第17期レポート

第17期 成果発表会

開催概要

日時 2026年7月22日(水)14:30~17:30
配信会場 一般財団法人日本科学技術連盟 東高円寺ビル
実施形態 オンライン開催(Zoom)

プログラム・発表資料

時間 内容
14:30~14:35

主催者挨拶

平山 照起 (一般財団法人日本科学技術連盟 品質経営推進センター 品質経営・SQiP・MS・QCCグループ)
14:35~14:45

活動の紹介

鎌倉 洋一 氏 (源氏企画(元富士通株式会社))
14:45~15:00

成果発表1

なぜなぜ分析を“属人的ノウハウ”から“判断基準”へ ~判断を設計し、生成AIでも再現可能にする~

チーム2 横尾 清吉 氏 (株式会社ゼネラル)

発表概要

当チームでは、なぜなぜ分析が現場で安定しない要因を、単なる手順の問題ではなく、分析中に人が暗黙的に行っている「判断」の揺れにあると捉え、その標準化に取り組んだ。前期(16期)の試行では生成AIに分析を支援させたものの、判断のばらつきにより経験者の介入が不可欠であった。そこで今期(17期)は発想を転換し、「判断そのもの」を設計対象とした。
具体的には、「観点(どこを見るか)」「分岐(どこで原因を分けるか)」「深さ(どこまで深掘りするか)」の3つの判断基準を整理・明確化し、分析プロセスを構造化した。さらに、この判断基準を生成AIに適用することで、分析の一貫性を維持しながら原因を仕組みレベルまで掘り下げ、再発防止策の導出までを再現可能とした。実例を通じて、判断を設計することの有効性を示す。
15:00~15:15

成果発表2

生成AI時代のモダンQAエンジニア 〜品質保証の仕組み(品質プロセス、品質保証サービス)作り〜

チーム3 奥村 康男 氏 (ミラクシアエッジテクノロジー株式会社)

発表概要

本発表では、生成AIの普及を背景に、品質保証(QA)に求められる役割の変化と「モダンQAエンジニア」の在り方を提案する。
AI活用により生産性向上が期待される一方、開発スキル低下、レビュー不足、セキュリティ脆弱性などのリスクが顕在化している。このためQAには、AIが提示する標準的な解を基に、組織やプロジェクト固有の条件を加味してプロセスを最適化(テーラリング)する役割が求められる。組織・支援・管理・エンジニアリングの各プロセスで、AIと人の役割分担を検証し、AIが定型作業や分析支援を担い、人は最終判断やリスク評価を行う枠組みを整理した。
AI+QAの組み合わせにより、いかにして品質と生産性の両立を可能とすることができるか、その検証結果を事例とともに紹介する。
15:15~15:30

成果発表3

AI活用時代における品質保証の進化

チーム5 柳原靖司 氏 (ブラザー工業㈱)

発表概要

生成AIの活用が広がる一方、AIが工程内で自律的に品質を作り込むAIネイティブ開発では、外側から検証する従来QAは成立しない。非決定性・共謀的ハルシネーション・常時ドリフトといったAI固有の失敗様式が、その前提を崩すからである。
本発表は、QAの再設計として三つの新概念を提案する。第一に、AIが自らの出力を数値化し「次にどう修正すべきか」を自律判断する「連続的品質シグナル」。第二に、品質部門が開発側と独立した検証系を持ち、共謀的ハルシネーションを構造的に抑える「シャドウハーネス(独立Verifier)」。第三に、AIが高速に自己最適化する内部制御層と、人間が最終承認と説明責任を担う外部ガバナンス層を分離する二層構造である。これによりQAは「止める監査者」から「ハーネス共同設計者かつ独立Verifier」へと進化する。
15:30~15:40
休憩
15:40~15:55

