2014年11月25日 100名近くの参加者にご来場いただきました!
「ソフトウェア品質保証部長の会」第5期からのメッセージ
~現役、品質保証部長による1年間の活動成果を発信します!~
近年、ソフトウェア品質保証部門の担う役割はますます多様化し、品質保証部門長の持つ悩みも大きく、そして複雑になってきました。
そこでSQiPではこの現状を鑑み、ソフトウェア品質保証部門の長による「品質保証部長の会」を結成し、製品分野や組織の形態、人数規模など様々に異なる現場から、悩みや課題を持ち寄って議論を行っています。
2009年11月に結成した本会も今年で5年目を迎え、活動内容もより深化したものになってまいりました。
本発表会は、ここでの活動成果を、内輪だけで共有するのではなく、ソフトウェア業界全体の品質向上を目指し、外部に向けて発信する場として毎年開催しているものです。
今年は、2014年11月25日に開催し、雨天にもかかわらず、100名近くの参加者に会場である日科技連・東高円寺ビルへお越しいただきました。
ソフトウェア品質保証部長の会企画委員の大島 啓二さんの開催の挨拶のもと、成果発表会が始まりました。
「ソフトウェア品質保証部長の会」は、業種も規模も異なる会社の品質保証について責任を担っている部門長が、ソフトウェア品質保証の課題を語り合う場です。
今年度は、「アジャイル」、「超上流」、「品質保証の肝」、「人材育成」、「経営視点」など、今まさに、日本のソフトウェアが直面している喫緊かつ本質的なものをテーマとして取り上げました。
会社の中での品質保証の部門長は、幹部の期待も大きく、開発設計部隊に甘い顔を見せるわけにもいかず、事故が起きれば矢面に立たざるを得ません。扱いやすい部下ばかりでもない、…と、日々心がやすまる暇もありません。
そういう難しい立場だからこそ、「ソフトウェアの品質保証」という一点で同じ課題を持つ人たちが一堂に会して悩みを語り合い、解決策を模索する意味は大きいものです。
本発表会は、この一年の活動を締めくくるものであり、すべての発表に貴重なノウハウがちりばめられています。ご聴講いただく皆さんには、しっかり受け止めていただければと思います。
引き続き、部長の会の企画委員長である日立ソリューションズの孫福 和彦さんより次のとおり第5期活動の紹介がありました。
5年目となる今期は、企画委員会を強化、新テーマを決定し、9月に開催されたSQiPシンポジウムでは「人材育成」をテーマとしたSIGを開いたことが、大きな特徴です。
時間 | 内容 | 講演者 |
13:00~13:10 (10分) |
開催の挨拶 |
大島 啓二 氏 元 日立製作所 |
13:10~13:20 (10分) |
活動の紹介 |
孫福 和彦 氏 日立ソリューションズ |
13:20~14:20 (60分) |
奥村氏の講演タイトル 「iコンピテンシ・ディクショナリを使った品質の人材育成とプロセス改善」 |
奥村 有紀子 氏 情報処理推進機構 |
14:20~14:30 (10分) |
休憩 |
|
14:30~15:00 (30分) |
成果発表1 グループ5 「流行りのアジャイル、品質保証部門は何するの?」 |
水谷 誠 氏 アルファテック・ソリューションズ |
15:00~15:30 (30分) |
成果発表2 グループ3 「「超上流からの品質保証」PartII」 |
内海 俊行 氏 東芝ソリューション |
15:30~15:40 (10分) |
休憩 |
|
15:40~16:10 (30分) |
成果発表3 グループ2 「『ソフトウェア品質保証の肝』PartIII(完結編)」 |
池上 直之 氏 AJS |
16:10~16:40 (30分) |
成果発表4 グループ4 「ソフトウェア品質の向上に寄与する「効果的な人材育成」を考える」 |
廣石 高 氏 三菱電機 |
16:40~17:10 (30分) |
成果発表5 グループ1 「経営視点からの品質向上を考える |
衣川 潔 氏 日立ソリューションズ |
17:10~17:20 (10分) |
終了の挨拶 |
永田 哲 氏 元 キヤノン |
基調講演は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の奥村 有紀子さんに「iコンピテンシ・ディクショナリを使った品質の人材育成とプロセス改善」をテーマにお話しいただきました。
スキル標準は多くの企業で認知されている一方で、これを目指すべき標準と思い込んでしまい、自社の経営戦略やビジネスモデルを考慮せずに、「スキル標準」にIT人材育成の目的を合わせてしまう(そのまま導入する)企業が多くあります。その結果、経営目標と人材像やレベルが一致せず、結果的に人材育成にうまく活用できずに中断してしまったり、意味を見いだせないまま惰性で続けてしまったりしてしまいます。
そうした「結果を出せない」から脱却するため、より分かりやすく、簡単にまとめられるようにしたスキル標準が、「iコンピテンシ・ディクショナリ」です。「iコンピテンシ・ディクショナリ」とは、IPAで生み出された、各組織が人材育成について検討、見直しをする際に、自組織の戦略に合わせて自由に抽出して使えるよう、各スキル標準が持つコンテンツを、
の2つのディクショナリとして標準化、一元化したものです。
タスク評価の診断基準は5段階のランクに分け、何を行ったことがあるのかを見える化することで、レベル判定結果表を作成した際に、どの業務を抽出し、経験させるべきかを判断します。それに対し、スキルは「タスク遂行のための素養」であり、「ソフトウェア品質知識体系ガイド(SQuBOK® Guide)」などを使用してカテゴリを分類し、熟達度をランク付けします。「i コンピテンシ ディクショナリ」を使い、業務を見える化することは、メンバの育成のための材料ができるということで、プロセスを改善できます。そして、業務(タスク)を精査することで、本当に必要な業務がわかり、改善が必要な業務が見え、目的達成へ効率化が図れます。自身の仕事の内容と状況が見えれば、メンバ自身の成長や動機づけのトリガーとなり、結果として企業の成長に繋がっていくことになります。
聴講者アンケートでも好評であり、多くのコメントをいただきました。
【アンケート結果より】
そして、ついにメインの成果発表です。全5グループが発表いたしました。
それでは、各グループ発表を紹介いたします。
発表者:水谷 誠さん(アルファテック・ソリューションズ)
“アジャイル”と呼ばれる開発方法が、欧米では主流となっている中、国内でもWeb系アプリではすでに多くの事例があり、最近では企業向けシステム開発にも適用されるようになってきています。早くお客様に提供して、フィードバックを得るという、“顧客満足度向上”ができそうな本プロセスに、品質保証部門としても取り組みたい考え、どのようなアプローチをしていけばいいのか、また、従来開発となにが違うのかといった点に着目し、事例、提案を収集しながら、問題点や今後の展開について話し合われたことをご発表いただきました。
アジャイルを適用するためには、アジャイルプロセスそのもの、アジャイルプラクティスで有効なメトリクスの理解に加え、ファシリテーションスキルやユーザ要求を踏まえたシステムテストの実施などが必要であることをご説明いただきました。
発表者:内海 俊行さん(東芝ソリューション)
各社の品質保証部門の具体的活動事例を紹介に加え、「現在の品質保証活動は本当に顧客が求めることなのだろうか?」に着目し、顧客満足のために品質保証部門が実施すべきことを、各知識体系や企業が発注側として求める情報を収集して分類されました。これをもとに、今後の品質保証活動をより役立つものにするよう、グループで議論された内容を紹介していただきました。
