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第50回 信頼性・保全性・安全性シンポジウム(旧)

特別企画セッション2 6/29(火)

将来社会に向けた自動化の設計の展望

【概要】
センシング技術が進み、人工知能技術の採用などにより多様な作業・操作の自動化が可能になってきた現代社会において、設計での高信頼性や安全性の確保は、ますます重要な課題となっている。常に想定外の事象が発生する可能性を考え、機器のみによる完璧な自動化を目指すだけではなく、人の能力を活用する仕組み、安心感を生み出す仕掛けなど、関わる人に価値向上をもらたす人-機械全体系としての高信頼性と安全性を有するシステムの実現が望まれる。
将来社会に向け、どのような自動化が望まれどのような設計が必要となるのか、そのための課題は何か、人と機械とが協調した将来社会に向けた自動化のあり方について、現在の最先端の技術を基に考えたい。

*本セッションでは、登壇者による発表とパネルディスカッションを行います。

【コーディネーター】
田中 健次 氏
電気通信大学大学院 教授 情報理工学研究所 情報学専攻
(第50回信頼性・保全性・安全性シンポジウム 副委員長)



【登壇者・パネリスト】


■登壇1
高度技術を背景とする将来社会において求められる自動化設計とは

稲垣 敏之 氏
筑波大学 副学長・理事(総務・人事担当)
【概要】
人にも機械にも能力の限界があることから、従来の人間‐機械系では、たがいの能力の補完に焦点を置いた協調が図られてきた。それに対し、機械が人を凌ぐ能力を備えるようになった現在、すべてを機械に任せることすら現実味を帯びるようになっている。そこでは、人間‐機械系における決定・実行の権限をどのように考えるかが、かつてないほど重い課題となる。
本講演では、機械が人を凌ぐ能力を持つからといって決定・実行の権限を機械に与えてよいとは限らないこと、一方で、機械が常に人の指示・許可を仰がねばならないものでもないことを、航空機と自動車の自動化の事例を示しつつ、数理工学的、信頼性・安全工学的、心理学的、ヒューマンファクター的観点から明らかにする。

【経歴】
1979年6月 米国ヒューストン大学・リサーチアソシエイト
1980年8月 筑波大学電子・情報工学系・講師
1987年7月 筑波大学電子・情報工学系・助教授
1994年12月 筑波大学電子・情報工学系・教授
2012年4月 筑波大学システム情報工学研究科・研究科長
2015年4月 筑波大学副学長・理事(総務・人事担当)(現職)
 

■登壇2
未来のモビリティ社会に向けた自動運転技術開発 -すべての人に移動の自由を-

鯉渕 健 氏
トヨタ自動車株式会社
先進技術開発カンパニー 先進安全領域 領域長
TRI-AD Director & CTO
【概要】
未来のモビリティ社会を支える技術として期待が高まる自動運転。
近年、実現に近づいていると同時に、グローバルな開発競争は更に激化している。 
本講演ではトヨタの自動運転技術開発の取り組みを示し、技術の実用化に向けた課題や社会へのインパクトについて語る。

【経歴】
1993年、トヨタ自動車に入社。車両運動性能開発、車両運動シミュレーション開発に携わり、その後、ブレーキ制御、ステアリング制御などのシャシー制御開発を担当。エンジンおよびトランスミッションなどのパワートレイン系統合制御や、アイドリングストップシステムおよび充電制御などの低燃費に貢献するシステムといった幅広い車両制御システム開発の専門知識を習得。2014年より自動運転技術、先進安全技術領域の開発責任者を担当しながら、2018年7月にTRI-AD CTOに就任。
 

■登壇3
自動運転社会における「SOMPO(損害保険会社)」、新たな役割への挑戦

新海 正史 氏
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
リテール商品業務部 自動運転タスクフォース・リーダー
【概要】
自動運転技術の向上は、交通に関する様々な社会課題の解決につながると期待されている。一方で自動運転車に関する意識調査では「事故が生じた際の責任所在があいまいになる」などの不安の声も大きく、人々に利用してもらうモビリティとして、より一層の社会受容性向上が必要である。
また、自動運転社会の到来を見据え、「自動車保険はどうなっていくのか?」「保険会社はどうするのか?」といった疑問も多く寄せられています。SOMPOの企業理念として掲げる「安心・安全・健康のテーマパーク」を、モビリティ領域で実現するための取り組みを、最新動向を交えて紹介する。

【経歴】
1998年、現 損害保険ジャパンに入社。自動車メーカー・サプライヤーとの協業を担当し、グループ会社および社内部署横断の「自動運転タスクフォース」の立ち上げや全国での自動運転実証に多数参画する。
2018年、自動運転に対応した保険商品・サービス開発を担当。
現在は、名古屋大発ベンチャーで自動運転AIシステム開発の(株)ティアフォーと、高精度三次元地図製作のアイサンテクノロジー(株)との三社業務提携を担当する他、自動運転サービス実証をサポートするインシュアテックソリューション「Level Ⅳ Discovery (レベルフォーディスカバリー)」の開発を進めている。
 

 
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