特別講義レポート: | 2024年 | 過去のテーマ: | 一覧 |
例会 回数 |
例会開催日 | 活動内容 | |||||||||
2018年 | |||||||||||
1 | 5月11日(金) |
特別講義
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2 | 6月15日(金) |
特別講義
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3 | 7月12日(木)~13日(金) | 合宿 | |||||||||
4 | 9月中旬 | ソフトウェア品質シンポジウム2018 本会議(会場:東京) | |||||||||
5 | 10月12日(金) |
特別講義
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6 | 11月16日(金) |
特別講義
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7 | 12月14日(金) |
特別講義
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2019年 | |||||||||||
8 | 1月11日(金) |
特別講義
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9 | 2月22日(金) | 分科会成果発表会 |
日時 | 2018年5月11日(金) 15:15 ~ 17:15 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 地下1階講堂 |
テーマ | 情報通信システムの品質向上ニーズとSQuaRE シリーズ国際標準による対応 |
講師名・所属 | 東 基衞 氏(早稲田大学名誉教授) |
司会 | 喜多 義弘 氏(東京工科大学) |
アジェンダ |
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アブストラクト |
ICT(情報通信技術)の急速な進歩により、 情報通信システム及びそのソフトウェア製品(S&S)が多様化し、普及しています。S&S製品の品質の欠陥が多様な利害関係者に重大な影響を与える恐れのあるクリティカルなS&S製品の品質向上は現代社会の最重要課題のひとつです。 |
講義の要約 | |
東 基衞 氏 1.S&S品質向上のニーズ:その背景と影響
2.S&S品質向上の着眼点と国際標準
3.ISO/IEC JTC1/SC7/WG6とSQuaREシリーズ
4.S&S品質の概念とSQuaREシリーズの概要
5.SQuaREシリーズの品質モデルとその利用
6.SQuaREシリーズのS&S品質測定技術
7.SQuaREシリーズのS&S品質要求定義技術
8.QuaREシリーズによる品質実現プロセス
9.SQuaREシリーズの品質評価技術
10.SQuaREシリーズの現状、課題と改定計画
質疑応答
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日時 | 2018年6月15日(金) 10:00 ~ 12:00 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 2階講堂 |
テーマ |
仕事とキャリアに生かす「コンセプチュアル思考」 ~抽象化・概念化の力がどう自己と組織を変えていくか~ |
講師名・所属 | 村山 昇 氏(キャリア・ポートレート コンサルティング 代表) |
司会 | 中谷 一樹 氏(TIS株式会社) |
アジェンダ |
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アブストラクト |
論理によってものごとを分け、真を追っていく知のロジカル思考。人の気持ちに寄り添って、美を求めていく情のデザイン思考。そして、洞察的に全体を観ながら、善を志向していく意のコンセプチュアル思考。本講義では、3番目の思考を取り上げます。 |
講義の要約 | |
村山 昇 氏 1.「コンセプチュアル思考」概説
~ミニ演習:「成長」を主観的に定義する(πの字思考の実践)~ 【抽象化(↑)】
~質疑応答~
2.よりよい仕事・キャリアのための「コンセプチュアル思考」
~ミニ・ディスカッション:お金は働く目的か?利益獲得は事業の目的か?~ ①働く目的が「金を得るため」という考えに対し、賛成か反対か。
~ミニ・ディスカッション:私の提供価値宣言、我が社の提供価値宣言~ ①私は仕事を通し、「 」を売っています(を届けるプロでありたい)
3.クロージング
質疑応答
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日時 | 2018年10月12日(金) 10:00 ~ 12:00 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 地下1階講堂 |
テーマ | 品質技術の実践 |
講師名・所属 | 足立 久美 氏(株式会社デンソー/本研究会 実践コース 副主査) |
司会 | 小池 利和 氏(ヤマハ株式会社/本研究会 運営小委員会委員長) |
アジェンダ |
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アブストラクト |
品質の実践を「品質技術を効果的に活かして課題解決をすること」と捉え、その品質の実践事例(考え方中心)として、次の2つについて紹介する。 ②旧第6分科会「派生開発」での8年間の活動で培ってきたノウハウをまとめた「論文構造を活用した課題解決方法」の実践事例
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講義の要約 | |
足立 久美 氏 1.品質の実践とは?
