥の数を数えることをやめ、フルキットを実現できているか、作業者の集中時間が管理できているかという点に着目するようになった。
また、毎朝フルキットを確認し、懸念があるか?という質問を繰り返し、懸念がある場合影響の大きいものから解消している。
品質管理は担当者の作業がうまく流れているかをチェックし、仕事の質に着目している。
フルキットの設定は本人。なぜならば、その作業について、当事者本人が一番よく分かっているからです。

<質問>
品質管理のポイントは細かい技法や技術ではなくて管理と考えてよいのか
デミングの提唱するマネジメントに着目するという認識でよいか。

<回答>
その通り。マネジメント(仕事の進め方)に着目する必要があり、ここを改善していく。原点回帰が必要である。

<質問>
毎朝の進捗で懸念点があるか?と聞くが、懸念点は現場が一番知っているということか。

<回答>
⇒その通り。現場が一番状況を理解しているので、それを聞き出して解決することが大切。

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第2回特別講義 レポート
日時 2021年6月25日(金)10:00~12:00
実施形態 オンライン(Zoom)開催
テーマ ユーザーモデルを活用したコミュニケーションの理論と実践
人の“気持ち”を知るためのユーザーモデルの考え方
講師名・所属 小澤 一志 氏(ユーザーモデリングラボ代表)
司会 金山 豊浩 氏(株式会社メンバーズ/本研究会 演習コースⅢ 主査)
アジェンダ
  1. ユーザーモデルとは
  2. ユーザーモデルの着眼点
  3. ユーザーモデルを作るためのステップ
  4. ユーザーモデルを活用するために
  5. ユーザーモデルの活用事例
  6. まとめ
  7. 質疑応答
アブストラクト

企業にとって、お客さまと有効なコミュニケーションを取ろうとするならば、お客さまをよく知ることは最も重要なことであり、ビジネスの形式がB2Cであれ、B2Bであれ、コミュニケーションの主体が“人”であることも基本的には変わりはありません。
また、そのコミュニケーションの向上を目的としたメディアやソフトウェアの開発を考える際に、その出来栄えの善し悪しを決めるのは、あくまでもそのメディアの受け取り手でありソフトウェアの利用者である人ですので、コミュニケーションの主体である人の多様性は、そのコンテキストに応じて、コンテンツを作り分け、工夫を凝らし、コミュニケーションの取り方をその人に合わせて最適化する必然性を生みます。
本講義では、ユーザーモデルという考え方を用いて“人”を理解し、そのコミュニケーションに活用する手法や事例についてご紹介してまいります。

講義の要約

◆ 講師紹介

富士ゼロックスの研究開発部門を退職後、心理統計(多変量解析)・認知工学をベースとしたインサイトモデル(ユーザーモデル・心理モデル)及びCX/UXの評価方法の研究に取り組みながら、これらの技術や研究成果を活用したサービス事業の開発支援やコンサルティングを行うための場とすべく、「ユーザーモデリングラボ」を起業。
現在は、慶応義塾大学SFC研究所に研究員として所属しつつ、複数のベンチャー企業にジョインして新しいサービス事業の開発・支援やコンサルティングに従事。


1.ユーザーモデルとは
  • ユーザーモデルとは
    ユーザーモデル=「人を知る」ための技術のひとつ。
    人のとる行動の内発的な動機となる感性や感情的な側面(“気持ち”の側面)を対象にしたモデルのこと。

    人を知ろうとする時、その人の持つ属性や何らかの履歴(購買履歴やアクセス履歴等)に基づいてその人を知ろうとすることが多い。
     履歴=その人がとった行動の結果
     行動=その人が対象に対して肯定的な“気持ち”になったことによって引き起こされた結果

    「ユーザーモデル」の考え方は、様々な行動や履歴の原因となっている人の“気持ち”を対象に、その人がとった行動の動機や原因を探り、より効果的なコミュニケーションを効率的に実現するために活用できるのではないかというもの。
2.ユーザーモデルの着眼点
  • 着眼点はお客さまの気持ちの変化
    行動はお客さまの気持ちの変化により態度が変容したものであり、属性は行動の結果である。
    お客さまの価値観、消費者傾向、嗜好性を知ることで、行動の原因や動機を解明することができる。