成果発表4

情緒的品質の定義とその理解の提案 Part 2

チーム1 小松澤 敦 氏(株式会社日立ドキュメントソリューションズ)/滝 若葉 氏(SCSK株式会社)/長谷川 直人 氏(Astemo株式会社)/牟田 香奈 氏(オリックス銀行株式会社)/村岡 伸彦 氏(元 Microsoft 日本法人)

発表概要

本発表では、従来の機能的品質中心のソフトウェア開発に対し、ユーザーの体験・感情に着目した新たな品質概念「情緒的品質」を提案する。
AIの活用が進む中、人が担うべき価値創出の視点として位置付ける。
日本のソフトウェア開発に見られる、ユーザーの反応への無関心、仮説検証の欠如、品質保証の視野の狭さといった構造的課題を踏まえ、カスタマーデライトを目標として、その解決に向けた3つの提言を示す。
  1. 情緒的品質の認識―機能から惹起される情緒的価値の実現度合を品質として位置付ける
  2. 情緒的品質の測定―定性・定量の両面から評価し開発に活かすフィードバックを回す
  3. 人材と仕組みの構築―情緒的品質の評価を利用して、継続的価値創出を行う組織・プロセスを整備する
これにより顧客体験に基づく価値創出と感動を生む品質の実現、近年顕在化しているプロダクト倫理の問題の早期検出・対応にもつながる。
15:55~16:10

成果発表5

社会的システム事故に学ぶ再発防止策と人材育成

チーム7 川野桂一郎 氏 (株式会社日立ソリューションズ・クリエイト)

発表概要

我々はSQiPの活動方針「実践的で実証的なソフトウェア品質技術・施策の研究・体系化と普及推進」を旗印に、社会的なシステム事故事例を取り上げ、実践的な学びを得、体系化し、共有することで事故を減らし、安全なソフトウェア開発に寄与することを目標にしています。
事故事例の原因分析(技術面、品質に対するトップのコミットメント、品質長の権限行使、組織文化面等)、再発防止策・人材育成策の確認およびステークホルダーへのフィードバックを行うことを目指します。
16:10~16:25

成果発表6

ソフトウェア品質保証プロの会の成果・知見の蓄積と伝承

チーム4 北村 弘 氏 (独立行政法人情報処理推進機構(IPA)/東洋大学)

発表概要

プロの会では、ソフトウェア品質の向上につながる活動を長年続けています。
当チームでは、これらの活動成果を知見として体系化し公開することにより、現場の課題解決を後押しし、品質保証活動の価値向上を図るために、以下の取り組みを実施しています。
  1. ソフトウェア品質保証プロフェッショナルの会のホームベージの改善
  2. 出前勉強会の開催
  3. 「ソフトウェア品質保証の極意」執筆について外部発表・投稿
  4. 「ソフトウェア品質保証の極意」活用方法紹介
  5. プロの会出身者によるソフトウェア品質保証に関する書籍出版のバックアップ
これらの活動状況について発表します。
16:25~16:35
休憩
16:35~17:15

講演

AI駆動開発時代の品質組織設計 ーセルフQA基盤の構築ー

株式会社タイミー)Quality Engineering GM)小林 依光 氏
株式会社タイミー)Quality Engineering QAコーチ) 矢尻 真実 氏

発表概要

ソフトウェア開発において AI によるコード生成が普及するなか、品質保証は 「AI の出力が正しいと言える状態を、どう設計するか」 へと変わりつつあります。QA 組織の役割も、品質判断を組織に組み込む設計へと、これまで以上にクリエイティブで横断的なもの へ進化しています。
本講演では、品質保証組織を Enabling / Platform として再配置 し、セルフQA基盤——開発者が品質基盤を呼び出すだけで、正しい QA が自律的に走る状態——を目指す、その組織設計思想をご紹介します。
17:15~17:25

日科技連の事業紹介

永田 和範 (一般財団法人日本科学技術連盟 品質経営推進センター 品質経営・SQiP・MS・QCCグループ)
17:25~17:30

クロージング

風見 玲衣 氏(株式会社 JCHunter)