第14年度 実践!信頼性・品質技術研究会(RQ研究会)
第1研究分科会 材料・部品解析分科会
主 査:
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小原田 一真(東レリサーチセンター)
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副主査:
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平本 抽(ソニー)
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委 員:
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大西 久男(大阪ガス)、澤田 真一(ソニー)
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特別顧問:
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木村 忠正(電気通信大学)
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本分科会では、材料・部品の解析技術を切り口に、メンバーが持ち込む信頼性や品質の諸問題の本質は何か、最適な分析・評価手法とその原理、得られた結果からどう考え解釈するのか、幅広い業界・分野の技術者が集い、皆で討議を行っています。
例えば、不具合事例を前に、みなさんはどんなストーリー(仮説)を描き、どんな検証(分析)を選択して、その結果をどのように考察し、相手に伝えようとしますか。先例を学び、様々な分野の、また、異なる視点での議論に触れることで、より多くの解析の道しるべを得ることができます。
初回に、参加メンバー各自が抱える課題や疑問、要望などを基に以降の討議テーマを設定します。2回目以降では、各回テーマに関連した事例を持ち寄って頂き、全員で共有し議論します。また、今まさに直面している喫緊の業務課題など突発的な事例もその都度取り上げます。これまでのテーマ例を以下に示します。
①故障/劣化のモードやメカニズム
金属材料の腐食・剥離・マイグレーション、樹脂材料の割れ・変色・アウトガス、部品への加熱・吸収・振動等
②分析技術/計測技術
形態観察(SEM, X線CT, OM)による形態観察、各種分光法(EDX, FT-IR, XPS)による表面分析、熱分析(DSC, TG-DTA,TMA)による物性値取得等
③信頼性評価方法
加速試験/寿命予測、シミュレーション・AI活用、特殊雰囲気・環境/規制対応等
④解析マネジメント
基礎概念~新規探索、標準化・ルール化、技術伝承・人財育成、課題対応力等
資料1枚でも文章1行でも、自ら積極的に発信する姿勢と、メンバーの発表に対して耳を傾け応答する意欲により、相互に価値ある人の繋がりを得ることができます。原理原則に従って状況を正しく理解し、適切な評価検証を行い、得られたデータの意味することを的確に論ずることができる、製品の品質保証や信頼性の作り込みに役立つ”解析”力を一緒に培っていきましょう。ぜひみなさんのご参加をお待ちしております。
第2研究分科会 部品・デバイス(電子部品)分科会
主 査:
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三井 直人(三菱電機)
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副主査:
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柏木 謙一(日産自動車)
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委 員:
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瀬戸屋 孝(日本電子部品信頼性センター)、馬場正太郎(富士電機)、横川 慎二(電気通信大学)
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顧 問:
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山口 浩二(富士電機)
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本分科会は、エレクトロニクス製品に使用される部品に焦点を当てた研究分科会です。
デバイス・電子機器・ユニットの各メーカ、企業それぞれの立場から、本音で議論できるクローズドでユニークな分科会です。
運営委員は、国内デバイスメーカ、電気電子機器メーカの品質・信頼性について豊富な経験を持った方々が担当し、参加されるメンバーは、設計・技術・生産・購買・品質保証・品質管理を実践している技術者の方々で構成されています。
取り扱うテーマは、「部品・デバイスの品質・信頼性技術全般」です。
①定例テーマ討論
初回に討論したいテーマを発言いただき、回ごとの主テーマを定めます。2回目以降は、そのテーマに従って、自社での取組みや事例などを参加メンバー持ち回りで発表し合う形式で討論を進めさせていただきます。内容によって、本分科会で十分に討論がしきれない場合は、テーマ別分科会や他分科会との合同討論の実施などで、柔軟に対応させていただき、幅広い討論を行います。
②緊急テーマ討論
直面している電子機器や電子部品で起こっている品質・信頼性の具体的な問題を持ち寄り、幅広い知見に基づいた多面的な議論を行うことで、報告書に明記されることのない真の原因や、その解釈、波及性などを検討します。
事前に課題や困りごとを分科会のメーリングリストで発信いただければ、参加メンバーが参考情報を持ち寄り、活発な議論が行われます。
③討論テーマのご紹介
昨年度、様々な議論を行いましたが、そのキーワードの一例をご紹介します。
●各種部品固有の品質・信頼性問題
●認定制度・生産終了品・部品調達難の対応方法・海外部品の採用と諸問題
●電子部品の実装に関する信頼性(電子部品の小型化、等)
●信頼性試験・加速試験・ワイブルの正しい使い方
●教育・育成、キャリア形成、ジョブローテーション
●IT・システムの活用