  • 消費者行動傾向に基づく4つのモデル
    人が何らかの購買行動を取ろうとする時に想定される「消費行動傾向」を切り口に「ユーザーモデル」の考え方を紹介する。「消費行動傾向」を表出させるために78の設問を設計して、対象者(国勢調査統計データに基づいて性別・年代・地域で割り付けた20歳~60歳代の社会人、1500名)から回答を得て分析を行った。その結果、消費者行動傾向は以下の4つのクラスタに分けられる。

    ① ついつい定番派→定番を買う
    ② 何と言っても実用性重視派→自分で判断し自分で買う人
    ③ こだわりのない成り行き派→情報収集しないで勢いで買ってしまう人
    ④ 開放的な積極的社交派→積極的に情報収集して自分がいいと思ったらとりあえず買ってみる人

  • 消費行動傾向に基づくクラスタと基本属性の関係性
    4つのクラスタを「基本属性」(性別・年代・地域)でクロス集計し、その基本属性毎に検定(カイ2乗検定)を実施して、統計的に有意である基本属性を「特徴」として抽出を行う。

    基本属性との関係において、「性別」「年代」にはばらつきがあり有意性はみられるが、「地域」に有意性はみられない。また、他の属性「結婚・子供」「職業」「世帯年収」「住居形態」にも有意性がみられることがわかる。

    これらで分かること(一例)
    ・ついつい定番派は30代既婚主婦に多いことがわかる。
    ・何と言っても実用性重視派は子供ありの既婚者や年金生活者に多い。
    ・こだわりのない成り行き派は30代男性会社員に多い。
3.ユーザーモデルを作るためのステップ
  • クラスタを得るために
    クラスタを得るためには、「消費行動傾向」を表出させるための刺激(設問)を網羅的に準備し、その刺激にどのように反応したか(回答)を回収して、分析(多変量解析)する必要がある。

    コーヒー牛乳の味の違いのイメージ。
    同じコーヒー牛乳でも、甘い、ミルキー、テイスティーなど様々ある。
    これは成分の含有量の差で違いが表れている。
    つまり、コーヒー+ミルク+砂糖の割合の差が共通成分ということ。

  • 分析するためのステップ
    分析は大きく3つのステップで進める。
    ①因子分析:回答に潜在的に影響を与えていると考えられる因子(共通成分)を抽出する。
    ②クラスタ分析:共通する成分の量(因子得点)の近さで塊を作る。
    ③判別分析:新しい人がどのクラスタに所属するのかを判定するアルゴリズムを作る。

  • 消費者行動傾向に基づく分析
    「消費行動傾向」を表出させるために準備した78の設問群に対する回答結果を因子分析し、9つの因子(共通する成分)に分ける。例えば、開放的傾向因子、几帳面計画性因子など。

    この共通する成分の持ち方(因子負荷量から導き出された因子得点)の近さで塊を作りクラスタ分析を行う。9つの共通する成分の持ち方の特徴に基づいてできたのが4つのクラスタ(塊)ということになる。

    作られたユーザーモデルは、あくまでも、サンプリング調査によって作られたものであるので、クラスタ分類ができただけでは充分ではない。対象者の所属するクラスタや、対象者が共通成分を多く持つ人かどうかを判定(推定)する必要がある。

  • ユーザーモデル構築プロセスまとめ
    共通成分を抽出する。【因子分析】
     ↓
    成分の組み合わせの似た人を集める。【クラスタ分析】
     ↓
    ユーザーモデル
     ↓
    所属するグループを予測する【判別分析】

  • 食に対する意識に基づく5つのモデル
    もう一つの例で食に対する意識に基づくモデルを紹介。
    「食に対する意識」を表出させるために73の設問を設計し、これらの設問群に対する回答結果を因子分析することで10の因子に分けた。その因子に対する因子負荷量から導き出された因子得点を使って、5つのクラスタを導出した。

