成果発表会は盛会のうちに終了いたしました。 当日の発表資料を公開しました! プログラム中からダウンロードできます。
本発表は、9月に開催いたしましたソフトウェア品質シンポジウム(SQiP2015)での発表を、さらにバージョンアップした内容となっています。
日時 | 2015年11月9日(月) 13:10~18:00/開場:12:30 |
会場 | 日本科学技術連盟 西新宿本部 ROOM-A |
参加費 | 無料 |
定員 | 100名 |
時間 | 内容 |
13:10-13:20 |
開催の挨拶 ・野中 誠 氏(東洋大学) |
13:20-13:30 |
活動の紹介 ・孫福 和彦 氏((株)日立ソリューションズ) |
13:30~14:30 |
講演 「アジャイル開発再考 ~ビジネスの環境変化とソフトウェア工学視点から」 ・平鍋 健児 氏 詳細はこちら |
14:30-14:40 | 休憩 |
14:40-15:10 |
成果発表 各グループの発表概要・発表資料はこちら 成果発表1 グループ5 「スピード経営を実現するためのアジャイル開発、品質保証部門は何するの?」 ・二川 勇樹 氏((株)モバイルインターネットテクノロジー) |
15:10-15:40 |
成果発表2 グループ2 「超上流からの品質保証 Part3」 ・千綿 洋一 氏((株)ニコン) |
15:40-16:10 |
成果発表3 グループ4 「設計工程での品質施策 -要求・要件定義での合意形成のために-」 ・佐々木 方規 氏((株)ベリサーブ) |
16:10-16:20 | 休憩 |
16:20-16:50 |
成果発表4 グループ1 「品証組織の進化と価値向上に向けて」 ・衣川 潔 氏((株)日立ソリューションズ) |
16:50-17:20 |
成果発表5 グループ3 「ソフトウェア品質保証の肝 (完結編)」 ・藤川 昌彦 氏(アズビル(株)) |
17:20-17:50 |
成果発表6 グループ6 「品質意識を醸成するには?」 ・江口 達夫 氏(エプソンアヴァシス(株)) |
17:50- | 終了の挨拶 |
講演タイトル | アジャイル開発再考~ビジネスの環境変化とソフトウェア工学視点から |
概要 | 日本でも導入の進んできたアジャイル開発は、新しいビジネス環境に適応する、ソフトウェア工学手法であり、また、チーム作り手法であると考えています。この会では、アジャイル開発が現れてきた背景や環境、アジャイル開発の概要をお話したあとで、みなさんと一緒に品質とアジャイルについて考えたいと思います。 |
講演者紹介 |
平鍋健児(ひらなべけんじ)氏 株式会社永和システムマネジメント代表取締役社長。 UMLエディタastah*(旧JUDE)の開発等、20年以上ソフトウェア開発経験、うち10年のアジャイル開発経験をもち、開発現場をより生産的に、協調的に、創造的に、そしてなにより、楽しく変えたいと考えている。 |
成果発表1 |
グループ5 「スピード経営を実現するためのアジャイル開発、品質保証部門は何するの?」 ・二川 勇樹 氏 ((株)モバイルインターネットテクノロジー) 各企業は世の中の変化に即応した経営を求められ、それを支えるシステムにも柔軟な対応が求められています。このような環境下、アジャイル開発は今後企業が発展していくのに必要不可欠となり、一気に普及する可能性があります。アジャイル開発であっても品質はしっかり見ていかなければならない、その一方、品質を厳しく見ることでアジャイル開発の長所を損なうことがあってはならないと考えます。二律背反ともいえるこの課題を中心に、有識者からの事例やご意見を参考に、アジャイル開発での”品質保証のあるべき姿”や”品質保証部門のかかわり方”を検討してまいりました。今回の発表で、今後アジャイル開発を導入していこうと考えている方のヒントになれば幸いです。 |
成果発表2 |
グループ2 「超上流からの品質保証 Part3」 ・千綿 洋一 氏 ((株)ニコン) 「SQiPソフトウェア品質保証部長の会」で、『超上流からの品質保証』について研究を始めて今期で3年目となりました。今期は、品質保証部門長が、超上流工程で「発注側」と「受注側」それぞれの立場で直面した課題を、品質保証の観点でどのように解決し、契約につなげPJの成功に導くかを検討しています。具体的には、「入札事例をもとに提案のポイントが何か」を研究し、品質保証部長の目で独自に評価をしました。この評価と品質保証部長達の実体験をベースとした品質保証の切り口で超上流工程への関わり方を紹介いたします。皆様へ、琴線にふれるような品質保証ならではの取り組みをお伝えし、明日への活動に生かしていただければ、幸いです。 |