2.想定外との戦い
3.制約との戦い
実践とは制約(矛盾)との戦いである。6つのポイントで説明する。
①実践は理論通りにはいかないことが多い ⇒“課題”に対する“結果(答え)”を導き出す際、何等かの“理論(方法論)”を使って“実践”することになるが、この実践には必ず“制約”条件を伴っている。実践とは制約の中で成り立つ答えを導き出すことである。 ⇒例)理論:NOT回路(反転) ②矛盾を解決することがエンジニアリング ⇒例3)ネックストラップの事故防止装置 ③要求はある意味制約である(特に非機能要求) 例)要求:地点Aから地点Bに行きたい ④実践には複眼を持つことが大切 -複眼思考の勧め 複眼は福眼に通ずる- ⇒総合診療医(ドクターG)とは、病気を心身から全体的に診療する医師。病気の予防にも携わる。患者の特定臓器に着目するのではなく、全体的な健康問題に向き合って治療を行う。 ⇒総合エンジニアの提言:総合エンジニアとは、製品開発における特定のプロセス(技術)に着目するのではなく、開発プロセス全体を複眼で捉え、システム思考(※)で課題解決を行うエンジニア(エンジニアGと呼ぶ)。 ⇒どんな装置でも得手/不得手があり、いくつかの装置を組み合わせて用いることで補完している。 ⑤実践力 -ある制約条件のもとで、価値を生み出す力- ⇒実践の6W。6ワークで、価値(Value)を生み出す。 ⇒不惑については、「やりたいこと」、「やるべきこと」、「やれること」の関係性を識別し、どう折り合いをつけるかが大事となる。目的「やるべきこと」と現状「やれること」の差のGAP、「やるべきこと」と「やりたいこと」のベクトルのGAPの認識が必要。 ⑥アンチパターンは実践のポイント ⇒例)「憲章炎」患者の実例 ⇒(※1)と(※2)で矛盾が発生。アジャイル憲章は、「ドキュメントを書かなくてもいい」とは言っていない。必要なドキュメントは後になっても必ず作るのが正しい。 4.プロセス改善の事例
欧州でのプロセス実装事例 ⇒LLD(Low Level Design)にアジャイル開発を適用している。 ⇒ツールによる設計支援が充実している。 プロセス改善あるある“8” ⇒製品開発の5大リスク(PASSO)。 ⇒Processは他の4つの基盤技術であり、その整備が肝である。不完全な開発プロセスのもとは、設計活動はうまくいかない。 ⇒プロセス改善の8つのアンチパターン(A-SPICEをベース) (P.1)視野狭窄 原因:A-SPICEはソフトウェアのみに適用されると誤解している人が多い。特にシステム技術者。 処方箋:A-SPICEの”plug-In” conceptを正しく理解する。 (P.2)レベル崇拝 (P.3)支援過多 症状:改善スタッフは開発チームにとって過剰又は不十分などの不完全なプロセスを開発チームに提供。 原因:改善スタッフは、開発チームの実情を考えることなく、開発チームに対してプロセス改善活動を一方的に支援している。(一方的支援) 処方箋:開発チームはプロセス改善活動の主体でありEPGは開発チームのプロセス改善活動を支援するものであると認識すること。支援のための重要な観点は自発性を育てること(自分で考えて行動することが大切)。 (P.4)“why”の蒸発 症状:ルールやチェックリストの中に、なぜこのルールが存在しているのか、またなぜこのチェックをしなければならないのか、その理由が理解できないものがある。これが、不十分なチェックやルール遵守を誘発し、品質低下の一因となっている。 原因:組織標準やチェックリストには、ルールやチェック項目(What, How)が記述されている。しかし、ルールやチェック項目の存在理由(why)が記述されないことが多い。また文書を簡略化(洗練)すると、後で「なぜそうなったのか」が分からなくなる情報欠落のリスクがある。 (P.5)PPT/EXCEL症候群 症状:構成管理、変更管理、問題管理、トレーサビリティ管理に多くの工数が必要であり非効率である。また、ミスが発生しやすいので信頼性が低い。 原因:EXCELが利便性の高い専用ツールの代わりに、管理ツールとして多く使用されている。したがって、管理が属人的になっている。 処方箋:管理のための専用ツールを使用して属人性を廃する。WORD(正式文書)/EXCEL(表計算)/PPT(プレゼン)の本来の使い方を理解して利用する。属人的であることがリスクであることを認識し、ツールを使っていないこと自体、非効率かつ作業品質が悪い証拠である。改善がうまくいかない理由として、十分な装備・ツールを与えずにPPT/EXCELだけで無理なルートを綱渡りしている。 (P.6)ノウハウの蒸発 症状:設計者の設計スキルやノウハウが低下するので、設計変更や問題が発生した場合、設計者はそれに対応できなくなってしまう。 原因:設計をする機会が減少するので、スキルやノウハウが蓄積されない。特にアウトソーシングの多重化と“丸投げ”が良くない。 処方箋:1)組織の取得戦略(内製/外注の判断基準)を定義する。 (P.7)テーラリング不全 症状:人によってテーラリング方法がばらつき、テーラリングされたプロセスのタスクに過不足が発生し、プロセス品質が安定しない。 原因:テーラリングガイドラインが不十分(又はそれが存在しない)、又はテーラリングの理解不足。 処方箋:1)テーラリングに対する正しい理解を持つこと。 2)十分なテーラリングガイドラインを定義し、運用すること。 (P.8)部分最適 原因:システム/ソフトウェア/ハードウェアの設計間の連携した活動が不十分(マネジメント層がマネジメントしていない)で、各々が自己中心的な活動をしている(部分最適)。 処方箋:1)システム/ソフトウェア/ハードウェアの各設計部署間の役割分担の明確化、 2)システム設計/ソフトウェア設計/ハードウェア設計間の統括管理の 実施(全体最適) ⇒あなたはどの世界に住んでいますか? 5.課題解決の事例
SQiP研究会「派生開発」分科会(旧第6分科会) 25SQiP(2009年)~32SQiP(2017年)の8年間、派生開発における課題形成力と解決力の育成の場として活動。 ⇒派生開発の様々な問題を取り上げ、その解決策を考案する。 ⇒問題解決のために、XDDP・USDM・PFD・論文思考 などの手法を効果的に活用する。 ⇒8年間の活動成果として、 論文構造を活用した課題解決方法 論文を書こう。論文構造を活用した課題解決方法を提案する。 今後の進め方 <論文フレームワークのアーキテクチャ>
<モデル化(抽象化)の重要性>
<論文作成の躓きどころ>
<RQとGQMについて>
⇒まとめ(論文思考) 論文を書いて発表するメリットは、 |
日時 | 2018年11月16日(金) 10:00 ~ 12:00 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 2階講堂 |
テーマ | 製品・サービスのユーザビリティおよび社会的インパクト向上に関する取り組み ~今後必要となる社会的受容性およびインパクト評価~ |
講師名・所属 | 伊藤 泰久 氏(オムロン エキスパートリンク株式会社) |
司会 | 金山 豊浩 氏(株式会社ミツエーリンクス/本研究会演習コースⅣ(UX)主査) |
アジェンダ |
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アブストラクト |
オムロンは、企業の公器性を表した社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を1959年に制定しており、オムロンで開発される製品は、企業理念の一つである「ソーシャルニーズの創造」に対応し、社会的課題の解決に貢献するソリューションとなっている。 |
講義の要約 | |
伊藤 泰久 氏
Part 1 ユーザビリティ編
Chap.1 ユーザビリティセンタのご紹介
Chap.2 主要なサービスメニューのご紹介
≪ユーザによる評価≫
≪専門知識に基づく評価≫
Chap.3 評価・調査 実績例
~質疑応答(Part 1 ユーザビリティ編 について)~
Part 2 社会的インパクト編
Chap.4 社会的インパクト評価への取組
~ミニ・ディスカッション(自分の開発対象における社会的インパクトとは何か?)~
~質疑応答(Part 2 社会的インパクト編 について)~
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日時 | 2018年12月14日(金) 10:00 ~ 12:00 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 2階講堂 |
テーマ | ユーザーストーリーマッピングを用いたアジャイルな要件定義ワークショップ |
講師名・所属 | 川口 恭伸 氏 (アギレルゴコンサルティング株式会社 アジャイルコーチ) |
司会 | 永田 敦 氏(サイボウズ会社/本研究会 研究コース4 主査) |
アジェンダ |
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アブストラクト |
アジャイル開発をなぜ行うのか? |
講義の要約 | |
川口 恭伸 氏
1.実感駆動:アジャイル開発をなぜ行うのか?
