概要
まず始めに、リンクレア様の会社概要についてご紹介いただきました。
会社全体が職人集団であるという意識を持ち、各レベル(職能)に合わせた目標や“強”育体系(LinBOK)を定められており、社員一人ひとりが向上心を持ちながら業務を遂行し、成長できる環境づくりが図られていることを興味深く聴くことができました。
次に、品質向上活動、工数分析モデルの社内展開について説明がありました。
品質向上活動は、新人時代から技術職だけに限らず、営業にも関わり、6年間で強いPL(プロジェクトリーダー)になるべく教育シナリオが組まれており、3年目にはテーラリングし、提案書作成の流れが習得できるよう、しっかりとした人材育成の教育基盤が確立されていました。また、サービスサイエンスの導入により、サービスを分類し、モデルを作成することで、顧客のニーズに対応されています。
工数分析モデルの社内展開では、CMMIの成熟度に合わせて「プロジェクト管理方式」と「分析手法」を定めた独自のモデル:MMM(Man-hour Analysis Maturity Modelの略)をご紹介いただきました。MMMの採用により、プロジェクトを全行程にわたり、統一された指標で進捗を把握することができ、より良いプロジェクト経営を行えるとのことでした。
最後は、欠陥分析モデルの構造についてですが、ソフトウェア品質知識体系「SQuBOK」とは異なる品質不良の定義のもと、不良の作り込みや見逃しをプロジェクトの問題として捉え、目的重視欠陥分析モデルを作成されていました。また、8つに分けられた目的重視の分析により、分析アクションの曖昧さを減らし、欠陥分析の成熟度をレベル別に把握することで、改善策を検討することが可能になること、プロジェクトを効率的に進めるために有効な欠陥分析を行う過程についての説明がありました。“8回の「欠陥を検出するチャンス」を有効に使い、出荷可能なレベルになるまで品質を作り込む”という考え方には、リンクレア様の欠陥を減らすことに対する姿勢、意識の強さを感じました。
質疑応答では、多くの質問、意見が出され、また、公演中は笑いも起こるなど、部長の会メンバーの関心度も高く、終始充実した講演となりました。
後半は、前回同様「経営視点」「品質保証の肝」「超上流からの品質保証」「人材育成」「アジャイルと品質」の5つのテーマ別グループに分かれ、討論が行われました。 それでは、各グループの討論内容を紹介いたします。
グループ1「経営視点から品質向上を考える」
具体的な事例については、今後グループメンバ各自で持ち寄り議論していくこととする。また、コスト削減活動等に関しても、具体的事例を追加していきたい。
グループ2「ソフトウェア品質保証の肝」
1点目は、サービス品質の肝について、前回(4月)の議論を整理した内容についてレビューした。
2点目は、これまでの品質保証の肝を、SQuBOK体系に整理する件について、SQuBOKのV2の体系を入手したので、どのようにマッピングできるかを議論した。
その結果、第2章のソフトウェア品質マネジメントの各段落にマッピングするのが適していること、マッピングしたときに、今までの肝がゼロ件になる段落(たとえば、2.4監査のマネジメント、2.5教育・育成のマネジメントなど)を洗い出し、肝の追加を考えていくこととした。
また、サービス品質は、現状のSQuBOK体系にぴったりとあてはまらないので、別枠で設定することにした。
次回の部長の会内でのミニ発表に向けて、これまでの検討内容を整理・準備をリーダーが行うことにした。
グループ3「超上流からの品質保証」
- 現在、品質保証部長の会で超上流にかかわっている事例を確認している。
- 一方、超上流で求められることについて、知識体系等のグローバルスタンダードや発注する側の立場で考えた情報を収集/分類することで「魅力的品質の提案」、「顧客のためのリスク低減」のために実施すべきことが得られるのではないか?
- ここから、現在品質保証部門でできていることや、不足していることを分析し、超上流における品質保証部門のあり方を今後検討していく。
グループ4「人材育成」
しかしながら、本日の議論で改めて考えると、アンケートはグループの討議結果、見解を補強する位置づけのものであり、活動の結果は議論からまとめていくという認識にたどり着いた。
上記は進め方について共通認識である。
人材育成そのものについては、まだ議論のさなかであり、品質保証に限らず開発・運用を担当する者までを対象に品質向上に向けてどのような育成が考えられるか、それも効果的に行うにはどのような課題があるのか、実践事例も集めて施策と効果について整理することにした。
ここまでの考えを次回報告すべく臨時の会合も行い、整理を進めていく。
最終報告は、今期メンバーでの検討内容から育成への知見の集約とアンケートにより、良い事例紹介ができることを目標とすることにした。
グループ5「アジャイル」
「アジャイル放棄に未来なし」
企業向けシステムにも、”エンタープライズアジャイル”という名前で浸透してきている。第5回講演の英さんから紹介があったハイブリッドアジャイルもそうだが、アジャイルとウォーターフォールの良いところを取り入れたようなやり方のようだ。
いずれにしても、アジャイルがこれからどんどん増えていくのは間違いない。品質保証部門もこれに備える必要があるのは明らかである。
アジャイルになると、品質保証部門に求められるスキルセットも変わってくるはずで、この辺は押さえておきたい。
次回のレポートもお楽しみに!