成果発表3 |
グループ4 「設計工程での品質施策 -要求・要件定義での合意形成のために-」 ・佐々木 方規 氏 ((株)ベリサーブ) 設計工程、特に「要求・要件定義フェーズ」での顧客との間やプロジェクト内での合意形成が不十分であることによる、プロジェクト崩れや品質問題が多く発生しています。ここでの合意形成は、コスト計画や納期を守るためだけでなく、品質保証の観点においても、重要な課題であるといえます。今回は、要求・要件定義の合意形成レベルを上げていくための考え方や施策について、事例やグループでの検討結果を紹介します。また、そこで、品質保証部門としてやれること、やるべきことを考えてまいります。 |
成果発表4 |
グループ1 「品証組織の進化と価値向上に向けて」 ・衣川 潔 氏 ((株)日立ソリューションズ) 企業を取り巻く状況が変化する中、品証組織はどう進化すべきでしょうか。そこで、今期の活動では、2011年2期に検討された品質保証プロセス進化論を基に、改めて品質保証の進化のあり方を検討することとしました。検討にあたっては、品証組織の規模・歴史の違いや、現状のIT動向を踏まえ、2期で示された4つの象限にマッピングすることで、改めてあるべき品証組織の進化の姿を議論しました。そこからは、規模、設立年数、経営からの期待の違いによって進むべき方向性は必ずしも画一的でなく、バリエーションがあるということが分かりました。これらのバリエーションを認識した上で、競争力を維持するために、品証組織はどのように価値を向上させていくべきかを考察してきました。皆さんの品証組織の置かれている状況の違いで、進化すべき方向性を検討する際に参考となれば幸いです。 |
成果発表5 |
グループ3 「ソフトウェア品質保証の肝 (完結編)」 ・藤川 昌彦 氏 (アズビル(株)) 品質保証業務の様々な場面で悩んでいる方の気付きの材料とするために、第3期よりグル-プメンバ-の経験をもとに『ソフトウェア品質保証の肝』として具体的な事例をまとめてきました。1年目の活動成果では44個であった肝も、3年目には85個の肝を143ページにまとめました。 4年目の今期は、以下の活動を行ってきました。 ・個々の肝を深く議論し、全員が納得出来る内容に仕上げる。 ・肝の表現、解説、書式など全面見直す。 ・個々の肝は、2ページ構成とし、一つの肝に対して1ページの詳細解説・具体例を追加する。 今回の発表は『完結編』として、過去の活動の振り返りを行うとともに、これらの中から代表的な肝を紹介します。 |
成果発表6 |
グループ6 「品質意識を醸成するには?」 ・江口 達夫 氏 (エプソンアヴァシス(株)) 開発・設計部門において品質確保の活動がしっかりとなされておらず、品質保証部門の目からみて、「ありえない」、「とんでもない」と思える現象が発生していることがあります。このような状態に対して、「品質意識が低いのは困ったものだ!」と嘆いたり、単に批判しているだけでは品質意識の向上は期待できません。なぜ、「品質意識が低い」のでしょう? 品質に対する意識を変えていくためにはどうしたら良いのでしょう?本グループでは、「品質意識が低いというのはどういう状態か」、さらに「その原因と対応策」、「目指すべき状態と品質レベルにするにはどうしたらよいか」を討議してきました。本発表が、皆様の活動の一助になれば幸いです。 |
開催日:2015年6月3日(水)
今回は、9月に開催されるSQiPシンポジウムに向け、中間進捗状況を報告する“ミニ発表会”です。
発表テーマは全部で6つ。各グループの発表概要を紹介いたします。
発表者:村野 耕一氏(ブリヂストンソフトウェア株式会社)
グループ1の今期の活動テーマ「品証組織の進化と価値向上に向けて」について「各社の品証組織がそれぞれ置かれている状況下で早く成長するために何をなすべきかを明らかにする」を目的として活動を行っています。
具体的には「2011年に発表した進化論を、現実的に実行するためのあるべき行動と陥りやすいワナを明確にする」ことを目標に掲げ、検討、議論のさなかにあります。
図・1は進化論の説明の中の4象限で表された品質保証組織の成長過程です。
横軸は管理の充実度合いを表しています。下段の4象限と3象限は、従来型の組織の成長過程を表しています 。上下段の差は、組織の成熟度としました。
今回上段の2象限、1象限が検討の中心で、2象限が従来型組織の到達点と考えました。
4象限から3象限、2象限の間には壁があるという見解に達しています。
