事業詳細
講演会
臨床試験セミナー 統計手法専門コース BioS30周年記念講演会
講演3
臨床統計家育成コースについて
・臨床統計家育成コース概要の紹介
・SASを活用した統計教育の実践
上村 鋼平氏(東京大学)

わが国では生物統計家が不足しており、臨床研究実施の遅れや研究不正につながっていると指摘されています。このため、実務家としての生物統計家を育成し臨床研究実施機関に送り出すことは喫緊の課題とされていました。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development, AMED)の「生物統計家育成支援事業」において、生物統計家の育成拠点として東京大学大学院と京都大学大学院が選定され、2018年度より新しい教育コースが始動いたしました。
生物統計情報学コース(東京大学)では、医学部附属病院・国立がん研究センターとの連携のもと、座学及び実際の臨床研究業務を経験する実地研修を効率的に融合した教育プログラムが開発されています。本講演においては、臨床統計家育成コースの概要とSASを活用した統計教育の実践内容についてご紹介させていただきます。
【プロフィール】
・肩書き:現職、前職 東京大学大学院情報学環(生物統計情報学講座)特任講師
・略歴・著書等
2009年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(保健学)。
2009年~2017年 医薬品医療機器総合機構 新薬審査第四部 生物統計担当。
2014年~2017年 同再生医療等製品審査部,ワクチン等審査部 生物統計担当。
2017年~現在 東京大学情報学環特任講師.生物統計情報学コースの設立・運営・講師を担当。
京都大学における臨床統計家育成:実地研修の立場から
・京都大学における臨床統計家育成の取り組み
・京都大学医学部付属病院における実地研修の紹介
魚住 龍史氏(京都大学)

京都大学大学院医学研究科は、2016年10月に生物統計家育成支援事業の拠点として採択され、2018年度から「臨床統計家育成コース」が開講されている。演者の所属する京都大学医学部附属病院では、本コースの分担機関として、臨床研究・開発の現場での実地研修を行っている。1年次の実地研修では、附属病院内の各部署と密接に連携して、臨床研究・治験を取り巻く各専門分野を理解してもらうことを目的として、講義・見学形式で実務教育を実施している。2年次の実地研修では、既に終了している第III相ランダム化比較試験を題材にして、臨床試験の実務教育を行っている。本講演では、実地研修の立場から、臨床統計家育成の取り組みを紹介する。
【プロフィール】
・肩書き:現職、前職
博士(工学)
現在 京都大学大学院医学研究科 医学統計生物情報学教室 講師
・略歴・著書等
1986年 東京に生まれる
2018年 東京理科大学大学院工学研究科博士後期課程修了
主著 『生存時間解析 応用編 -SASによる生物統計』(共著、東京大学出版会、2016)