そして最後は、昨年同様、「超上流からの品質保証活動 提言」とし、以下の提言を挙げられました。
発表者:池上 直之さん(AJS)
“品質保証プロセス/仕組みはわかっているが、現場でうまく運用できない”などの悩み、それを解決するためのノウハウを、“肝”として整理されています。
「ソフトウェア品質保証の肝」は、「ソフトウェア品質知識体系ガイド(SQuBOKR Guide)」によって整理されており、今回の発表では、それぞれの肝に番号を振り、それらに関する五七五を読んで、「品質カルタ」として紹介されていました。
ここで、いくつか「品質カルタ」のご紹介をさせていただきます。
発表資料 のPDFには、全85の肝と完全版の「品質カルタ」が掲載されておりますので、ぜひご覧ください。
発表者:廣石 高さん(三菱電機)
ソフトウェアの品質は、人のスキルに依存するところが大きいにもかかわらず、昨今の課題として、人材育成の重要性が増している傾向にあります。その理由としては、プロジェクトの大規模化、技術の高度化が進み、人材に要求されるスキルが年々拡大・高度化してしまい、現実とのギャップが生じ、プロジェクトの失敗リスクが高くなっているからであると考えられます。
今回の発表では、今年9月に開催されたSQiPシンポジウムのSIG「人材育成」において外部からの参加者との議論を通じて得た人材育成のポイントや施策の案を参考にし、議論してきた内容をまとめられていました。
いくつかの人材育成ポイントを挙げられ、施策検討として「権限と責任の委譲」「ジョブローテーション」「人材の見極め:階層別の施策」「『育てる人』の配置」の4つを提案されました。
発表後、何人もの方から質問があり、どの企業も抱えている課題なのだと、改めて痛感いたしました。
発表者:衣川 潔さん(日立ソリューションズ)
品質のあるべき姿とは、“品質活動⇒顧客満足⇒価値⇒対価(利益)⇒利益の再投資⇒継続的価値提供”の流れがスムーズに行われることです。しかし、現実は経営者(「顧客満足」、「売上・利益」)と現場責任者(利益追従)の間で重視するものが異なってしまっており、あるべき姿をなかなか築けません。
今回の発表では、「コスト低減」「売上向上」の2つの観点で利益を捉え、品証部門の活動との関係を整理し、「こんなことをすれば持続的にお客様への価値提供にもっと貢献できる」について討論されてきたことを、「組織を幸せし、お客様も幸せになる品質活動」を目指すにはどうすれば良いかという視点で、まとめられていました。
発表いただいた対策(方法)を、以下に紹介いたします。
最後に、部長の会の企画委員である永田 哲さんからご挨拶をいただき、第5期の成果発表会は盛会のうちに終了いたしました。
挨拶は、「皆さんが組織の競争力向上にもっと貢献するには」、「QAが開発力向上に直接的に寄与する」、「新人を鍛えて自分も鍛えよう」などを中心に、お話しいただきました。
品質は、それを作り込むエンジニアのスキルとモチベーションに大きく依存し、質の良い人たち(プロ)が質の良いリソース(環境、時間、ツール)を与えられた時に、質の良い製品、サービスが作られ、そこには達成感も生まれます。
これを実現するためには、マネージャ/プロセスQAが、現場のエンジニアの健康状態、開発環境の質をチェックし、改善するための行動をとることが必要になります。エンジニアを大切にする文化、風土を作ることが開発/QAマネージメントの役目であり、これを怠っていては競争に勝つことはできません。
また、品質を作るためには質の良い人たち(プロ)が必要になり、質の良い人たち(プロ)になってもらうには、新人を鍛えること(人材育成)も重要となります。新人を指導する際には、従来の関数型言語にとらわれず、話題の関数型言語で頭を柔らかくすることで、自分自身も学ぶことができ、より成長することが期待できます。
新人教育を人事に任せるのではなく、現場の人間(QAマネージャなど)も一翼を担うことで、現場をより理解し、活性化することができ、品質もより良いものへと進化していきます。
部長の会は、引き続き第6期がスタートいたしました。
ご興味がありましたら、お気軽にSQiP担当までお問合せください。
開催日:2014年10月8日(水)
澄みきった青空、朝夕はめっきり冷え込んむようになり、“秋”を強く感じるようになってきた中、今期最後の会合が開催されました。
来月に控えた「成果発表会」に向け、どのグループも今期のまとめをされていました。
それでは、以下に今月のグループ討論の内容を紹介いたします。
発表内容は、グラフや例などを追加し、シンポジウムの時のものをベースに、より充実したものを作成することとした。
【経営視点GRとして】
【来季のテーマについて】
【運営】
「ソフトウェア品質保証の肝」の資料の小冊子化を目指し、来期にかけ、もう少し内容を磨こうという方向性を検討した。
また、肝1件1件の内容の再検討と、表現や言い回しの磨きが必要であると認識した。
そのとっかかりとして、品証カルタの字余りや意味が分かりにくいものについて、五七五形式への置き換えを考えた。
そして、今回の討議時間内に、全部の置き換えを完了することができた。
後日、メーリングリスト上で、カルタのアイウエオ順をイロハ順に並び替える前提で、’ゑ’や’ゐ’を追加するなどして、カルタ部分の討議分の反映は完了し、グループ内に共有した。
⇒ |
実際にやってみて、良い点もあった。
品質保証部は、一定基準で一律にチェックするが、お客様の特性で見るべき観点が違う。それは、事業部から出してくれないと分からない部分である。 |
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一律の教育を提供するのではなく、事業部の問題にフォーカスした教育を展開している。 |
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各社、超上流の活動は活発となっている。 |
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品質保証部は、作り手(設計)に対し、「チェック」ではなく、「顧客の価値を作り出す」へ関わりたい。 |
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中間発表で道筋ができたので、その後はそれを肉付けする活動となったこと。 |
⇒ |
やっぱり、超上流が大事である。 |
11月の成果発表へ向け、本年度の検討内容のまとめ方についてディスカッションを行った。
議論の概要は以下の通りである。
ソフトウェアを「創る」のは、結局は「人」である。
厳格な規則は、「人」に思考停止をもたらし、「人」を「機械」にしてしまう。
高度成長時代は What は既に決まっており、「作る」だけで良かった。
しかし、今は What を決めるところから始める時代である。
このような時代において、「人」の創造性を奪うプロセスでは立ち行かなくなるであろう。一人のアーキテクトのみが意思決定を行い、開発者は計画通りにモノを作るだけというプロセスが、通用するとは思えない。できる限り権限移譲を行い、個のポテンシャルを最大限に発揮させるプロセスが時代の要請である。品質を上げるのは、結局はQAではなく、 開発者なのだ。
しかし、「任せる」と「放置」は異なる。
組織から開発者への意思の連鎖、お客様から開発者への意思の連鎖が重要である。
そのようなコミュニケーションの基盤および風土作り、また、自由にはするが歯止めをかけるべきところではきっちり歯止めをかけるバランスの取り方が今後の課題となるであろう。
創造性を発揮し、品質を上げるのは開発者だが、QAはその品質を判断する見識を持たなければならない。
来月の部長の会は、ついに今期の総まとめ、「成果発表会」となります!