壁を突破するには、「品質保証部長の会」の他のグループの成果を活用することが効率のよい“肝”ではないかと考えています。
上段の成長過程について検討した結果、次の意見が出ています。
従来は2象限から1象限に進化する道があると考えていました。しかしながら、討論を進めるうちに、2現象から1象限に向かうパス以外にも別の進化があるのではと考えるようになりました。従来型の組織成長の先に、実は”見えない天井”があり、この先に「とことん品質追究」、例えば「アジャイル開発への対応」、「超上流の品質管理」などがあるのではと考えています。
そこで、従来の1象限のもつ意味は何かということを徹底して考えたところ、会社(経営)から品証への要求に合わせた進化ではないかということです。
例えば、品質保証業務の効率化を求められたとすると、その対応例として開発部門に自主自律を期待して品質保証業務を簡素化することがあると思います。
しかし、ここでも問題があります。相手によっては、折角の改善であっても品質の停滞や劣化、活動の衰退になり、今まで築いた品質体制・体系が崩れるかもしれません。
このようなことになると、また1から始めることになってしまうわけです。
このように、どの象限にあっても進化に際して、悩み、問題はついて回ります。
グループ1では「品質保証部長の会」の今までの蓄積が、この悩み、問題の解決につながるよう整理を進めて行く予定です。
図・2は、進化の過程は1つではないということを表しています。
ソフトウェアの品質保証は環境、時代の影響を強く受けるもので、大きなイノベーションの都度見直され、新たに象限を作り上げていると考えていました。
その際、次の進化論に遷移するに当たり、果たして同じ象限に移れるのだろうか、もしかしたら元に戻ってしまうのではという不安、悩みが出てきました。
これに対しての見識を出すべく、継続して11月の成果発表会に向けて整理していきます。
発表者:増瀬 英雄氏(株式会社島津ビジネスシステムズ)
私たち「SQiPソフトウェア品質保証部長の会」では、『超上流からの品質保証』について研究を始めて今期で3年目となりました。
今期は、品質保証部門長が提案フェーズで「発注側」と「受注側」それぞれの立場で課題に直面し、契約成功に向けた品質保証を検討しています。
まずは、受注側が発注側の立場にたってみると、何が大事だと考えるかを洗い出しました。
続いて、入札事例をもとに入札のポイントが何かを検討し、品質保証部長の目で独自に評価をしました。
これらを検討し、「ユーザとベンダーの思いは、QCDのCDは相反するが、Q(品質)だけは、思いは一致する」、「保守を直接行っている品質保証部門では、超上流へつながる情報【現場の声】から提案品質の向上ができる」という結論を導き出しました。
今期の後半で品質保証部門として、提案フェーズで何をするべきかをまとめていきたいと考えます。
発表者:佐藤 孝司氏(日本電気株式会社)
グループ3は、これまでの進捗状況を中心に中間発表しました。
特に、2月以降の検討の軸は、前期までに作成・発表した85個の”品質保証の肝”についての精査です。
残念ながら、5月末時点で進捗は全体作業量の50%程度であり、この調子で進むと、精査作業の完了が11月までかかってしまいます。
そこで、グループメンバで話し合い、7月末までに臨時会合を3回設定して、遅れを挽回する対策を合意しました。
なお、本発表に関してフロアから次の意見がありました。
発表者:山越 一弘氏(株式会社IHIエスキューブ)
グループ4は、設計工程における品質確保のための施策として「要求・要件定義の合意形成」にスポットを当て、要求・要件定義の合意形成レベルを上げていくための考え方や施策を検討し、紹介することにしました。そして、そのツールの事例として「D-Case」を取り上げて、適用事例や導入効果を調査し、そこから合意形成促進のポイントや課題を得たいと考えています。
D-Caseに関する有識者である名古屋大学の山本修一郎先生に対するヒアリングを中間発表の直前に実施。その結果を参考にして、D-Caseの活用事例を深掘りし、合意できること、合意すべきことを整理していき、今年度の目標である合意形成を促進するための考え方や施策を提言したいと考えています。
発表者:榊原 康之氏(株式会社ニコン)
アジャイル開発であっても品質はしっかりと見ていかなければなりません。その一方、品質を厳しく見ることで、アジャイル開発の長所を損なうことがあってはなりません。
二律背反ともいえるこの課題を中心にあるべき姿を検討し、各協会・研究所の取り組みや有識者(OSK:小井土様、戦略スタッフ・サービス:三井様、NEC:誉田様)から部長の会へいただいた助言の紹介がありました。