2.ユーザーストーリーマッピング概要
3.ユーザーストーリーマッピング体験ワークショップ
質疑応答
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日時 | 2019年1月11日(金) 10:00 ~ 12:00 |
会場 | (一財)日本科学技術連盟・東高円寺ビル 地下1階講堂 |
テーマ | IoT・AI時代のテスティング・検証技術の最前線 ※当日の資料を公開中! |
講師名・所属 | 石川 冬樹 氏(国立情報学研究所/本研究会 研究コース5 副主査) |
司会 | 栗田 太郎 氏(ソニー/本研究会 研究コース5主査) |
アジェンダ |
<AI・機械学習×品質>
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アブストラクト |
機械学習を用いるシステムの動作は、プログラムコードにより演繹的に(規則的に)定まるのではなく、帰納的に(データに基づき)定まる。このため、システムから思いもしない出力が得られることがある。これに限らず、AIやIoTといった言葉で総称されるようなシステムにおいては、実世界や人の感覚に深く踏み込み、その要求やテストオラクル(成否判断基準)、扱う外部環境が不確かで変わりやすい。本講演においては、この「不確かさ」の問題に対するアプローチや、テスティング・検証のための技術を紹介する。 |
講義の要約 | |
石川 冬樹 氏 <AI・機械学習×品質> 1.イメージをもつための事例
2.本質的な違い:振る舞いの帰納的な構築
3.改めて:要求と仕様(と環境)
4.「IoT・AI時代」の品質?
5.機械学習における品質保証のための原則・思想
6.機械学習に対するテスト・検証技術の追求
《メタモルフィックテスティング》
《サーチベースドテスティング》
7.おわりに
質疑応答
《イメージをもつための事例》
《本質的な違い:振る舞いの帰納的な構築》
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大島 弘充(第34年度SQiP研究会書記)
中澤 陽平((株)インテック第34年度SQiP研究会書記)
2019年2月22日(金)に東洋大学 白山キャンパスにて、第34年度(2018年度)ソフトウェア品質管理研究会の成果発表会が開催され、総勢230名の方々にご参加いただきました。今回はその成果発表会の模様とSQiP研究会の紹介、1年間の研究活動を通して感じたことを記載します。
SQiP研究会とは
ソフトウェア品質管理研究会(SQiP研究会)は、ソフトウェアの品質管理への入門としての位置づけから、高い管理技術、開発技術を目指した議論・学習できる場として、幅広い要請にこたえる内容と品質管理分野の第一人者を指導者として高い評価を得て、今年度で34年目を迎えました。本研究会のメインの活動である分科会では「問題発見」、「解決手段」、「実践」という3つの視点からソフトウェア品質技術を研究、調査、実践していきます。分科会の他にも、特別講義や合宿、そしてソフトウェア品質シンポジウムを通じ、体験し気づきを得ることで、成果を出す仕組みとなっています。
研究員の職場の問題発見
解決手段
職場での実践
今年度は、マネジメントとエンジニアリングの両面をカバーする5つの研究コースと4つの演習コース、基礎コース、実践コースが設けられ、個人や組織において有用な新技術の発明、および、既存技術の整理、実問題へのノウハウの蓄積と展開について成果をあげました。
成果発表会の模様
冒頭、小池委員長から、来賓された研究員の上司の方々に向けて、「SQiP研究会として史上最大規模の開催になります。SQiP研究会に部下の皆様を派遣していただき、感謝申し上げます」と挨拶が行われました。次に、アイスブレークとして、SQiP研究会で学んだことなどを2~3人でグループとなり発表しあいました。その後、各研究チームの発表が始まりました。
成果発表会は、1発表につき15分間のプレゼンテーションと5分間の質疑応答により実施されました。今回は14件の論文報告と4チームの活動報告がありました。各チーム共、この一年のSQiP研究会の活動の集大成として成果報告であるだけに、いずれも熱の入った報告でした。
SQiP研究会の成果発表会は、現場改善の道のりを会話形式にして発表に盛り込むチーム、寸劇によるストーリー仕立てにして訴求力を高めるチーム、会場参加型で研究活動を疑似体験できるチームなど、聞いている側を飽きさせず、会場一体となって楽しませる工夫があり、活動内容を分かりやすく伝えるための工夫が随所にみられました。
発表者から一番近くの席で書記として携わった立場で述べると、何れのチームも研究に対する思い入れが強く熱の籠った内容で、事前にプレゼンの練習を重ねて本番に臨まれたのがよく伝わりました。
