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実験における乱塊法と分割法のすすめ<2018年09月07日>

■実験の三原則

 実験を実施する上で守るべき原則が以下の3つです。

 ① 繰り返しの原則

 ② 無作為化の原則

 ③ 局所管理の原則

 この3つの原則を守ることが質の良い実験データを確保することになります。

  1.  この例の場合、「無作為化の原則」により、24回(3×4×2)の実験を無作為な順序で実施することになります。このような方法を完全無作為化法と呼んでいます。

  2. ■乱塊法
     さて、1日で12回しか実験ができないという場合、この24回の実験には2日を要することになります。実験は無作為な順序で行いますから、ある特定の条件、たとえば、A1B3は1日目に2回実施してしまい、2日目には行われないということが起こりえます。このような事態を避けるために、次のような実験方法を考えてみます。

  3. 1日目
  4.  
  5. 2日目

     
     1日目と2日目の各12回の実験順序は、実験日ごとに無作為にします。このような実験を考えれば、2日ともすべての組み合わせで実験を実施することになり、実験日による影響を公平にさせることができます。このような方法を反復のある二元配置と呼んでいます。
     さて、このときには、完全無作為化で実施する場合の二元配置の解析方法を適用することができなくなります。実験日(反復)も1つの因子と考えて解析する必要があるのです。実験日のような誤差と分離するために導入する因子をブロック因子と呼び、ブロック因子を含む実験方法を乱塊法と呼んでいます。
     ブロック因子の代表的な例は、先のような反復のほかに、人(実験する人、評価する人)があります。人を因子とする実験は官能評価実験で多く見られます。たとえば、5種類のケーキを4人に試食してもらい、美味しさを評価するような実験です。
     

     
     これは評価者をブロック因子とする乱塊法となります。乱塊法は官能評価による実験を行う人には必須の実験方法です。
     乱塊法は実験の三原則の一つである「局所管理の原則」を実現させる方法という言い方もできます。
     
    ■分割法
     実験順序を無作為に実施することは、実験の大原則ですが、取り上げる因子や実験の環境によっては、完全に無作為な順序で実験を行うと、「時間がかかる、材料費がかかる」といった問題にぶつかり、実験を非効率に実施しなければいけなくなる場面が出てきます。そこで、無作為化を何段階かに分けて実施して、無作為化に伴う実験の負担を軽減しようというときに用いるのが分割法という実験の方法です。
     これは、2つの因子を取り上げる例で言えば、条件の変更に時間がかかるような因子の水準を先に決めておいて、その水準を固定したまま、もう一方の因子の水準を変化させるという方法です。
     

     
     A1、A2、A3のどの順に実施するかを無作為に決め、たとえば、A2をやるとなったならば、その水準で固定したまま、B1からB4を無作為な順で実施するという方法です。このような方法を分割法と呼んでいます。企業の工場で行う実験は、無作為な順序で実施するのが困難な場合があるので、完全無作為化実験ではなく、分割実験を行うことがよく見られます。なお、分割実験で実施したデータの解析は完全無作為化実験で実施したデータの解析方法と異なるので、分割法による解析方法を身に付けなければいけません。
  6.  
  7.  今回は、「品質管理セミナーベーシックコース」「技術力で差をつけるための実験計画法実践セミナー・スタンダードコース」で学んでいただける、乱塊法・分割法についてご紹介しました。
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Profile

 内田  治   氏
(うちだ おさむ)
東京情報大学 総合情報学部 准教授
東京農業大学 兼任講師
東京理科大学大学院修士課程修了
【著書】
『数量化理論と
    テキストマイニング』
(日科技連出版社,2010)
『QC検定3級 品質管理の手法
        30ポイント』
(日科技連出版社,2010)
『相関分析の基本と活用』
(日科技連出版社,2011)
『主成分分析の基本と活用』
(日科技連出版社,2013)他

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