発表者:川原 章義氏(日本システム株式会社)
SQiPシンポジウムでの発表を意識して、発表ストーリーにそって今まで討議してきた内容について発表がありました。
討議中でもあり、2)は2例の紹介がありました。3)については7-8月に集中的に討議します。
上記6つの発表のうち、「超上流からの品質保証」「設計工程での品質施策」「スピード経営を実現するためのアジャイル開発、品質保証部門は何するの?」「品質意識を醸成するには?」につきましては、9/17-18に開催いたします「ソフトウェア品質シンポジウム」で発表いたします。
シンポジウムでの発表をご期待ください。
開催日:【第6回】2015年4月1日(水)/【第7回】2015年4月28日(火)
ソフトウェア品質保証部長の会は、原則として毎月第1水曜日に実施していますが、5月はGWがありますので、5月分を前倒しにして、4月に2回実施いたしました。
4月1日と28日という日程にも関わらず、多くのメンバーご参加のもと、活発に議論いただきました。
本レポートでは、4月に実施しました2回分のグループ討論の内容をご紹介いたします。
以下の内容について議論した。
次回は、「品質保証プロセス進化論」で紹介されている第1-4象限において検討すべき課題と対応案について議論していく。
以下の内容について議論した。
引き続き、議論を行った。
各チームがオリジナルな管理をしているという意味で
WEB上で募集された企画提案に対し公開された6社のプレゼン資料とプレゼン動画を見て、「成功/失敗 のカギはどこにあったのか?」を検討した。
提案書の書き方について
○○○のところがきちんと書けるということは、要求の背景を理解しているということ。
次の3件について議論した。
これまでのGR2の活動は、Web公開されている資料の分析を行った。
など
今後のGR2の活動は、「品証は何をするのか?」という視点で議論を行い、まとめ上げていく。
ソフトウェア開発業務とは、成果物(システムやサーバーなど)を顧客に納品するものではなく、それを通して、『価値』を提供している。
これは、先日の飯塚先生の講演の内容そのものである。これを、再度認識して議論を進めていく。
事業のGoalとしての考え方
提案書の内容に付加価値を与えられるものについて
設計工程での合意形成がうまく取れていない。これらが、品質問題に大きく影響している。
(課題)設計思想が明確に表せていないとか、残したいとか。
(ソリューション)現行システムで、設計思想の合意形成ができる。理解できる内容になる。
(課題)得意、不得意な領域や対象がないか?
○現在の事例は、試用的なものが多い。そのなかで、ポジティブな発表が多い。
○名古屋大学の山本先生がこれらの解を持っているのではないか。
次の議論について問いを山本先生にヒアリングしたい。
「合意形成が設計工程での課題の一部を解決することができそうである」という議論はできた。ただし、普及するには課題がある。議論の中で挙がった課題・疑問の解(ヒントでもよい)があれば進めやすい。有識者に意見をもらう前提で、品質保証部長の視点でどのように取り組めばよいかを検討して示唆する。
本グループの活動では、設計工程における品質確保のための施策を、実例を中心に検討し紹介することとし、まず、「要求・要件定義の合意形成」にスポットを当て、そのためのツールの事例として、D-Caseを取り上げて検討している。
5月中にD-Caseの有識者(大学の先生)へのヒアリングを実施し、適用事例、導入効果や現状の課題等をまとめる予定であり、今回は、その内容を検討した。
今後、その結果から「要求・要件定義の合意形成」という課題の本質に迫っていきたいと考えている。
ゲストを迎えて討論を行った。
アジャイルに向いている案件とは? 品質保証はどの段階で関わるべきか? どのようなデータをとればよいのか? 上司への報告(成果の表し方、数値化)などについて、小井土さん、三井さんにお話しを伺った。
品質意識と大きく関係する4つの要因(問題意識、当事者意識・責任感、成長意欲・向上心、危機意識)に分類し、「あるべき姿」と「悪い状態」を整理した。
表現の見直しなどを行い、4月中には完成させる。
さらに、「悪い状態」に対しその原因と改善対策を追加検討して、次回(4/28)に討議することとした。
今までの検討内容をまとめた一覧の見直しを行った。
以上の検討の結果、次のとおり進めていくことにした。
次回の部長の会は6月3日に開催します。SQiPシンポジウムでの発表を見据えて、中間発表を行います。
次回もお楽しみに!
