第6期レポート

第4回ソフトウェア品質保証部長の会 レポート

毎年恒例の1泊2日の合宿を、今期も実施しました。
皆さん大変お忙しい中、スケジュールを調整いただき、今回の合宿には過去最多の31名の方にご参加いただきました。
開催日:2015年1月30日(金)~31日(土)
会 場:四季の湯温泉 ヘリテイジリゾート
初日は生憎の雪模様で、交通手段への影響も懸念されていましたが、ほとんど積もることもなく、皆さん無事に宿泊施設に到着!予定通り合宿がスタートしました。
全員での討議に引き続き、グループ別の討議を実施、夜遅くまで熱い議論を繰り広げていました!
集合写真(合宿に参加いただいた方々)

1日目前半

1日目前半は、3人のメンバーにご提案いただいた3つのテーマについて、全員で討論しました。

参加者からの希望テーマ(合宿用テーマ)討論会

1. 山越 一弘さん(株式会社IHIエスキューブ)

ご提案:テーマ「世界の品質、魅力的品質」
魅力的品質:それが充足されれば満足を与えるが、不十分であっても仕方がないと受け取られる。
Q1. グローバル市場を相手にするとき,従来の日本的な品質保証の考え方は通用するのか?
Q2. グローバルな視点で魅力的品質とは?

【意見】

  • 海外では安い⇔汚い、高い⇔綺麗の傾向が強く、それはソフトウェアにも共通している。
  • 日本は組込みの品質が高い。 ・低品質は、結果として自分の首を締めることになる。
  • (過去十年くらいの経験)アメリカの場合、企画書は良いが、実際の質は悪いことが多い。苦情が出てから修正すればよいという考え方が強い。
  • CMMI:レベル5を取っていても、会社によって違いがある。
  • エンジニアの考える力が下がっている。
  • 設計者に言われたとおりに作成するのでは、魅力的品質は誕生しない。

2. 増瀬 英雄さん(株式会社島津ビジネスシステムズ)

ご提案: テーマ「弊社と同様な業務形態である他社の品質保証についてどの様に実施しているのか、課題は何か」
Q1. 品質保証をどの様に実施したら良いのか?
Q2. 実施するに当たっての課題は何か?

【意見】

  • 要望に対する課題を如何に少なくするかが重要である。
  • 大きな部品と小さな部品の規格を同じにしてはいけない。
  • 要求獲得、要求開発 →要求をきちんとお客さまと協議しなくてはならない。
  • 発注側の品質を上げるためにはコンサルタントが重要である。

3. 早崎 伸二さん(株式会社リンクレア)

ご提案: 「品質文化の醸成方法」 企業内に品質保証文化をつくり、定着させることは、とても重要なことである。
Q. では、どのようにつくる(醸成する)べきか?
  • 声かけ、傾聴、挨拶など、コミュニケーションを重要とする。
  • 自分で気づくことが大事である。
  • 「人の成長はどうでもよく、質だけを求める」ではいけない。
  • 贔屓をすると人材は育たない。親になったつもりで、どんな子供に育てたいのかを考え、人材育成する。
  • 人間が育つために必要なことは、危機感とモチベーションである。
山越さん
増瀬さん
早崎さん
討論風景

1日目後半~2日目

1日目後半からは、ソフトウェアの品質保証について、「品証組織の進化と価値向上に向けて」「超上流からの品質保証」「ソフトウェア品質の肝」「設計工程での品質施策」「アジャイルと品質、アジャイルの一部を利用して」「品質意識醸成、品質教育、人材育成」の6つのテーマに分かれ、今後の討論の方向性について検討を行い、2日目に討論内容のまとめと発表を行いました。

グループ討論

テーマ1 品証組織の進化と価値向上に向けて

  • 活動の目的

    各社の品証組織がそれぞれ置かれている状況下で早く成長するために何をなすべきかを明らかにする
  • 達成ゴール

    2011年に発表した進化論を現実的に実行するためのあるべき行動と陥りやすいワナを明確にする
2011年進化論と今後の発展について
  1. 現状分析
    1. 置かれている事業規模に対する品証組織規模
    2. 業容形態
    3. 品証組織の役割、バリエーション、スコープ
    4. 経営層から求められていること
    5. 1~4を踏まえた悩み(何を求めた悩みか)
  2. 2011年進化論の発展
    1. 2011年の引用
    2. 4象限→1象限の進化ステップだけではない
    3. 象限を乗り越えるための壁
    4. 乗り越えようとするときの陥りやすい罠 ⇒乗り越えるために現実的にどうすべきか
  3. 新たな進化に向けて
    1. 現状の悩みを克服してブレークスルーするためには
    2. 経営に寄与する品証組織であるためには
    3. 品証メンバが幸せになるためには
    4. 世の中に貢献する品証であるためには
品証組織グループの討論風景

テーマ2 超上流からの品質保証

  • 活動目的とその背景

    • 提案フェーズで発注側と受注側のそれぞれの立場で見た場合、検討できることがあるのではないか。
    • これまでフォーカスしてなかった(できなかった)所にフォーカスしてみたい。
  1. 発注側で考えた場合に期待することは?
    • 発注側にとって、ベンダーからの提案は、RFPの記述以外の内容は「ノイズ」になるもの、「当たり前」のもの、「嬉しい」ものがある。
    • 発注側がプロジェクトを成功させるための提案の選定条件とは。
  2. 受注側でやるべきことは?
    • 受注側で提案品質を向上するためには。
    • 品質保証部門ができることは。
  3. 今期の方向性について
    • パート1【第4期】:品質保証部の超上流への関わりについて把握
    • パート2【第5期】:各社の超上流の具体事例を紹介
    • パート3【第6期(今期)】:発注側と受注側にフォーカスし、何か提案していきたい。
超上流グループの討論風景