全5グループが発表するこの機会をお見逃しのないよう、ご都合のつく方は、ぜひ参加のお申込を!
次回のレポートは12月を予定しています。
11月25日(火)開催の成果発表会の模様をお伝えいたします。
開催日:2014年8月6日(水)
8月に突入し、厳しい暑さが続いております。
第5期部長の会も10回目の開催となり、来月は遂にSQiPシンポジウムです。今回はシンポジウム前、最後の定例会ということもあり、どのグループも発表についてのまとめや資料修正を中心に、検討されていた様子でした。
それでは、以下に今月のグループ討論の内容を紹介いたします。
SQiP2014で発表する内容について、原稿をもとに全体を通して見直しを実施した。
しかしながら、良いことも書いてあり、聴講されている方への提言ということでなんとか残したいと思い、見直すこととした。
今回は3年間の集大成なので、実際の肝をいくつか選択して、具体的に説明する方向とする。
【昨年度の発表といただいた意見】
発表を聞いて持ち帰って、明日から取り組んで効果をあげようと思えるような内容にしたい。
【超上流からの品質保証活動事例】
事例2:リスクDB活用による提案・受注リスクの低減
事例3:中間検査によるプロジェクト混乱の予兆を早期摘出
⇒費用をかける事の理解を経営層へ
⇒有識者やシニアの活用
【3つの提言】
聞いている人によって、突然提言がでてきたような違和感を覚えないように、ストーリを確認。
【最後に】
去年と最後に近い内容を言いたい。
「アジャイル」で開発者のモチベーションアップが重要と言う話に共感を得たが、QAも同様にモチベーション高く活動したい。
世の中がシフトしていく中で、QAもいかに変わっていくか考えながら進化するべきである。もしかすると、開発者がなんとか変化に対応するために、「アジャイル」に限らず、各種試行錯誤しているとき、QAは蚊帳の外なんていうことはないか?
QAも、アジャイルであればその真髄は何か、また技術は何かなど積極的に学び、そのなかで顧客ニーズにあったものを提供するために、どう行動するかなど積極的に考えたい。
ただし、従来通りQAとして捨ててはならないこともあるはずで、そこをよく見極めていきたい。
今回いくつか事例や提案を紹介するが、研究はまだまだの感があり、今回はあまり背伸びをせず、まずは第1回目の発表として考えていること、思いを中心に発表したいと思う。
11月の成果発表会はもう少しブラッシュアップし、発表する予定です!
9月の部長の会は、「ソフトウェア品質シンポジウム2014(SQiP2014)」での発表となります!
4グループが発表、また、「人材育成」をテーマとしたSIGにも参加いたしますので、お時間を確保できる方は、ぜひシンポジウムにお越しください。
次回のレポートは10月です。
今期最後の会合の模様をお伝えします。お楽しみに
開催日:2014年7月2日(水)
つい先日、ミニ発表会(第8回例会)が開催されたと思っておりましたが、あっという間に第9回例会の日がやってまいりました。
今回は、「ソフトウェア品質シンポジウム2014(SQiP2014)」での発表に向けて、講演は行わず、グループ討論のみを行いました。
シンポジウムは、部長の会活動の中でもビッグイベントの1つであり、討論からは、メンバの方々の真剣さがひしひしと伝わってきました。
また、定例会は今月を含め、シンポジウムまで残り2回ということもあり、発表に向けて各グループ、今までの討論内容のまとめに入ってきているようです。
それでは、以下に今月のグループ討論の内容を紹介いたします。
SQIP2014の発表に向けて、コスト面と売上面からの品質活動の内容に関して、事例の確認を実施した。
そして、お客様も幸せになり、組織も幸せになるために品質部門として考えておかねばならない事項に関して討議した。
今後は、ものづくり組織能力を上げるために具体的に活動している事例を追加していく。
SQiPシンポジウムでの発表に向けた、作業項目と担当、スケジュ-ルの確認を行った。
要点は、以下のとおり
これらの作業を、8月31日を目標に行っていく。
また、11月に開催予定の第5期成果発表会に向けての検討も行った。
【理想を語る】
横軸:当たり前品質、魅力的品質
縦軸:組織の成熟度
の4象限マップを仮設定し、超上流の品質保証の成熟度を表現できないかを検討した。
人材育成検討グループでは、これまで議論してきた内容、すなわち長年検討課題に上がっている育成の悩みとその解決案についてストーリーを建てて整理を行った。
(1) |
今の教育(例)はこうだ |
(2) |
「肝」はどこで教育しているか |
(3) |
人財になっているか |
(1) |
「肝」の棚卸‐網羅(SQuBOK) |
(2) |
「肝」の取り上げ方と教育の仕方
|
「結果としてアジャイルライクなプロセスになったプロジェクト」が事例として提供された。
アジャイルを導入しようとしてやったものではなく、プロジェクトの状況を改善しようとして、自然にこのプロセスに行きついたというもの。そのため、教科書的なアジャイルではなく、バッチ系はウォーターフォールというハイブリッドとなる。お客様満足度は非常に高く、口コミによる受注にも結び付いている。
QAがチームに入る場合、(良いかどうかは別として現実に)ファシリテーターも担うことが多い。これを利用して「プロセスQA」を行うと同時に、うまくチームをサポートできるのではないか。アジャイルでは、特にコミュニケーションの状態に気を配る必要がある。「プロセスQA」を「プロセスがちゃんと行われているかどうか検証する」だけではなく、「チームがよりうまく動けるように働きかける」ととらえれば、QAがチームに入る場合の動き方が見えてくるのではないだろうか。
次回の部長の会は8/6(水)に開催です。
9月のシンポジウムに向け、今回よりも一層深く、そして熱い討論が繰り広げられることでしょう。
次回のレポートもお楽しみに!