開催日:2015年3月4日(水)
3月に入り、寒さもようやく衰えはじめた中、合宿後初の部長の会が開催されました。
今回は、前半90分は講演を聴講し、その後グループ討論を行いました。
合宿後、各グループの方向性も定まり始め、議論時間が短かったにも関わらず、深い討論をされたようです。
まず前半は、「進化する品質経営」をテーマに、東京大学名誉教授の飯塚 悦功(いいづか よしのり)先生にご講演いただきました。
品質経営は時代とともに変化している。高度経済成長期と今では求められているものが違う。品質経営とは、すなわち顧客価値提供マネジメントであり、お客様に価値を提供するに当たり、自分たちのコアコンピタンスは何かをきっちりと把握していることが重要である。
商品企画に対してソフトフェアはすさまじい影響力がある。製品の価値はソフトによってつくられていると言って過言ではない。まさしく製品の魅力を出す原動力である。ソフトの担当者は言われた働きをつくるのではなく、商品企画に積極的に関わるべきである。
ここに参加されているソフトェア品質保証責任者である皆さんが、品質経営を支え、活躍されていくことを期待している。
後半は、グループ討論です。今期のテーマは「品証組織の進化と価値向上に向けて」「超上流」「肝」「設計工程」「アジャイル」「品質意識の醸成」の6つです。
各グループの討論内容を紹介いたします。
今回、出席者が4名でしたので、前回合宿時の検討を踏まえて、これからの進め方を議論しました。
議論の結果、次の通り進めてみたらどうかということになりました。
過去の発表では、当事の検討メンバが同じ悩みを抱えていて、それに対して解決に向けた提言を行った。
そのため、同じ解決策を考える必要はないと考え、まず先人の意見を確認し、その当事何を考えて来たかを理解してみることとした。
まず、各自で以下の資料を読んだ上で、議論を進めようと考えている。
*対象資料があるURL:http://juse.or.jp/sqip/community/bucho/index/
この中より、以下の内容を確認する。
各自には、気になる項目の抽出とそれについての疑問点、質問をリスト化し、持ちよっていただき、提案、提言について議論を行いたい。
(1) 提案チェックシートと受失注報告シートの項目抜粋一覧
1) 実際に使用しているチェックシートだから、網羅性は高い。
2) 一方で、お客様視点というより、受注側視点の項目になっているように思う。
(2) WEB上で募集された企画提案に対し、公開された6社のプレゼン資料とプレゼン動画の確認(1社が受注、5社が失注)
1) 6社を第一集団、第二集団、第三集団、第五集団に分け、差が付いた所、その差に対して、
受注側品質保証部ができる事を表に整理した。
(1) 顧客満足度向上という言葉を使っていない。
(2) 先生が説明されていた「経営基盤としての製品・サービスを通した顧客価値提供」という考え方は、しっくりときた。
⇒本活動でも、飯塚先生講演内容や考え方を反映したい。
次回以降は、WEB上で募集された企画提案に対し公開された6社のプレゼン資料とプレゼン動画を、各自「成功/失敗のカギはどこにあったのか?」に着目し、分析する。
まずは、ソフトウェア品質保証という視点にこだわらないで分析をしていきたいと思う。
合宿での議論に引き続き、検討の進め方を中心に議論した。
本グループの活動では、設計工程における品質確保のための施策を、実例を中心に検討し紹介することとし、まず、要求・要件定義の合意形成のためのツールとして、D-Caseを取り上げて検討することとした。ツールの適用事例を収集するとともに、見識者(大学の先生)の講演を事務局にて検討頂く予定である。 次回以降、適用事例の整理を行っていく。
これまでの議論では自社の状況、アジャイル開発の疑問点などフリーディスカッション中心であったが、今後は品質保証部門がどのように関わるべきかに焦点をあて議論を進める。
例えば、QAとしてPJの中に入り込む、もしくは、あるタイミングだけ関わる、チェックリストの作成などを考えている。
また、メンバはエンタープライズ系の受託開発、製品への組込みなど業種が多岐にわたっており、前提条件を明確にした上で関わり方を考えていく。
上記内容が固まってきた段階で、アジャイル開発を実践し品証部門として関わってきている方から話を伺う場を作り(NEC誉田さん、5月中旬を予定)、ヒントにしていく。
合宿時の品質意識の低い現象や高い現象から品質意識モノサシを完成させようとしていたが、原因との関係なども考える必要がある。
まずは、現象から整理するのではなく、品質意識と大きく関係する4つの要因(問題意識、当事者意識・責任感、成長意欲・向上心、危機意識)に分類し、「あるべき姿」と「今の状態」を整理していくことにした。これを整理した後に、上記以外で重要そうなものを合宿で討議したものから追加して、4つの要因との因果関係なども考えていく方法とした。この様に進めれば、現象から原因を紐づけることができるし、さらに対策なども練りやすい。
当てはまる状態が1つあると、同じ原因要素の中の、他の状態も内在しているという事にも着目し、対策も原因解消措置以外に予防措置もだせていければ最高である。
次回の部長の会は、年度始めの4月1日に開催です。
それでは、次回もお楽しみに!
毎年恒例の1泊2日の合宿を、今期も実施しました。
皆さん大変お忙しい中、スケジュールを調整いただき、今回の合宿には過去最多の31名の方にご参加いただきました。
開催日:2015年1月30日(金)~31日(土)
会 場:四季の湯温泉 ヘリテイジリゾート
初日は生憎の雪模様で、交通手段への影響も懸念されていましたが、ほとんど積もることもなく、皆さん無事に宿泊施設に到着!予定通り合宿がスタートしました。
全員での討議に引き続き、グループ別の討議を実施、夜遅くまで熱い議論を繰り広げていました!