研究会は、参加いただくメンバーみなさんが主役です。議論内容を持ち寄ることによって、研究会を通じて相互理解を深め、多様な知見から問題解決力を身につけていきましょう。
第3研究分科会 機器・システム分科会
主 査:
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勝田 信(日本信号)
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副主査:
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長野 史裕(リコー)
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委 員:
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岩下 健児(SCオートモーティブエンジニアリング)、原島 瑞靖(富士フイルムビジネスイノベーション)
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本分科会は、システム製品をお客様に提供するために日々奮闘する機器システムメーカのエンジニアが集い、日常の疑問点や新たな視点を見つけ出す技術的活動になります。
取り扱っている製品はある種の集合体であり、この集合体であることが物事を難解にしています。例えば、品質・信頼性の高い部品・材料を使えば品質・信頼性が確保されるとは限りません。一方で、品質・信頼性が並な部品・材料からでも、高信頼性を有したシステムは構築可能です。つまり、保全が定期的に実施されるシステムにおいては、先端半導体部品よりも、旧式リレーを使う方が高アベイラビリティを実現できる分野もありますし、部品の信頼性の総和を超える信頼性を達成する巨大システムであっても、重大事故を起こさないように信頼性を作りこむことが、信頼性技術者の腕の見せ所と言えるでしょう。
ここでポイントとなるのが、「対象となるシステムをどのように捉えるか」ですが、本分科会では、各種電子機器・メカトロニクス製品・住宅機器・鉄道などのエンジニアが、業界をまたがり横断的に論議します。また、それらの議論を通して、多岐にわたる分野やそれぞれの業界の知見に触れることは、参加されるメンバーの気づきとなり、メンバーの課題解決の一助となること間違いありません。
論議内容としては、参加メンバーの関心があるテーマを題材に、モノづくりにおけるみなさんが日常的に抱える課題に対して、対象製品にとどまらず製品を取り巻く上位システム(社会インフラまで)との関係性を視野に入れたものを幅広く扱います(下記昨年度テーマ)。メンバーそれぞれが興味深いテーマの担当となり、当日テーマに沿って話題を紹介いただくことで、そこから議論の輪が広がっていきます。不具合事例の原因解析からChatGPTなどの新しい技術への取り組みまで幅広く議論できる場になっています。
第1回 みなさんからの希望議題を抽出します。
第2回 設計プロセスの改革(IoT製品のセキュリティ・販売後保守/官能試験基準)
第3回 設計プロセスの改革(トレーサビリティ・サイレントチェンジ)
第4回 法則性(海外)/安全について
第5回 SDGsの取り組み
第6回 DX/AI
第7回 人材/教育
この中でもDX(デジタルトランスフォーメーション)に関しては、信頼性からの切り口として継続して取り上げたい課題です。
斬新な活動をしておりますので、自社で日頃から悩んでいることを、参加企業のメンバーと論議していくことでヒントを見つけていただきたく思います。ぜひ、みなさんのご参加をお待ちしております。
第4研究分科会 品質保証分科会
主 査:
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木村 功(TOTO) |
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副主査:
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山森 英一(東芝)
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委 員:
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向井 剛(三菱重工業)、山下 恭幸(ヤマハ発動機)
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本分科会は、品質保証/QMSの考え方や組織機能に関するテーマ、品質管理・信頼性技術の手法等の管理技術的テーマを討議する分科会です。
研究会メンバーには、コーポレートや事業の品質保証部門に所属されている方が多く参加されています。コーポレートの立場や事業部の立場から品質保証や品質管理に関する課題を題材に、課題に対する各社の取り組み事例を紹介いただき情報共有し、改善の方向性を討議しています。
主な討議テーマは以下のとおりです。
①品質保証体制/QMS
品質保証は製品開発から日常管理までの各段階で各部門が行う活動です。如何に品質保証活動のPDCAを回しスパイラルアップを図るかをテーマに議論します。
品質保証体制(品質保証部門の組織体制や品質統制構造)、再発防止・未然防止(製品保証計画・PPAP)、品質情報処理(体制・システム)、QMS外部・内部監査(リモート監査・監査員教育・海外工場の監査)
②変更点・変化点による品質問題の再発防止・未然防止
変更点・変化点からの市場問題を出さないために品質管理ツールの上手な活用方法をテーマに議論します。
再発防止手法(なぜなぜ分析・FTA・過去トラDB等)、未然防止手法(設計・工程FMEA・DRBFM・SSM等)、統計的品質管理(SQC)、信頼性技術手法(ワイブル解析等)、リスク分析手法
様々な製品が海外で生産され、かつ、自社生産以外の部品や材料を調達して、品質管理や品質保証を行っている中で、現場で起きている問題や課題をどう解決するか、を議論します。
③品質管理教育と品質技術者の育成
技術伝承や人材不足というような視点からの品質人材育成や品質管理教育、新規事業や新規領域での品質保証の進め方等の議論をします。
本研究会のような異業種の品質保証部門の方達が集まる場は多くありません。
「品質保証とは何ぞや」を考え、明日の品質保証のありたい姿を一緒に議論しましょう。
みなさまのご参加をお待ちしています。