開催日:2014年6月4日(水)
穏やかで過ごしやすい5月も過ぎ、長雨の季節と変わりゆく中、第8回部長の会が開催されました。
今回は、9月に開催されるSQiPシンポジウムに向け、中間進捗状況を報告する“ミニ発表会”が開催されました。
各グループ、今までの成果を充分に発表され、シンポジウムでの発表グループを決定します投票も、接戦となりました。
それでは、「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つのテーマ別グループの発表概要(タイトル・発表者・アブストラクト)を、事務局の感想とともに掲載いたします。
タイトル:『会社発展に寄与する真の品質向上活動とは??』
発表者 :衣川 潔氏(株式会社 日立ソリューションズ)
品証部門は、お客様が満足する価値を提供するために、提供する製品・サービスの品質を保証する活動をしている。
しかし、お客様が満足する価値を提供しても、会社として利益を上げられなければ、持続的にお客様が満足する価値を提供することはできない。
そこで、当グループでは「コスト低減」「売上向上」の2つの観点で利益を捉え、品保部門の活動との関係を整理し、「こんなことをすれば持続的にお客様への価値提供にもっと貢献できる。」といったことについて討論してきた。
組織を幸せし、お客様も幸せになる品質活動を目指すにはどうすれば良いのか?
この発表が、皆さんの活動の参考になれなれば幸いである。
経営は価値であり、価値は顧客満足であることから、利益は顧客満足の結果と言われています。頭では分かっていても、経営陣からは、利益追従の近視眼的な活動が求められているのが現実です。 そこで、本発表では利益を「コスト低減」と「売上向上」の2つの側面で捉え、それぞれ品質部門がなせるコトを考え、生じやすい「プロジェクトの不良」についての事例とともに、対策や条件を発表されました。 組織が強くなるため、「やっぱり足元を固めないとダメ!」(必須条件)、「お客様の本当の満足感を追求しましょう」(必要条件)の2つの条件は、ソフトウェア関係にかかわらず、製造関係に携わる方々の胸に響くものだと感じました。
タイトル:『ソフトウェア品質保証の肝PartIII』
発表者 :佐藤 孝司氏(日本電気株式会社)
要点は、以下のとおり
本発表に対して、次のQ&Aがありました。
Q: |
「ソフトウェア品質知識体系ガイド」通称SQuBOKの体系にマッピングしたとき、肝が多い箇所と少ない箇所が存在する。 |
A: |
“品質保証部門の業務に無関係なのか?”、“単に見えていないだけなのか?”などを考察した結果を資料に取り込む予定である。 |
発表は、簡単な活動状況の報告から始まりました。
「肝」とは何かについて、
上記5点を挙げられており、SQuBOK体系の第2章 ソフトウェア品質マネジメントの目次に沿って品質保証の肝をまとめられており、現在の進捗状況を説明いただきました。
詳しい肝の内容を知りたいと興味を持った方は、ぜひSQiPシンポジウムにご参加いただけたらと思います!
タイトル:『超上流からの品質保証 partII』
発表者 :小林 康弘氏(株式会社 日立産業制御ソリューションズ)
私たち「SQiPソフトウェア品質保証部長の会」では、昨年度、部長の会参加企業を対象に、超上流の品質保証の実態調査を実施し、企画・提案プロセスの現状、品質保証部門の関わり方等をシンポジウムで紹介した。
昨年度の要望もあり、今年度は各社の品質保証部門の具体的活動事例を紹介する。
一方、「現在の品質保証活動は本当に顧客が求めることなのだろうか?」顧客満足のために品質保証部門が実施すべきことを、各知識体系や企業が発注側として求める情報を収集して、分類してみた。
これを元に、今後の品質保証活動をより役立つものとすべく超上流での品質保証について議論した内容を紹介する。
品質保証活動を推進するにあたって、開発現場の皆さんのヒントになれば幸いである。
グループ3では、超上流プロセスで品質保証の実態調査を行っており、まずは第4期の活動内容を振り返りました。
そして、今期は疑問に感じた部分やより追求したい部分について的を絞り、継続的な議論を進められています。
事例については部長の会メンバに聞き取りをし、それらをあらゆる視点から考察し、課題を見つけ、より魅力的な品質とは何か、最終的には超上流工程の品質保証活動を提言できるよう、議論をされています。
事例とともに、ソフトウェア部門では有名な知識体系、研究報告も調査されており、今後の展開にも注目です。
タイトル:『「ソフトウェア品質の向上に寄与する効果的な人材育成を考える」について』
発表者 :村野 耕一氏(ブリヂストンソフトウェア株式会社)
今回は中間発表として、現状の問題認識および今後の問題解決への提言への道筋について報告する。
グループ4は、それぞれの所属部門において、人材育成が課題であるという認識をもつメンバが集まっている。
当初より、人材育成が難しいという問題認識について、それぞれが考えていることの整理と共有化をはかってきた。
しかし、今回中間発表にあたり、検討内容を振り返ると、問題認識についての議論が必ずしも収斂している訳ではないことがわかった。
その原因としては、メンバが所属するドメインや育成したい人材ターゲットの違いによって、問題とすることの質、対象、範囲が異なっていることがあり、これが「人材育成の議論を難しくしている一つの理由ではないか」と認識するに至ったのである。
そのため、今後、最終発表へ向けて議論を深掘りするにあたっては、検討のターゲットを絞り込み、より具体化することが重要と考えている。
「(大規模企業のように人材育成への投資や仕組み作りをすることができない)中小規模の会社を事例として捉えること」、「テクニカルスキルと比較し人材育成の方法論が論じられてきていないコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルの向上策を検討すること」、「『本人のスキル向上に対する意識』や『品質意識』という意識の醸成に関する方法論を検討すること」といった内容に絞り込んで議論し、まとめていく所存である。
進め方としては、品質保証部長の会メンバの会社や世の中の事例を集め、それを参考にベストプラクティスを見出していきたいと考えている。
また、本年のSQiPシンポジウムのSIGの「人材育成」セッションの議論に参加し、そこでの議論も参考にする予定である。
勤続していく中で、育てられる立場から、育てる立場になった時、「人材育成」の重要性を感じるとともに、その難しさも痛感されます。
グループ4では、ソフトウェアの品質向上のために、人材育成が特に重要であることの再確認をし、いくつかの課題への認識を挙げられ、良モデルの人材や部門ごとに必要なスキルを整理し、「座学とOJT」を超える育成策を模索されています。
そのために、部長の会メンバに事例提供の依頼をし、人材育成という普遍的な課題について、一歩踏み込んだ検討を行い、提言を行っていこうとされています。
シンポジウムでは、部長の会のSIGテーマとなっておりますので、ぜひご参加ください!