1日目前半は、3人のメンバーにご提案いただいた3つのテーマについて、全員で討論しました。
ご提案:テーマ「世界の品質、魅力的品質」
魅力的品質:それが充足されれば満足を与えるが、不十分であっても仕方がないと受け取られる。
Q1. グローバル市場を相手にするとき,従来の日本的な品質保証の考え方は通用するのか?
Q2. グローバルな視点で魅力的品質とは?
ご提案: テーマ「弊社と同様な業務形態である他社の品質保証についてどの様に実施しているのか、課題は何か」
Q1. 品質保証をどの様に実施したら良いのか?
Q2. 実施するに当たっての課題は何か?
ご提案: 「品質文化の醸成方法」 企業内に品質保証文化をつくり、定着させることは、とても重要なことである。
Q. では、どのようにつくる(醸成する)べきか?
1日目後半からは、ソフトウェアの品質保証について、「品証組織の進化と価値向上に向けて」「超上流からの品質保証」「ソフトウェア品質の肝」「設計工程での品質施策」「アジャイルと品質、アジャイルの一部を利用して」「品質意識醸成、品質教育、人材育成」の6つのテーマに分かれ、今後の討論の方向性について検討を行い、2日目に討論内容のまとめと発表を行いました。
テーマ1 | 品証組織の進化と価値向上に向けて |
活動の目的 | 各社の品証組織がそれぞれ置かれている状況下で早く成長するために何をなすべきかを明らかにする |
達成ゴール | 2011年に発表した進化論を現実的に実行するためのあるべき行動と陥りやすいワナを明確にする |
1) 置かれている事業規模に対する品証組織規模
2) 業容形態
3) 品証組織の役割、バリエーション、スコープ
4) 経営層から求められていること
5) 1)~4)を踏まえた悩み(何を求めた悩みか)
1) 2011年の引用
2) 4象限→1象限の進化ステップだけではない
3) 象限を乗り越えるための壁
4) 乗り越えようとするときの陥りやすい罠
⇒乗り越えるために現実的にどうすべきか
1) 現状の悩みを克服してブレークスルーするためには
2) 経営に寄与する品証組織であるためには
3) 品証メンバが幸せになるためには
4) 世の中に貢献する品証であるためには
テーマ2 | 超上流からの品質保証 |
活動目的とその背景 |
|
テーマ3 |
ソフトウェア品質の肝 活動の目的 副題:“品証部の煩悩を取り払う108つの肝” |
達成ゴール | 個々の肝を深く議論して全員が納得出来る内容に仕上げる。一肝一格言を目指す。 |
テーマ4 | 設計工程での品質施策 | ||||||||||||||||||||||||||
活動目的の背景 (前提や事象、危機意識) |
|
テーマ5 | アジャイルと品質、アジャイルの一部を利用して |
活動の目的 | 顧客満足を上げる一手段であるアジャイルで、品質保証観点では何をするか探求する |
達成ゴール | アジャイルの品質(=顧客満足)につながるメトリクス探求 |
1)その内容を自分たちの事例に当てはめ、問題や疑問を抽出する。
2)実践者に疑問を尋ねる。
3)アジャイルが上手く進む、品質保証部門の関わり方を考える。
・モチベーションを上げる、アジャイルを生かしたプロセスとは。
・無駄な開発をしないために、どうアジャイルを生かすか。
* 前知識(アジャイル開発とスクラム)を得ておき、実践者への聞きたい質問内容を挙げる。
テーマ6 | 品質意識醸成、品質教育、人材育成 |
活動の目的とその背景 | 昨今、品質意識が低い思われる現象が多くみられる。品質意識が低ければ、どのようなプロセスを持っていても、品質は良くならない」 ⇒なぜ、品質意識が低いのか、及びその状態に応じた品質意識醸成のための方法を探ることとした。 |
(1) | 品質意識の程度を測定するためのモノサシが必要である様々な状態から、品質意識を測定するためのモノサシを(仮)で作成した。 |
(2) | 状態(症状)→原因(病名)→対応策(処方)の流れで、今後考えていくこととした。 |
(3) |
原因と対応策に関しては、品質意識が低い時と高い時の両方で考えていく。
|
(4) | 状態(症状)や原因(病名)については、仮説をたてて進めていくが、アンケートなどを実施して検証や補強なども行っていく。 |
最後に、大阪で活動している「ソフトウェア品質保証責任者の会(SQiP-WEST)」の現況について、SQiP-WESTの準備委員兼SQiP部長の会の企画メンバである宿口さんから活動の紹介がありました。
責任者の会では、参加者からの紹介でサイボウズLive(メンバ紹介型スペース)を利用し、情報共有を行っており、毎月月末の月曜または土曜に活動をしています。活動テーマは、「人財開発」と「身の丈プロセス」の2テーマです。「人財開発」は、参加者からの提案により、育成(開発)カリキュラムを作成し、参加者のチームに適用して効果を観ています。「身の丈プロセス」は、より具体的な事例からサンプルプロジェクトを設定して必須項目を抽出しています。また、講師を呼んでのセミナー(講演)も開催しています。 今後の展開としては、SQiP部長の会との交流を深めていくことにも重点を置いて活動していきたいと結ばれました。
次回からは各テーマにわかれ、具体的な討論が開始されます。
本レポートでは、グループごとの活動記録を毎回更新していく予定です。
それでは、次回もお楽しみに!
