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第12年度 実践!信頼性・品質技術研究会(RQ研究会)

第1研究分科会 材料・部品解析分科会

主 査:
小原田 一真
副主査:
平本 抽
委 員:
木村 忠正、大西 久男、杉谷 全令

 本分科会では、材料・部品の解析技術を切り口に、メンバーが持ち込む信頼性や品質の諸問題の本質は何か、最適な分析・評価手法とその原理、得られた結果からどのように考え解釈するのか、幅広い業界・分野の技術者が集い、時には部材の劣化挙動にまで遡って全員で討議を行っています。
 例えば、不具合事例を前に、みなさんはどんなストーリー(仮説)を描き、どんな検証(分析)を選択して、その結果をどのように考察し、相手に伝えようとしますか。先例を学び、異なる視点での議論に触れることで、より多くの解析の道筋をつけることができます。
 初回に、参加メンバー各自が抱える課題や疑問、要望など踏まえて以降の各分科会テーマを設定します。2回目以降では、各テーマに関連した事例を持ち寄って頂き、全員で共有し議論します。また、今まさに直面している喫緊の業務課題など突発的な事例もその都度取り上げます。これまで一例を以下に示します。

①故障/劣化のモードやメカニズム
 銅や銀など電極材料の腐食・剥離・マイグレーション、可塑剤の揮発や応力による破断など樹脂材料の劣化、変色、アウトガス等
②分析技術/計測技術
 形態観察(SEM, X線CT)、表面分析(XPS, AES)、化学分析(FT-IR, GC/MS)、熱分析(DSC, TG-DTA, TMA)等
③信頼性評価方法
 疲労試験、ガス腐食試験、加速試験、寿命予測、シミュレーション活用、統計管理等
④解析マネジメント
 基礎概念・新手法、技術の認定や伝承、人財の育成、標準化、スキルマップ等

 スライド1枚でも文章1行でも、自ら積極的な発信と、メンバーの発表に対しての積極的な応答により、相互に価値ある人の繋がりを得ることができます。原理原則に従って状況を正しく理解し、適切な評価検証を行い、得られたデータの意味を的確に論ずることができる、製品の品質保証に役立つ”解析”力を一緒に培っていきましょう。
 

第2研究分科会 部品・デバイス(電子部品)分科会

主 査:
山口 浩二
副主査:
三井 直人
委 員:
瀬戸屋 孝、伊藤 卓也、横川 慎二、柏木 謙一

 本分科会は、エレクトロニクス製品に使用される部品に焦点を当てた研究分科会です。
 デバイス・電子機器・ユニット・材料の各メーカ、企業それぞれの立場から、本音で議論できるクローズドでユニークな分科会です。
 運営委員は、国内デバイスメーカ、電子機器メーカの品質・信頼性について豊富な経験を持った方々が担当し、参加されるメンバーは、設計・技術・生産・購買・品質保証・品質管理を実践している技術者の方々で構成されています。
 取り扱うテーマは、「部品・デバイスの品質・信頼性技術全般」です。

①定例テーマ討論
 初回に討論したいテーマを発言いただき、回ごとの主テーマを定めます。2回目以降は、そのテーマに従って、自社での取組みや事例などを発表し合う形式で討論を進めさせていただきます。内容によって、本分科会で十分に討論がしきれない場合は、テーマ別分科会や他分科会との合同討論の実施などで、柔軟に対応させていただき、幅広い討論を行います。

②緊急テーマ討論
 直面している電子機器や電子部品で起こっている品質・信頼性の具体的な問題を持ち寄り、幅広い知見に基づいた多面的な議論を行うことで、報告書に明記されることのない真の原因や、その解釈、波及性などを検討します。
事前に課題を分科会のメーリングリストで発信いただければ、参加メンバーが参考情報を持ち寄り、活発な議論が行われます。

③討論テーマのご紹介
 昨年度、様々な議論を行いましたが、そのキーワードの一例をご紹介します。
  ●各種部品固有の品質・信頼性問題
  ●認定制度・生産終了品・部品調達難の対応方法・海外部品の採用と諸問題
  ●品質とコストのバランス
  ●信頼性試験・加速試験・ワイブルの正しい使い方
 研究会は、参加いただくメンバーみなさんが主役です。議論内容を持ち寄ることによって、研究会を通じて相互理解を深め、
多様な知見から問題解決力を身につけていきましょう。
 