タイトル:『流行りのアジャイル、品質保証部門は何するの?』
発表者 :梯(かけはし) 雅人氏(株式会社日立製作所 ITプラットフォーム事業本部
動くものを早くお客様に提供してフィードバックを得ることで、”顧客満足度向上”を目指すアジャイル開発。
品質保証部門としても是非、取り組んで行きたい。
しかし、これまでのウオーターフォールを前提とした伝統的な品質保証のアプローチではうまくいかない事も多いようだ。
アジャイル開発での品質保証部門の活動について、実際の失敗事例や成功事例を考察し、今後の提案や品質保証部員に求められるスキルセットなどについて考えていきたい。
アジャイルとは、ソフトウェアの開発において、より素早い開発を重視する方法の総称であり、欧米では主流となっている中、国内でもかなり適用されるようになってきています。
そんなアジャイル開発について、ミニ発表会では分かりやすく説明いただきました。
“お客様の求めるものを提供する”のではなく、“お客様も気が付かなかったようなものを提供する”という発想は、今の製造業に必要なものであり、そのためには創造性やモチベーションが不可欠となってきます。
そこに、アジャイル開発への期待が込められるとのことで、議論されていかれる中、どのような結果を提示していただけるのか、今後の活動にも注目したい内容でした。
全5グループ中、最後の発表でしたが、皆さん興味深く聴いていらっしゃいました。
次回の開催は、7月2日(水)です。
7、8月は9月のSQiPシンポジウムに向け、グループ討論中心の活動となります。
次回のレポートもお楽しみに!
開催日:2014年5月14日(水)
GWも過ぎ、日暮れも段々と遅くなってまいりました。そんな中、夏日となりました5月14日、第7回部長の会が開催されました。
前半は講演、後半にはグループ討論を行いました。
皆さん蒸し暑さをものともせず、意見を交わし、議論を進められたようです。
では、今回の講演について、ご紹介したいと思います。
「リンクレアの品質向上活動」をテーマに、部長の会:グループ2「品質保証の肝」に所属されている早崎 伸二氏(株式会社リンクレア)にご講演いただきました。
まず始めに、リンクレア様の会社概要についてご紹介いただきました。
会社全体が職人集団であるという意識を持ち、各レベル(職能)に合わせた目標や“強”育体系(LinBOK)を定められており、社員一人ひとりが向上心を持ちながら業務を遂行し、成長できる環境づくりが図られていることを興味深く聴くことができました。
次に、品質向上活動、工数分析モデルの社内展開について説明がありました。
品質向上活動は、新人時代から技術職だけに限らず、営業にも関わり、6年間で強いPL(プロジェクトリーダー)になるべく教育シナリオが組まれており、3年目にはテーラリングし、提案書作成の流れが習得できるよう、しっかりとした人材育成の教育基盤が確立されていました。また、サービスサイエンスの導入により、サービスを分類し、モデルを作成することで、顧客のニーズに対応されています。
工数分析モデルの社内展開では、CMMIの成熟度に合わせて「プロジェクト管理方式」と「分析手法」を定めた独自のモデル:MMM(Man-hour Analysis Maturity Modelの略)をご紹介いただきました。MMMの採用により、プロジェクトを全行程にわたり、統一された指標で進捗を把握することができ、より良いプロジェクト経営を行えるとのことでした。
最後は、欠陥分析モデルの構造についてですが、ソフトウェア品質知識体系「SQuBOK」とは異なる品質不良の定義のもと、不良の作り込みや見逃しをプロジェクトの問題として捉え、目的重視欠陥分析モデルを作成されていました。また、8つに分けられた目的重視の分析により、分析アクションの曖昧さを減らし、欠陥分析の成熟度をレベル別に把握することで、改善策を検討することが可能になること、プロジェクトを効率的に進めるために有効な欠陥分析を行う過程についての説明がありました。“8回の「欠陥を検出するチャンス」を有効に使い、出荷可能なレベルになるまで品質を作り込む”という考え方には、リンクレア様の欠陥を減らすことに対する姿勢、意識の強さを感じました。
質疑応答では、多くの質問、意見が出され、また、公演中は笑いも起こるなど、部長の会メンバーの関心度も高く、終始充実した講演となりました。
後半は、前回同様「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つのテーマ別グループに分かれ、討論が行われました。 それでは、各グループの討論内容を紹介いたします。
売上向上のためには、「お客様の期待を超える高品質製品、ソリューション、サービスが継続的に提供できること」であるが、品質部門のミッションとして考えられることは「安心・安全・快適」を保証し、「信用/信頼」を作り上げること、および信用/信頼を崩さないことが重要である。
具体的な事例については、今後グループメンバ各自で持ち寄り議論していくこととする。また、コスト削減活動等に関しても、具体的事例を追加していきたい。
第2グループは、以下の2点を議論した。
1点目は、サービス品質の肝について、前回(4月)の議論を整理した内容についてレビューした。
2点目は、これまでの品質保証の肝を、SQuBOK体系に整理する件について、SQuBOKのV2の体系を入手したので、どのようにマッピングできるかを議論した。
その結果、第2章のソフトウェア品質マネジメントの各段落にマッピングするのが適していること、マッピングしたときに、今までの肝がゼロ件になる段落(たとえば、2.4監査のマネジメント、2.5教育・育成のマネジメントなど)を洗い出し、肝の追加を考えていくこととした。
また、サービス品質は、現状のSQuBOK体系にぴったりとあてはまらないので、別枠で設定することにした。
次回の部長の会内でのミニ発表に向けて、これまでの検討内容を整理・準備をリーダーが行うことにした。
人材育成グループの今期検討内容をまとめるに当たり、前回までは「アンケート」結果から、人材育成を進める上で考慮すべきポイントを集めて提言にしていくことで、議論を進めてきた。
しかしながら、本日の議論で改めて考えると、アンケートはグループの討議結果、見解を補強する位置づけのものであり、活動の結果は議論からまとめていくという認識にたどり着いた。
上記は進め方について共通認識である。
人材育成そのものについては、まだ議論のさなかであり、品質保証に限らず開発・運用を担当する者までを対象に品質向上に向けてどのような育成が考えられるか、それも効果的に行うにはどのような課題があるのか、実践事例も集めて施策と効果について整理することにした。
ここまでの考えを次回報告すべく臨時の会合も行い、整理を進めていく。
最終報告は、今期メンバーでの検討内容から育成への知見の集約とアンケートにより、良い事例紹介ができることを目標とすることにした。
日経コンピュータの2014.5.15号記事を、Aさんからご紹介いただいた。
「アジャイル放棄に未来なし」
企業向けシステムにも、”エンタープライズアジャイル”という名前で浸透してきている。第5回講演の英さんから紹介があったハイブリッドアジャイルもそうだが、アジャイルとウォーターフォールの良いところを取り入れたようなやり方のようだ。
いずれにしても、アジャイルがこれからどんどん増えていくのは間違いない。品質保証部門もこれに備える必要があるのは明らかである。
アジャイルになると、品質保証部門に求められるスキルセットも変わってくるはずで、この辺は押さえておきたい。
次回6月4日(水)は、今までの検討結果をまとめて部長の会内でミニ発表会を実施します。
次回のレポートもお楽しみに!