テーマ3 ソフトウェア品質の肝

  • 活動の目的

    「各社・各個人の持つ品質保証に関するノウハウを形式知化し、初心者でも品質保証機能の本質理解を深めて活かすことのできるBOK(知識体系)※を完成させる」
    • KIMOBOK(Guide to the Kilo-Important Body Of Knowledge)
      副題:“品証部の煩悩を取り払う108つの肝”
  • 達成ゴール

    個々の肝を深く議論して全員が納得出来る内容に仕上げる。一肝一格言を目指す。
  1. 第5期までに作成した85個の肝について、粒度を見直し、SQuBOK樹形図により分類を見直す。
  2. 肝に関して、参考情報や具体例の追加を行う。
  3. 第6期に新規メンバが多く参加されているので、悩みや事例などについて、アンケートを通して募集し、肝の追加を行う。
  4. 第5期までの肝以外の発表事例を精査し、肝に入れるべき内容を追加する。
品質保証の肝グループの討論風景

テーマ4 設計工程での品質施策

  • 活動目的の背景(前提や事象、危機意識)

    1. システムの再構築に際して、プロの目から見て、(元の)設計書の書き方が悪いために問題に発展してしまう。
    2. 若手が設計書の書き方を解っていない。
      ⇒設計書がしっかりしていないと、どうなるかが理解できていない。
    3. 若手が設計を実施(担当)しないし、設計に対して思想もない。
    4. (参考にできる)良い設計書が残っていないことがある。
    5. 手本となる設計者が、近く(見習える距離)にいないことが多い。
    6. 設計作業の目的が、設計書を書くことになっている。
      ⇒ (3)~(6) “設計をする”という目的に達していないのでは?
    7. 若い時から、プロジェクトマネージャーが手配師化している。

      【課題】

      • ドキュメントを見る目が養えないので、手配師としても二流である。
      • テンプレートでなく、サンプルが求められている。
      ⇒考える体質が退化している。
    8. (テストの観点から)仕様書を検証する仕事も増えてきている。
今後の検討(活動)について
アジャイルグループ1の討論風景

テーマ5 アジャイルと品質、アジャイルの一部を利用して

  • 活動の目的

    顧客満足を上げる一手段であるアジャイルで、品質保証観点では何をするか探求する
  • 達成ゴール

    アジャイルの品質(=顧客満足)につながるメトリクス探求
  1. 世の中では、どのようなメトリクスがとられているか。
    1. その内容を自分たちの事例に当てはめ、問題や疑問を抽出する。
    2. 実践者に疑問を尋ねる。
    3. アジャイルが上手く進む、品質保証部門の関わり方を考える。
      • モチベーションを上げる、アジャイルを生かしたプロセスとは。
      • 無駄な開発をしないために、どうアジャイルを生かすか。
  2. 次回(3月)は、顧客満足度に結びつくアジャイルについて調べる。
    • 前知識(アジャイル開発とスクラム)を得ておき、実践者への聞きたい質問内容を挙げる。
アジャイルグループ2の討論風景

テーマ6 品質意識醸成、品質教育、人材育成

  • 活動の目的とその背景

    昨今、品質意識が低い思われる現象が多くみられる。品質意識が低ければ、どのようなプロセスを持っていても、品質は良くならない」
    ⇒なぜ、品質意識が低いのか、及びその状態に応じた品質意識醸成のための方法を探ることとした。
  1. 品質意識の程度を測定するためのモノサシが必要である様々な状態から、品質意識を測定するためのモノサシを(仮)で作成した。
  2. 状態(症状)→原因(病名)→対応策(処方)の流れで、今後考えていくこととした。
  3. 原因と対応策に関しては、品質意識が低い時と高い時の両方で考えていく。
    • 低い時→応急処置、体質改善策
    • 高い時→体質維持、体質強化策
  4. 状態(症状)や原因(病名)については、仮説をたてて進めていくが、アンケートなどを実施して検証や補強なども行っていく。
品質意識醸成グループの討論風景
最後に、大阪で活動している「ソフトウェア品質保証責任者の会(SQiP-WEST)」の現況について、SQiP-WESTの準備委員兼SQiP部長の会の企画メンバである宿口さんから活動の紹介がありました。
責任者の会では、参加者からの紹介でサイボウズLive(メンバ紹介型スペース)を利用し、情報共有を行っており、毎月月末の月曜または土曜に活動をしています。活動テーマは、「人財開発」と「身の丈プロセス」の2テーマです。「人財開発」は、参加者からの提案により、育成(開発)カリキュラムを作成し、参加者のチームに適用して効果を観ています。「身の丈プロセス」は、より具体的な事例からサンプルプロジェクトを設定して必須項目を抽出しています。また、講師を呼んでのセミナー(講演)も開催しています。 今後の展開としては、SQiP部長の会との交流を深めていくことにも重点を置いて活動していきたいと結ばれました。
次回からは各テーマにわかれ、具体的な討論が開始されます。
本レポートでは、グループごとの活動記録を毎回更新していく予定です。
それでは、次回もお楽しみに!