開催日:2015年1月7日(水)
2015年、最初の会合が開催されました。1月の会合ということもあり、皆さん新年の挨拶をされ、和やかに会話を楽しまれていました。
今回は希望テーマを事前に伺い、4つのセッションを同時並行して実施、各セッションで4つずつのテーマについて検討を行い、計16テーマについて、議論が行われました。
・ | 本来やるべきコアとなる仕事を見つけ、品質を担保する。 |
・ | 現場に響く形を考え、分析方法、指標を決める。 |
・ | 品質保証の価値、今の品質を整理する。 |
・ | 要件定義がきちんとできる手法、どんなことを品質部門がやるのかの共通の指標がほしい。 |
・ | 非機能の要件定義、品質の見える化。 |
・ | 超上流工程をPDCAという観点で再考してはどうか。 |
・ | 超上流工程でやれることはもっとあるのではないか。 |
・ | 他社の超上流工程での良い取り組みを深堀したい。 |
・ | 各社の生々しい問題や火消しの事例、改善事例などを紹介したい。 |
・ | 教訓めいたものも必要である。 |
・ | なぜ火消しを続けてしまうのかを掘り下げたい。 |
・ | 某C社では「失敗プロジェクトはない」。それはなぜか。 |
・ | 失敗から学ばないで、失敗ばかりしている。 |
・ | 失敗ばかりしている人と成功している人は何が違うのか。 |
・ |
サービス品質とは何か、定義する必要がある。
|
||||||||||
・ | サービスの定義を明確にし、検討する内容を絞り込む。 |
・ | 肝の最終成果物を配布可能な書物にする。 |
・ | 品質保証組織が設立間もない場合や、品質保証部門に初めて配属された場合など、品質保証活動を行う指針や心構えの一助になる内容にする。また、書物にして知見を継承することで、各場面において品質保証活動の悩みをゼロから考えなくてもよくなり、品質保証活動の質の向上や効率化を目指す。 |
・ | 今までの肝を、読み手にわかりやすい構成にする。 |
・ | サービス品質は範囲が広い。システムリリース後にお客様の価値に合致しているのか。 | ||||||||||
・ | システム運用の品質は、「安定」、「止まらない」、「止めても迷惑をかけない」。 | ||||||||||
・ |
保守の品質は、派生開発の効率を上げると保守性が下がる。
|
・ | トラブル報告書が生かされていない。 |
・ | 不具合分析ができていない。Bug表を書かない。 |
・ | 欠陥分析の啓発をしたい。 |
・ | 再構築プロジェクトの品質を上げるためには、上流工程の品質向上が必須である。 |
・ | 派生開発も関連があるのではないか。XDDPに取り組んでいて、それなりの効果は出ているが、それでも抜け漏れがある。 |
・ | 設計品質を上げる知見を得たい。 |
・ | 要求定義そのものが上手くいっていない。要求仕様が顧客から出てこないため、業務分析からやらざるを得ない。 |
・ | ステークフォルダー毎に価値が変わり、経営者の狙いとエンドユーザーの期待が異なっている。 |
・ | 品質保証部門の上流工程の関わりが少ない、レビュー技術を上げるための施策を考えてはどうか。 |
・ | テスト設計を上流工程でやってほしいが、やれていない。 |
・ | 何か問題が起きると、超上流、上流に起因するミスが多い。 |
・ | 社外からくる要求は、超上流での営業の提案からの影響がある。 |
・ | 必要な機能が揃っているか否かは、作ってからでないとわからない(海外とは異なる)。 |
・ | 各社ともアジャイルには関心を寄せているが、その取り組み状況はまちまちで、ウォーターフォールのように明確なプロセスや品質保証を確立するには至っていない。 | ||
・ |
アジャイルの品質保証をどのように行っていくべきか。
|
||
・ |
アジャイルを人材育成に利用できないか。
|
||
・ |
アジャイルを、モチベーション向上に利用できないか。
|
||
・ |
日本発のアジャイルの品質保証の提案ができないか。
|
・ | アジャイルの有効性として、顧客要望がはっきりしないUIの要求や設計に向くのではないか。 |