開催日:2014年4月9日(水)
新年度が始まり、部署移動や新入社員の入社など、新しい風がどの会社にも吹くと共に、バタバタと忙しい時期がやってまいりました。そのような中ですが、部長の会はほとんどメンバーに変更もなく、和やかな雰囲気のもと開催されました。
今回も前回と同様、前半は講演、後半には講演者にもご参加いただき、グループ討論を行いました。皆さん、遅い時間にもかかわらず、熱い議論を交わせたようです。
では、まずは講演について、ご紹介したいと思います。
『「品質にしっかり取り組めば、組織は賢く、強く、幸せになれる」のために』をテーマに、東洋大学経営学部教授であり、SQiP運営委員会委員長でもある野中 誠(のなか まこと)先生にご講演いただきました。
今回は、野中先生から「品質にしっかり取り組めば、組織は賢く、強く、幸せになれる」というフレーズに込めた思いについての話がありました。
はじめに、製造業における品質保証システムの事例と、そこでの「品質保証」の捉え方が紹介されました。市場シェアが低下して業績が低迷していた企業が、品質情報を一元化する品質保証システムを構築し、それが元となって、他社が容易に追随できないような画期的な商品が発売されたエピソードが紹介されました。そこでの「品質保証」とは、安心・安全を満たすこと、対価以上の価値を提供すること、潜在ニーズを満たすことと捉えられており、徹底した顧客志向を意味しています。ソフトウェアの品質保証においては、しばしば、仕様を満たすことや、必要な工数を十分確保してレビューやテストを行うことなどに焦点が当てられますが、それをベースとした上で、組織の活動を真の顧客志向へとより一層振り向けることの必要性を、他産業の事例を通じて再確認しました。
顧客志向で品質保証を捉える上で、顧客満足がどのような要因で構成されるのかを考えておく必要があります。講演ではACSI顧客満足モデルが紹介され、顧客満足に影響を及ぼす要素として、顧客期待、知覚品質、知覚価値の3要素が説明されました。ソフトウェアの品質保証においては「知覚品質」に目が向けられますが、顧客の事前期待を表す「顧客期待」や、価格に対する品質評価を表す「知覚価値」がなおざりになってしまいがちであり、顧客満足を追求する上での必要な視点を改めて確認しました。
一方で、顧客満足をもたらす製品やサービスを継続的に生み出すためには、組織能力の向上が不可欠です。講演では、東京大学の藤本隆宏先生が示されている組織能力、裏の競争力、表の競争力、収益力という4つの要素の関係を表す図を用いながら、これらの4要素に対してソフトウェア品質保証活動を関連づけることの必要性が主張されました。冒頭の製造業の事例は、まさに、この4要素がそろった品質保証活動であったと言えます。 品質は、顧客の満足で決まり、それを確実にすることが品質保証です。そして、品質のよい製品やサービスを継続的に生み出せる組織能力を涵養し、向上させるための活動をデザインするのが、品質保証部に課せられたミッションです。品質保証のあり方に一層の奥深さを感じることのできる、興味深い1時間となりました。
後半は、「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つのテーマ別グループに分かれ、討論が行われました。
それでは、各グループの討論内容を紹介いたします。
野中先生に講演いただいた『品質にしっかり取り組めば組織は賢く、強く、幸せになれる』を経営視点から見て討議しました。
が品質部門のスタンスだ。
信用/信頼といっても、現場では
この悪循環で、ますます現場が疲労し競争力向上ができていない。
ここに品質部門が勇気をもって、踏み込むことも必要である。
グループ2では、SW品質保証の肝を3期連続して継続検討していますが、今期の目玉として、“サービス品質について考える”、“SQuBOK体系図を網羅する品質保証の肝を考える”ことに取り組んでいます。
4/9のグループ検討では、特にサービス品質に関する現場の悩みを共有し、どんな肝があるかを検討しました。
具体的には、“サービスのSLAについてお客様が納得のいく設定ができない”という悩みについて議論し、SLAを契約で厳密に合意することが日本の習慣では難しい、しかしながら、お客様にSLAの理解を深めていただくためにも、サービス内容の見える化やルール化が必要で、各社が苦労しながらも実践しているノウハウを紹介し合いました。
これらについて整理した上で、さらに来月も継続して検討を深めていきたいと思います。
今回はまず人材育成の検討対象を前回から見直し、開発部門および品質保証部門とすることにしました。
議論があった業態については依存しない事にして、普遍的な品質意識を抽出、人材の質を上げる施策を探ることにしました。
進め方として、部長の会のメンバーにアンケートを実施します。
アンケート結果から自分たちが実施している育成策の不足の有無、施策自体の正しさを振返り、これから育成を考える方々への提言にまとめていきます。
今回は、アジャイルについての事例を各メンバーから紹介いただきました。
仕様を自分で決められる製品ですが、UXの向上をめざし、動くものを早く繰り返して作る反復開発に取り組んでいます。
これで品質を確保しています。
以上の話から、結局のところ
「知識は文書に書いても読まれないが、体に覚え込ませれば自然に使う」
「知識は文書に書いても読まれないが、動くモノとして作れば皆が使う」
ということではないでしょうか。(A氏)
今回は、各自の思うアジャイルの事例や活用のアイデアの説明に終始しました。理解は深まりましたが、今後どうするかの議論は、メールベースですすめます。
次回はGW後の5月14日(水)です。
新緑の季節、過ごしやすい時期となり、より一層充実した討論ができるのではないでしょうか。
次回のレポートもお楽しみに!