第3研究分科会 機器・システム分科会

主 査:
岩下 健児
副主査:
勝田 信
委 員:
原島 瑞靖

 本分科会は、優良なシステム製品をお客様に提供するために日々奮闘する機器システムメーカのエンジニアが集い、日常の疑問点や新たな視点を見つけ出す技術的活動です。
 そもそも、製品はある種の集合体ですので、品質・信頼性の高い部品・材料を使えば品質・信頼性が確保されるとは限りません。一方で、品質・信頼性が並な部品・材料からでも、高信頼性を有したシステムは構築可能です。例えば、保全が定期的に実施されるシステムにおいては、先端半導体部品よりも、旧式リレーを使う方が高アベイラビリティを実現できる分野もあります。部品の信頼性の総和を超える信頼性を達成し、巨大システムであっても、重大事故を起こさないように信頼性を作りこむことが、システムの信頼性技術者の腕の見せ所と言えるでしょう。
 ここでポイントとなるのが、「対象となるシステムをどのように捉えるか」ですが、当分科会では、各種電子機器・メカトロニクス製品・住宅機器・鉄道などのエンジニアが、業界をまたがり横断的に論議します。また、それらの議論を通して、多岐にわたる分野やそれぞれの業界の知見に触れることは、参加されるメンバーの気づきとなり、メンバーの課題解決の一助となることでしょう。

 論議内容としては、参加メンバーの関心があるテーマを題材に、再発防止/未然防止、評価/試験について、データ収集の仕方や解析のやり方などモノづくりにおけるみなさんが日常的に抱える課題ですが、それらを製品にとどまらず製品を取り巻く上位システムとの相関まで視野に入れ、さらに、社会インフラまで視野を広げたいと考えております。
 機器/システム視点で11年度、取り上げたいくつかのテーマを紹介します。
 ・ソフトウエアを含めたシステムレベルの評価
 ・代替部品採用時の評価方法
 ・市場データの設計への反映、設計段階での市場信頼性の予測
 ・市場故障の予測、VOCの商品・サービスへの反映
 ・IoT商材についての品質保証
 ・品質情報の海外拠点との共有/内容の協議
 上記のようにその製品を取り巻く使われ方や周辺機器までも含めた試験、評価、データ収集方法などが多く議論されました。
 自社で日ごろから悩んでいることを、参加企業のメンバーと論議していきます。みなさまのご参加をお待ちしております。
 

第4研究分科会 品質保証分科会

主 査:
山下 恭幸
副主査:
木村 功
委 員:
向井 剛、山森 英一

 本分科会では、品質保証/TQMに関する考え方や組織機能に関するテーマの他に品質管理・信頼性技術の手法等の管理技術的側面のテーマを討議しています。
 研究会メンバーには、コーポレート及び事業の品質保証部門に所属されている方が参加されています。コーポレートの立場や事業部の立場から品質保証や品質管理に関する課題をテーマに、各社の取り組み事例を紹介いただきながら情報共有し、課題改善の方向性を討議しています。

主な討議テーマは以下のとおりです。

①品質保証体制/品質管理活動
 ・品質保証は製品開発から日常管理までの各段階で各部門が行う活動です。如何に品質保証活動のPDCAを回しスパイラル
  アップを図るかをテーマに議論します。
 ・品質保証体制(品質保証部門の組織体制や品質統制構造)、再発防止(監査・過去トラDB)、未然防止(DR・ゲート
  管理等の製品保証計画)、品質不正問題、市場品質情報処理(体制・システム)
②海外生産における品質管理と仕入れ先の各種変更に伴う品質問題
 ・品質保証では欠かせない以下の手法について、上手な活用の仕方をテーマに議論します。
 ・再発防止手法(なぜなぜ分析・FTA・過去トラDB等)、未然防止手法(設計・工程FMEA・DRBFM・SSM等)、統計的
  品質管理(SQC)、信頼性技術手法(ワイブル解析等)、リスク分析手法
③品質管理教育と品質技術者の育成
 ・様々な製品が海外で生産され、かつ、自社生産以外の部品や材料を調達して、品質管理や品質保証を行っている中で、
  現場で起きている問題や課題をどう解決するか、を議論します。
④その他
 ・技術伝承や人材不足というような視点からの品質人材育成や品質管理教育、新規事業や新規領域での品質保証の進め方等
  の議論をします。

 本研究会のような異業種の品質保証部門の方達が集まる場は多くありません。
 「品質保証とは何ぞや」を考え、明日の品質保証のありたい姿を一緒に議論しましょう。
 

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