デミング賞大賞

賞の効果と特徴

1 重点課題の継続実施こそ“力”です

「TQM」を熱心に進め、経営体質の改革・改善を図って、デミング賞を受賞しても、その後の活動が低調化・マンネリ化しては効果の持続は期待できません。相当な工数と費用をかけても、活動が総花的であったり、無駄が多かったり、継続が不十分で停滞に至ることがあるならば、誠に残念であります。重点課題の継続実施こそ力であり、これを支えるのがデミング賞大賞への応募であります。このため、審査の重点も、デミング賞受賞後に「TQM」をいかに重点的・継続的に実施されたかにおくこととしております。

2 重点課題の継続実施によってこそしくみや技術の伝承が図れます

デミング賞受賞に至るまでの「TQM」推進の過程でなされた様々な改革・改善と、その改革・改善を可能にした能力は、その改革・改善時の効果のみでなく、伝承・活用すべき極めて重要な知的技術財産であります。相当な工数と費用を要して実現した改革・改善は、しくみ・標準として、あるいは固有技術として蓄積され、伝承され、日常業務において、デミング賞受賞後も継続的に活用することが大切です。「TQM」の重点的・継続的実施はこの意味で極めて重要であり、デミング賞大賞への応募はこれを支援します。

3 重点課題の継続実施は人材育成に役立ちます

デミング賞受賞後数年を経過すれば、受賞を経験していない管理職や新入社員も増加します。これらの方々を育成して、伝承すべき知的技術財産を身につけてもらうとともに、それを基礎として、さらに新たな重点課題に挑戦していただく必要があります。このためには「TQM」の継続的実施と実践的な教育による人材育成が大切であります。デミング賞大賞へ応募することは、この人材育成を大いに加速します。

4 重点課題の継続実施によってこそ経営環境の時代的変化に適応できます

すでに述べたように社会・経済環境は激動しております。これにともなって、「TQM」も、それらの変化に適応した重点課題を明確にし、推進していく必要があります。しかも、それをデミング賞受賞を経験していない管理職や新入社員の人々をまじえて実行することが大切です。重点課題の継続実施によってこそ、はじめて経営環境の変化に適応した革新的な経営とそれを支える「TQM」の効果的な運営が図れます。時代の変化に適応した経営に役立つ「TQM」の推進が可能となります。その中から新しい時代にふさわしい創造的な「TQM」の方法論も自ら生まれることが期待されます。デミング賞大賞への応募はこれを支援します。

5 重点課題の継続実施によってこそ「TQM」が日常業務として定着します

デミング賞受賞によって培った「TQM」を、その後も継続的に実施して日常業務として定着させ、経営管理と一体化させる必要があります。このためには「TQM」の継続的実施に過度の時間を使わないことが大切であります。むしろ、それは「TQM」の効果的・効率的推進の阻害要因となります。従業員満足、職場環境の充実、仕事のやりがいへの追求、人材の育成などは、時代や経済環境の変動にかかわらず今後の基本的流れであります。

このことを考慮すれば、自社にあった「TQM」を実施し、効果をあげることが、その継続のための前提条件となります。このためには「TQM」の推進において、活動の重点化を図り、無駄や形式化を排除して効率化を図ることが大切です。また、このような方向へ活動を進めるにあたっては、過去の方式にとらわれず創造的・個性的に進めていただくことが肝要です。デミング賞大賞も、このような趣旨にそって審査できるように、審査方法の改善に取り組んでおります。

6 重点課題に活動の焦点を絞ることにより、応募準備に過度の時間をさく必要がなくなります

前項までに述べた重点課題の継続実施に焦点を絞った「TQM」の推進と、その日常業務としての定着のために、デミング賞大賞の応募準備に過度の時間をかけることをやめていただくように強く要望します。できるだけ平常心で正常の勤務状態に近い状態で準備し、応募していただくことを期待しております。

7 社員の方々がやってよかったと思う「TQM」の実現を期待します

「TQM」は全員参加が理想的ですが、強制的な全員参加は期待いたしません。社員の大多数の方々が、「TQM」を実施してよかったと思うような推進を期待しています。デミング賞大賞への応募はこれを支援し、組織に適合した自由闊達かつ個性的な「TQM」の推進を支援します。

8 審査の形式についても種々の提案ができます

デミング賞大賞では、デミング賞の審査方法に準じて、Aスケジュール、Bスケジュール、組織首脳部との懇談等の形式で実地調査をすることになっておりますが、業態や重点実施事項を考慮して、貴組織にとって最もふさわしいと思われる方法を応募組織から提案していただき、実施する道も開かれております。

原則として、全体をまとめて1調査単位とし、2日以内で実地調査を行います
事業部も事業所表彰を受けた事業所もデミング賞大賞に応募できます
デミング賞大賞の受賞は最高の栄誉です

9 原則として、全体をまとめて1調査単位とし、2日以内で実地調査を行います

すでにデミング賞を受賞していることから原則として全事業所をまとめて1調査単位とし、その実地調査を2日以内で行います。

10 事業部も事業所表彰を受けた事業所もデミング賞大賞に応募できます

デミング賞大賞は、デミング賞を受賞した組織におけるTQMの継続、発展、深化、進化を促すことを目的とする賞です。そのため、1995年度からは事業部およびそれに準ずる組織単独でもデミング賞大賞に応募できるようになっております。また、2010年度からは過去に事業所表彰を受けた事業所も、デミング賞大賞に応募できるようになりました。

11 デミング賞大賞の受賞は最高の栄誉です

デミング賞大賞の受賞は、デミング賞受賞後も長期にわたって「TQM」を実践してきたことの成果であり、品質管理における最高の栄誉であります。デミング賞委員会が期待しているのは、応募組織の経営に真に役立つ「TQM」であり、それを重点的・継続的に進め、デミング賞大賞に応募され、その成果と栄誉を全社員とともに享受されることを希望してやみません。

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