開催日:2014年3月5日(水)
今期も早5回目の部長の会です。
前半は講演、後半は講演者にもご参加いただき、グループ討論を行いました。
先月の合宿でグループ討論の方向性が定まった今回は、各グループもより深い討論に進みました。
前半の講演から紹介いたします。
「アジャイルプロセスの品質~品質保証部門はどう係わればよいのか~」をテーマに日立ソリューションズの英 繁雄(はなぶさ しげお)様にご講演いただきました。
まずは、開発モデルの推移からご紹介いただきました。
アジャイル開発とはどういうものなのか、アジャイル開発の手法などについて話が進みます。
そして、様々な開発モデルの比較からハイブリッドアジャイルと日本のユーザーアプリケーション開発との相性の良さについて話題が移っていきます。
日本の品質に関する考え方は、他国と異なり「不良はあってはならないもの」という厳しさがあります。
ソフトウェア開発においても、この品質に対する厳しさは継承されており、アジャイルプロセスだからといって、品質を下げても許されるというのは、日本では通用しません。設計ドキュメントを簡略化する代わりに品質を確保するための施策、品質に関する技術的プラクティスについてお話しいただきました。
引き続き、フロアと熱いQ&Aが繰り広げられましたが、その根底には、品質を保証しながら、欧米の柔軟な開発手法に負けない方法を追究する品証部長の熱い思いを見た気がします。
後半は、グループ討論です。今期のテーマは「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つです。
各グループの討論内容を紹介いたします。
前回合宿の結果を受けて以下の課題に対し、各自見解を持ち寄り今回の会合に臨んだ。
上記の3点について、それぞれメンバーから用意いただいた内容の説明を受け、認識の共有化を行った。
また、過去4回行われた品証部長の会の各成果報告から、人材育成に関する部分に着目し、今期の検討課題への関連有無と取り込みを検討した。
以上を踏まえ以下の5点の観点で次回の検討につなげていくこととした。
(上記は全てソフトウェア品質保証に関する知識・スキルを対象としている)
なお、まとめに当たっては目線を注意していくことを申し合わせた。
アジャイル開発が有効と思われる分野の開発には、これからも適用されていくと考えられる。
アジャイルは顧客満足度を上げるための開発手法であるため、品質保証部門として、これに対応していくことが必要になる。
これまでの品質保証部の評価の要であるドキュメントが揃っていないとか、品質管理のための各種データ(レビュー指摘やバグ摘出状況)など、もの、WFと同様には揃っていない場合が多い。
これまでの外側からの品質保証ではなく、開発チームの一員になって品質評価を担当していくような方法も考えられるが、コストの問題、第三者の視点が保てるか?など、課題がありそうだ。
また、製品の実物を使っての第三者評価を実施する製品系と、プロセス中心に評価する受託系でもアプローチが違うことになりそうだ。
アジャイル開発では、その開発スタイルから、CI、TDDなど最新の技術を駆使する必要があり、品質保証部門としてこの辺への技術的対応も求められる。
まず、今回いただいた講演も含めて、継続勉強して、品質保証部門にとってアジャイルはどう違うのか?
それにどのように対応していくべきか?
製品分野、受託開発での先行事例を参考に品質保証部門のアプローチを調査する。
さて、次回は新年度早々の4月9日です。
メンバーの皆様に異動がなく、このまま討論が進められるとよいのですが・・・
次回のレポートも掲載の予定です。お楽しみに!
1泊2日の合宿スタイルで実施。
品質についての深い思いが熱い議論となり、深夜まで話が尽きることはありませんでした!
開催日:2014年2月7日(金)~8日(土)
会 場:四季の湯温泉 ヘリテージリゾート
第4回目となる今回は、1泊2日の合宿スタイルで実施いたしました。
2日目の土曜日、関東地方は何十年ぶりという大雪の天気予報が的中!朝から雪が降り続き、予定よりも早く終了せざるを得ない状況でしたが、議論は十分にできたのではないかと思います。
といいますのは、昨年までは、合宿で討論テーマを決定してからグループ討論を開始していましたが、今までの経験を踏まえて、今年は昨年より早くに第5期の活動をスタート。合宿開始時には、討論テーマならびにグループ編成がほとんどできあがっており、合宿の最初から、それぞれご自身が興味を持っているテーマで討論できたからです。
さて、多忙を極めるメンバーの皆様ということで、全員参加とはいきませんでしたが、それでも、スケジュールを調整いただき、総勢26名での開催となりました。
1日目前半は、部長の会に今期から参加された4名の方に事例発表をいただきました。
1日目後半からは、早速、ソフトウェアの品質保証について「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つのテーマにわかれて、今後の討論の方向性について検討を行い、2日目にその報告がありました。
『品質にしっかり取り組めば、組織は賢く、強く、幸せになれる』
と言われているが 本当だろうか?
「品質保証部長の会」なりに、これを考えてみる。
これまでの品質保証・品質向上活動や「品質保証部長の会」での議論は、コストダウンに着目した話が多かったのではないか。
売上向上に着目した品質保証、品質向上、品質部門が果たすべき活動が必要なのではないだろうか。
「品質はコストに非ず 価値である」という視点から、売上向上の品質活動についても考えていく。
同テーマでの討論は今期で3年目となる。今までも都度、成果を出してきたが、3期目の活動となる今期は、3年間の集大成、完結を目指して活動する。
具体的には、
(1)肝のネタを増やす(運用サービスなどサービス品質関係等)
(2)これまで作成した資料全体を整理、編集し直す(品証業務の肝or品証部門の肝、お客様視点など)
(3)親しみやすい表現を加える(1肝1格言など)
ことを実施し、品質保証の基本的な考え方を分かり易く伝える、後輩育成の役に立つ資料に仕上げることを目指す。
今期で2年目の活動となる。
前期(第4期)では、各社アンケートにより超上流の品質保証について傾向を掴むことができた。
今期は、具体的な品質保証活動事例を紹介するとともに、改めて品証だからこそ超上流でできることを考え、これからの超上流の品質保証の取り組み方を提言する。
品質は人に依存するが、スキルをはかる評価尺度がない。
各社の(スキル、教育)事例を集めて、どのような人材が求められているのか、品証部長から見た育成方針を提言していきたい。
最近流行のアジャイル。品質保証部門泣かせとも言われるが、
(1)アジャイルとは何か?
(2)品質保証部門から見てなにが違うのか?
