2016年9月27日(火)~28日(水)に韓国・済州島で開催されました。
ASQN とは、ソフトウェア品質が課題となるなか、ソフトウェア品質向上の事例や研究などを共有し、グローバルに発信していくことを目的とした、アジア各国間のネットワークコミュニティです。活動としては、ソフトウェア品質に関連する研究や経験事例の共有をASQNセッションとして年に1回開催しています。現在、中国、マレーシア、韓国、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナム、日本などアジア各国のソフトウェア関連団体が、参加および参加検討中の状況です。
今回は韓国、中国、タイ、日本から技術者が集まり、ソフトウェア品質について発表を行いました。会場は、27日(火)は漢拏(ハルラ)大学で、28日(水)はロッテホテルで、それぞれ130名を超える参加者が集まりました。
ASQN2016 カンファレンス概要
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 15:20-15:30 | 開会挨拶: Do Hoon Kim(K.SEN) |
| 15:30-16:30 | “ 安全なIoT 世界の為の韓国の努力と未来の為の準備 – SW安全コンサルティング事業を通じて ” Soonil Cha(TTA(Telecommunication Technology Association)安全センター長) |
| 16:30-17:30 | “地域の中小SW企業の為の SW品質力量強化の政策” Taeyeol Kim(NIPA(National IT Industry Promotion Agency)団長) |
一つ目は、「安全なIoT 世界の為の韓国の努力と未来の為の準備 – SW安全コンサルティング事業を通じて」という題で、Soonil Cha氏(TTAセンター長)から発表がありました。その内容は、TTAは韓国の正式なテスト認証機関であり、安全コンサルティングも行っていること、また今後は、安全コンサルティング、安全のための法改正も含めた枠組み構築、研究開発、人材育成をやっていくといった、充実した内容でした。
二つ目は、「地域の中小SW企業の為の SW品質力量強化の政策」という題で、Taeyeol Kim 氏(NIPA団長)から発表がありました。NIPAは韓国のICT産業を支援している団体で、支援内容は、施設やツールなどテストの基盤の提供、セミナーやプロモーションイベントの開催、国際標準や認証機関と協業、人材育成をしています。今後は、既存事業を社会の要請に合わせブラッシュアップしていくとのことです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| はじめに | 司会:Hyunjoo Lee, K.SEN |
| 13:30-13:40 | 開会挨拶:野中誠(JUSE-SQiP運営委員長、東洋大学教授) |
| 13:40-13:50 | 開会挨拶:KyungHwi Cho(K.SEN理事長) |
| 13:50-14:40 |
“Metrics Analytics on Continuous System Test”、荻野恒太郎氏(楽天) |
| 14:40-15:30 | “Software Development and Thailand 4.0”、Chalermpol Tuchinda(Director of Software Park Thailand) |
| 15:40-16:30 | “Software Industry in China & Software Quality Topic”, Yang Genxing(SSIA(Shanghai Software Industry Association)) |
| 16:30-17:20 | “Cooperation of Asian countries in terms of SW Engineering”, Park YoungKuen(Bizpeer) |
| 17:20-17:30 | 閉会挨拶:野中誠(JUSE-SQiP運営委員長、東洋大学教授) |
2日目のカンファレンスは、ロッテホテル済州島のクリスタルボールルームで、SQiP運営委員会委員長 野中先生の開会挨拶で始まりました。スピーチは全て英語で、通訳レシーバーでは韓国語が流れています。野中先生のスピーチは会場の豪華さにふさわしい堂々としたもので、SQiPにおける日本のソフトウェア品質への取り組みの紹介がありました。


続いて、今回のASQNカンファレンス主催者であるK.SEN理事長Cho氏の開会挨拶です。アジアの国々からの韓国済州島に来てくれたことを感謝するとともに、皆がもつソフトウェア品質の知識を共有できて嬉しいと述べていました。K.SENはこれからもASQNをサポートしていくと力強い言葉がありました。
次に各国からの発表です。最初は日本における取り組みとして、楽天株式会社の荻野恒太郎さんから、“Metrics Analytics on Continuous System Test”という題で発表がありました。発表は、まず、楽天の業務紹介から始まり、対象とするシステム群の説明、背景説明と続きます。開発プロセスとしてAgile は一般的になってきていて、開発と品質(テスト)が分かれているという状況説明がありました。その中で、継続的システムテストを行っていて、そこにメトリクス分析のアプローチを適用しているとのこと。数字をベースにした統計分析的なアプローチが行われています。発表後の質疑応答では、「テストを開発と並列で本当にできますか?」「スモークテストの方法を紹介してほしい」など活発な議論が交わされていました。

次はタイのSoftware Park Thailand理事長Chalrempol Tuchindaさんから“Software Development and Thailand 4.0”という題で発表がありました。Chalrempol Tuchindaさんはアメリカの大学院への留学経験があり、非常に流暢な英語でプレゼンテーションされていました。Thailand 4.0 とは”Creativity + Innovation smart Thailand”であり、デジタル機器を活用してよりよい社会にすることを目指していることや、タイのソフトウェアビジネス規模や、市場動向として政府系の投資が多いことなど多岐にわたる情報提供がありました。現在の課題は、品質に強い技術者が不足していることで、そのため、Software Park ThailandではCMMI, ISO/IEC 29110 VSEの普及に取り組んでいるとのことです。質疑応答もタイのソフトウェア技術者の待遇から、タイの郊外は自然が多く技術者がクリエィティブな仕事をするのに適しているのではといった話題など、多くの質問が出ました。
休憩を挟んで、3番目の発表は中国SSIA(Shanghai Software Industry Association )からYang先生が“Software Industry in China & Software Quality Topic”という題で発表がありました。Yang先生はゆったりとした英語でわかりやすく説明していました。SSIAの基本指針に”Dream, Heart, Persistence, Success”を挙げているそうです。中国のソフトウェア市場情報として、市場規模の伸び率は鈍化しているが引き続き拡大しており、SSIAは中国のソフトウェア品質に取り組んでいるとのこと。質疑応答では、中国のソフトウェア投資はSmarter City, Big Dataなどの重点的に投資しているという話題が出ました。
最後の発表は韓国K.SENからYoungKuen Parkさんから“Cooperation of Asian countries in terms of SW Engineering”という題で発表がありました。Parkさんは、西洋医学の世界で現在、東洋医学が見直されていることに例えて、東洋的な考えが重要になるであろうという考えを持っています。このことから、アジアの国が連携することは重要だと主張していました。K.SENはソフトウエアエンジニアリングに関してJoint Researchを行っている。質疑応答の時間では、YoungKuen Parkさんから、逆に野中先生の感想を聞きたいとのリクエストがあり、野中先生が答える場面がありました。野中先生からは、ここに集まっているアジアの方は様々なバックグラウンドを持っているので、協業することで問題解決によい解決方法となる、との感想がありました。
カンファレンスのクロージングは、野中先生の「次の時代つながるよう、協力して取り組んでいきましょう!」という言葉で、成功裏に閉幕しました。
最後に全員で写真撮影です。

次回ASQNカンファレンス開催について
(日本科学技術連盟 SQiP国際委員会)

SQiPの国際活動の一つとして、アジア各国が連携しソフトウェア品質向上に努め、結束を固め、国際競争力を強化するために、アジアにおけるネットワークづくりを構築すべく、ASQNを設立しました。2013年に第1回をクアラルンプール(マレーシア)で、2014年に第2回は上海(中国)、第3回は東京(日本)、第4回は済州(韓国)で開催しました。今後も毎年、アジア地域で行われるイベントにジョイントするなどし、アジアのネットワークづくりをしています。