昨年に引き続き、来賓された上司の方々と指導講師との懇談会が、昼食時と成果発表会後の二回実施されました。ご派遣する際のお気持ちや、部下の方々の取り組み・成果について指導講師の皆さまと深くお話しをされていました。また、今年は、来年度の研究会に参加される研究員・上司の方々も特別にご招待され、昼食懇談会が実施されました。企業の枠組みを超え、1年間ともに仲間として活動することの重要性や1年後のお姿を具体的にイメージしていただけたようです。
指導講師をはじめ、様々な会社の方々と交流ができるため、懇談会は大変好評でした。
成果発表会の終了後、最優秀賞・優秀賞の表彰式が行われ、その後の各分科会・コースでの反省会をもって、今年度のSQiP研究会活動が終了しました。
最後は、全員参加による情報交換会が開催されました。締めは、小池委員長ならびに鷲崎副委員長よりご挨拶をいただきました。過去のSQiP研究会の論文が多数参考文献として採用されていること、また研究活動のレベルが年々高くなっている背景の紹介があり、来年度も益々の発展を祈念して閉会となりました。
今年度の受賞結果
成果発表会で発表された14本の論文について、一般的な査読・審査のプロセスに準拠して評価が行われました。具体的には、各論文につき3名以上が査読にあたって「有用性」「新規性」「可読性」などの観点から一次評価を行い、その後、当日の発表の様子も踏まえて論文委員会にて議論し、最終評価をされました。
その結果、今年度は以下の通り、最優秀賞1件、優秀賞2件が選ばれました。
【最優秀賞】
研究コース2 「ソフトウェアレビュー」 レビュー指摘の伝達チーム
『指摘を前向きに受け止めてもらうためのレビュー手法提案
~ RCS法(レビューコミュニケーションスタイル手法)の提案 ~ 』
⇒主に着眼の良さ、今後の発展性というところが評価されました。また、論文提出後も実験を続けていたことや、演習コースⅠの猪塚副主査からコーチングの知識をベースとした助言を受けるなど分科会の枠を超えた連携が垣間見られたことも良かったと評価されていました。
【優秀賞】
研究コース2 「ソフトウェアレビュー」 設計着手前レビューチーム
『「要求には無いが想定しておくべき条件」に着目した設計着手前レビューの提案
- 要求仕様の抜け漏れを防ぎ開発の前提条件のちゃぶ台返しによる大幅な手戻りを防止 - 』
⇒主に有用性、実直な堅いアプローチというところが評価されました。
研究コース3 「ソフトウェアテスト」 GrayFoxグループ
『ソフトウェア変更の影響範囲を考慮したスコア付けによるテストケース選定手法の提案
- DFDを利用したデグレード不具合の検知率向上 - 』
⇒主に着眼の良さ、今後の発展性というところが評価されました。
また、成果発表会でのプレゼンテーション内容についての審査も行われ、以下のチームがプレゼンテーション賞を受賞しました。
【ベスト・オブ・ザ・プレゼンテーション賞】
研究コース2「ソフトウェアレビュー」レビュー品質の可視化チーム
『重大欠陥予測手法を活用したレビュー品質評価技法の提案
~既存レビュー記録とプロジェクト特性から第三者がレビュー品質を可視化~』
SQiP研究会の活動を振り返って
第34年度
ソフトウェア品質管理研究会 大島 弘充 氏 |
私は、品質保証部門への配属をきっかけに、上司の薦めもあり、昨年度よりSQiP研究会に参加しました。永らく開発側の立場で閉じた世界・視点でしか品質を見てこなかったこともあり、自分たちのやり方が今後目まぐるしく変わる環境変化に耐えられるのか、継続的に事業を発展させ儲け続けることが可能なのか、そして品質保証が果たすべき役割や社会に貢献できることが何なのか等、経験値が乏しい現状に不安がありました。我々と世の中のギャップを知り、これから自分たちが為すべきことの知見を得ることを目的に「ソフトウェア品質保証の基礎」コースに参加しました。 |
第34年度
ソフトウェア品質管理研究会 株式会社インテック 中澤 陽平 氏 |
私は、品質保証部門への配属をきっかけに、昨年度に初めてSQiP研究会に参加し、今年度は2年目の参加でした。 |
おわりに
SQiP発足から35年目となる2019年度も今年度に引き続き、「ソフトウェア品質技術の領域を拡大し実践する一年」をメインテーマに掲げ、既に2019年度の研究員の募集も開始されています。
SQiP研究会は、5年前から(1)研究成果の質の向上、(2)習得スキルの実務適用、という2つの方向性で運営されています。
(1)を目指す研究員は、SQiPシンポジウムや他の学会への論文投稿へのチャレンジもサポートしていきます。
(2)を志す研究員に対しては、1年間の活動終了後にも、実務に適用した経験を共有できる場を設け、研究会卒業後も刺激を与えあうような関係性を維持する仕掛けを作ります。
つまり、品質管理に関するベテランでも、初学者でも各自のレベル、指向にあった場が提供されているのが、SQiP研究会なのです。是非、初学者の育成や職場の将来を担うリーダーの育成としてSQiP研究会を活用していただければ幸いです。
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