これまでの事例を集めて分析し、今後の方向性について考えていく。
最後に、大阪で活動している「ソフトウェア品質保証責任者の会(SQiP-WEST)」の現況について、SQiP-WESTの準備委員であり、部長の会の企画メンバーでもある宿口氏から紹介がありました。
「ソフトウェア品質保証責任者の会」は、メンバーを品証部長に限定せず、責任を持っていると思っている方にも参加いただいており、広い視点で討論ができている。
参加人数は順調に増えており、現在33名である。
発足から2年間、「(責任者は)何をすべきか」「保証部門を活性化するには」について語り合ってきたが、そろそろ成果を出す時期にきており、その方向に活動をシフトした。
テーマを募集し、集まったテーマをもとに今後の活動の方向性をまとめているところである。品証のベースは人であり、人がベースとなる品質モデルについて検討していくことになるのではないか。また、日本のソフトウェア品証はメーカーから始まっており、メーカーの発想が基本であることを鑑みながら、中小規模の組織への展開、大企業⇒中小企業モデルについても討論できるとよいと考えている。
次回からは、今回の合宿で定まった方向で、より具体的に深い討論が始まります。この討論の内容もお伝えしてく予定です。
開催日:2014年1月15日(水)
年が改まって最初の会合です。会合に先立ち、皆さん、新年の挨拶を行いつつ、前期から継続参加の方も多いというともあって、あちらこちらで話が弾んでいる様子です。
さて、本日は、前回あがったキーワードで10のグループを編成、各グループに分かれて具体的にどのような内容で討論したいのかを議論しました(3グループに分かれて、パラレルで実施)。
しかし、7.品質部門の価値・・・は、本日の参加者に希望者はなく、残念ながら、議論なしとなってしまいました。
(1)品質コストをどうとらえるのか?
(2)(広義、狭義含めて)品質向上活動は、どの程度までやればどれくらい儲かるのか?
(3)品質向上活動の数値化
(4)品質保証部門として、経営にうまく報告するためには?
(1)肝のネタを増やし、体系化する。
(2)パート1、パート2で作成した資料の全体を整理・編集し直す。
(3)親しみやすい表現を加える:「あいうえお作文」「品証かるた」「1肝1格言」などで表現してみる。
第4期にアンケートを実施、分析する事で概要をつかんだので、第5期は、実際に、超上流工程の品質保証活動を行っている人や、こうすべきという解をもっている人にヒヤリングをかけたい。最終的には、超上流の品質保証の取り組み方を具体化していきたい。
「人材育成」への意識は高い。誰を、何故、どのように育成していくか。
スキル評価、スキルパス、キャリア像などが必要である。
会社の(スキル、教育)事例を集めて、全体像をみる。スキル、育成など計測する技術も平行に議論が必要である。最終的には、教育機関に提言したい。
「プロダクト品質」VS「サービス品質」を分けて考え、サービス品質に特化した議論を行う。
(1)お客様にとって、魅力のあるサービスとは何か?その品質とは何か?
(2)サービスについて考えるとき、その「肝」はなんだろう?
(3)そのサービスを提供できるためのスキル(人としての行動プロセス)は何か?
(1)品質に関する教育カテゴリはどうあるべきか?
(2)品質意識はどうやって教育し、それが醸成されたかどう測定するのか?
(議論なし)
(1)アジャイルの(ツールを含んだ)プラクティスを抜き出して、各プラクティスのメリット/デメリットをプロジェクトや組織固有の性質、環境、制約に照らして考えていく。
(2)図面を書かないアジャイル化(?)で成果物の途中品質が見えにくくならないか?
見える化するには?
なぜ、同じ過ちが発生するのか?
失敗学のような観点もあるが、一般的な教養レベルのことで解決できるのであれば、部長の会で討論することもないであろうし、失敗はなくなっていくだろう。
そこに焦点をあてて議論していきたい。
(1)設計品質向上のために現在できていること、できていないことは何か?
(2)上記検討結果(各社事例)から品質保証部長の観点で設計テンプレートやベストプラクティスを見出していきたい。
さて、次回は毎年恒例の1泊2日の合宿です。
合宿までに、本日の議論の内容を踏まえて各自どのテーマに入るかを決めていただきます。
合宿では、テーマごとに具体的な議論に入っていきます。
例年通り、夜を徹しての熱い議論が繰り広げられることと思います。
次回はこの合宿の模様をレポートいたします。お楽しみに!
開催日:【第1回】キックオフ 2013年11月29日(金) /【第2回】2013年12月11日(水)
2009年11月から始まった「ソフトウェア品質保証部長の会」(以下SQiP部長の会)、今期で早、第5期目となります。
毎年「ソフトウェア品質シンポジウム」や成果発表会でその活動成果を発表していることもあり、その存在はかなり知れわたってまいりました。
それを裏付けるように、昨年11月29日に開催いたしました第4期成果発表会は月末の金曜日にも関わらず100名近い聴講者がありました。
成果発表会では毎回参加者にアンケートにご協力いただいておりますが、その結果を見ると、部長の会への期待や要望のハードルが年々高くなっているのがわかります。
キックオフでは、それに応えるべく、品証部長同士のネットワークの強化は勿論ですが、より経営視点に立った議論、テーマの深掘り、アウトプットにも力を入れ、積極的に外部発信していくことを申し合わせました。
また、SQiP運営委員会の委員長であり、部長の会の企画メンバーでもあります野中誠先生(東洋大学)から、ソフトウェア品質部長の会設立の経緯と目的ならびにソフトウェア品質保証実態調査のデータ分析結果の紹介があり、品質部長の会への期待が熱く語られました。
「SQiP部長の会は、企業の壁を超えたつながりが持てる場です。他社/講師から学び、自社の暗黙知を整理し、課題、技術、しくみ(メカニズム)考える。
そして、それを実践するのが品証部門であり、開発部門、顧客、協力会社に働きかけていく使命を負っています。
SQiP部長の会は、そのような使命を負った皆様が、顧客満足、魅力品質、経営への貢献について議論できる貴重な場であり、ソフトウェア品質保証の進化へ貢献していただけるものと信じています。」
第5期の実質的な活動のスタートです。今期は活動期間を1年間確保しようということで、従来より1ヶ月早く会合を開催いたしました。
そして、もう一つ新しい試みをいたしました。
これから活動テーマを決め、テーマごとにグループ編成をして議論を進めていくのですが、より深く、具体的に議論ができるように、メンバーから自己紹介シートをご提出いただきました。会社規模やドメインの違いが議論の際、問題になることがありますが、事前に把握してグループ分けなどに活用していこうという試みです。
このシートをもとに、各メンバーから、ご自身の背景や関心事について紹介があり、議論したいテーマ(キーワード)をあげていきました。
本日はここまで。次回は、テーマ編成に向けての検討を行います。
次回もお楽しみに!
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