    ①適度に普通でいい派
    ②楽しく食べて健康維持派
    ③一人で自由に食べたい派
    ④こだわりない効率重視派
    ⑤食べることを大事にしたい派
4.ユーザーモデルを活用するために
  • ユーザーモデルの活用の3つの側面
    [1] オファーの最適化
    [2] ターゲティングの効率化
    [3] コミュニケーションの活性化

  • オファーの最適化
    人それぞれの持つ心理特性に応じてオファー(サービス・イベント等)を最適化するための活用。メッセージやデザイン表現も含めて考える。
    ユーザーモデルからオファーを最適化する。

  • ターゲティングの効率化
    得られたそれぞれの人の持つ心理特性を、準備された(何らかの特性を持つ)オファーを受け入れてくれる原因や動機と親和性がある人を特定するために活用することで、オファーに対する受容性の高い人(ターゲット)を効果的に探していくための活用。
    オファーからユーザーモデルを予測する。

  • コミュニケーションの活性化
    人それぞれの心理特性の類似度(対象に対する何らかの考え方が近いかどうか)に基づいて、人と人の間のコミュニケーションを活性化するための活用心理特性の近さでコミュニケーションを活性化するための活用。
    ユーザーモデル同士をマッチングさせる。
5.ユーザーモデルの活用事例
  • オファーの最適化の事例
    事例1:ユーザーモデルの考え方をダイレクトメールのような大学の受験促進プロモーションに活用した事例

    ある中堅大学の次年度に実施予定の入学試験を想定した「オープンキャンパス」(7~8月)時に来場者の判別を行い、その将来や進学に対する意識や大学に求めることに基づいて「大学選びの考え方モデル」を作成した。
    「オープンキャンパス」来場者(約5,000名)のクラスタ判別結果を活用して、「資料請求者」(約40,000名)のクラスタ推定方法を抽出、分類を行い、その判定結果を「受験告知」(12月~1月)ダイレクトメールの作成と配信に活用した。

  • ターゲティングの効率化の事例
    事例2:ユーザーモデルの考え方に基づく訪問ランキングをイベント後のフォローのプライオリティやWeb接客システムに活用した事例

    大きなイベントがあった際に、来訪顧客に答えてもらうアンケートに、来訪した顧客の特定の心理特性を推定するための判定アルゴリズムを前提とした設問を設置し、回答結果に基づいて、イベント後の訪問ランクを決定した。そのランクを特定のWebサイト内で稼働するアバターのインタラクションに設定して、接客への活用を進めた。

  • コミュニケーションの活性化の事例
    事例3:心理特性の“近さ”を把握するためのアルゴリズムに活用して、Webサイト内での「情報推薦」(レコメンド)に展開したある口コミサイトの事例

    あるお店(主に飲食店)の口コミサイトで、利用者のアクセス履歴や口コミから訪問先が似た人が行っているお店を推奨するシステムに、 “好み”というフィルターを通して推薦を行えるようにした。口コミや訪問履歴と共に、利用者が好むお店のイメージを、嗜好イメージに基づいて作られたユーザーモデルの判定アルゴリズムを作成し、それを使って得られる40の数列に変換して蓄積を行った。新規の利用者にも同じ設問を行い、その回答結果から得られる数列と口コミをアップしてくれている利用者の数列との類似度に基づき、より類似度が近い利用者がより良い口コミを残したお店をより強く推薦するようにした。
6.まとめ

ユーザーモデルは、人が様々な対象に対してもつ心理特性に基づいて、人の“気持ち”の解像度を上げるために作られるものである。その適用範囲は非常に広く、事例の中で紹介したように、活用もアイデア次第で広がっていく。

7.質疑応答

<質問>
ユーザーモデルを作る際に実施するアンケ―トの設問設定が重要と感じた。そこで気を付ける点や工夫があったら教えてほしい。

<回答>
質的な調査を多用すること。特性の違う人にインタビューを行い、多くの意見を招集し、設問設定には多くの時間をかけることが望ましい。

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