・ | アジャイルが有効でない事例としては、反復的にやってもウォーターフォールと比べ、顧客満足は上がっても品質や納期は改善しなかった。 |
・ | 開発チーム、経営層、顧客への見せ方を工夫したい。 |
・ | 品質の見せ方(指標)がない。 |
・ | 「見える化(どう見せるか)」ではなく、「どう見るか」の観点ではないか。 |
・ | 「品質コストの改善(低コスト)」 経営層へ見せるという観点では、品質コストへ繋がるのでは。 |
・ | 「欠陥分析」 欠陥分析結果から品質を測り、見せることができるのではないか。 |
・ | 品質重視でやってきたが、「見合うコスト」、「どうやったらコストを掛けずに済むのか」と、考えられたらよい。 |
・ | 機能が増えたが、コストは上げられない。 |
・ | 品質コスト分析をやっていきたいと考えているが、拒否された。 |
・ | 上を納得させる材料、ロスコスト、コストと品質のバランス、損益分析がある。 |
・ | 適切な人材を、適切な場所に配置する。 |
・ |
なぜ品質意識の醸成やそのための教育が必要なのか。
|
||
・ |
品質意識醸成の具体的な事例を共有する。
|
・ | 開発側の品質を高めるための品質保証の人材育成。 |
・ | 開発メンバに対して、開発プロセスの知見を深めていくための人材育成。 |
・ | プロジェクト内で品質保証の立ち位置で開発をリードしていくための習得・習熟性を高めていくための人材育成。 |
・ | 人事制度との連動による育成・方法の検討。 |
・ | 強い品質保証とは?そのための人材育成。 |
・ |
オフショアへの発注時の品質について
|
||||
・ | オフショアの考え方、今後の日本のあり方を考えたい。 |
・ | 日本は高品質だと言われているが、必ずしも競争力に結びついていない。 |
・ | ソフトウェア品質という観点で日本再生のトリガーとなりたい。 |
・ | 今の日本の品質と欧米との違い。 |
・ | 日本品質の「どこ」に価値があるか、あったか。時間的な視点も考える。 |
・ | なぜ、日本の品質は良いのか、何がうまくないのか。 |
・ | 明日の日本にとって、重要なものは何で、何を変えていくべきなのか。 |
次回は、1/30(金)、31(土)に開催される合宿のレポートを掲載します。
合宿では、今期活動のテーマを決定し、具体的な議論に入ります。昨年同様、皆さん夜遅くまで熱い議論をされることでしょう。
それでは、次回もお楽しみに!
開催日:【第1回】キックオフ 2014年11月25日(火)/【第2回】2014年12月10日(水)
2009年11月から始まった「ソフトウェア品質保証部長の会」(以下SQiP部長の会)も、今期で第6期となります。
ソフトウェア品質シンポジウムや成果発表会でその活動成果を発表していることもあり、活動も広く知れわたり、今期は15名近くの新規参加者を迎え、スタートしました。
11月25日のキックオフは、第6期メンバーの初顔合わせということもあり、ソフトウェア品質保証部長の会企画委員の江口達夫さんに司会をしていただきながら、簡単な自己紹介後、皆さん和やかな歓談を楽しまれました。
また、第5期から引き続き、ネットワークの強化、経営視点に立った議論、テーマの深掘り、アウトプットに力を入れ、成果を外部発信していくことを確認しました。
最後は、SQiP運営委員会委員長の野中先生の一本締めにより、第1回例会を終了しました。
参加者の皆さんにはお互いを知り、第6期の本格的なスタートを切るため、自己紹介スライドを作成いただき、1人2,3分の時間を設け、発表していただきました。
この自己紹介方法は昨年から実施しており、皆さんそれぞれの関心事をお聴きになりながら、課題などを共有されました。
この自己紹介は、今期取り組みたいテーマの提案も兼ねており、「アジャイルと品質」「システム運用、保守の品質」「経営視点」など、計29テーマが挙げられました。この中から4~5つのテーマを選出し、これから1年間討論していく予定です。
第3回は年明け1月7日に開催し、テーマ別グループ編成に向けての検討を行います。
次回もお楽しみに!
SQiPとは
セミナー
研究会
シンポジウム
資格試験
国際会議
ニュース
コミュニティ
アーカイブ
調査・研究
SQuBOK®
その他