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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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59.品質管理との歩みをふりかえる<2023年01月31日>

大阪電気通信大学 情報通信工学部 講師
山来 寧志( 88BC ・ O 修了)
1.はじめての品質管理
 品質管理との出会いは大学時代でした。 2, 3 年生のとき(今から 20 年ほど前)、納谷嘉信先生、猪原正守先生が講義された品質管理や統計的手法の科目を受講したことが始まりでした。 TQC を実践する企業のお話や新 QC 七つ道具そして検定・推定といった内容は、理解するのは大変だったのですが、「おもしろい分野だな」とも感じていました。納谷先生が最終回の講義で、より学びたい学生のために「 TQC における問題解決法」(ハードカバーの書籍)を紹介していただき、購入し熟読していました。

2. BCへの参加
 大学の4年生後期に猪原先生からの勧めがあり、大阪で開催された品質管理ベーシックコース(BC)に書記として参加することになりました。6ヶ月の間に濃密な講義、そして宿題、 ST 、班別研究会、さらにセミナー運営のお手伝いと、大学の卒業研究との両立は大変でした。

 当時の ST は記述式で、試験日の夕方から ST 委員と書記が手分けして採点していました(マークシートじゃない!)。解答用紙に「なんて書いているかわからん(読めないよ)……」など、バタバタしながらの採点でした(他の方はちゃんと採点していました)。

 講義は多岐にわたり、実務家向けの内容なので、当時学生の身にとってはイメージしにくいこともあり、理解するのが大変でした。しかし、品質管理に関して基礎から体系的に学ぶことができたのは、大変ためになりました。 BC 修了生にとっても、「知っている 」「使ったことがある」という知識や手法を整理することができたのではないでしょうか。また「新に
得たもの」が多分にあると思います。

3.講師としてお手伝い
 BC修了後に SQC 部会に参加しました。当時の部会は、企業の方が手法を実務に活用する場合の疑問点を議論したり、大学の先生方が手法に関するお話(数式なども含む)をしたりというものでした。 BC の内容に関連することをさらに深く学べたと感じました。また、産学の人脈が広がったのも、私にとっては大きな収穫となりました(部会の後に、メンバーで懇親を深めすぎて、終電に間に合わなかったことも、今となってはいい思い出です)。

 その後縁あって、 BC で講師をすることとなりました。班別研究会の講師としては、最初は二人講師制のもとで、澤本崇先生、小川裕先生や花田憲三先生といった諸先輩方から、指導に関するアドバイスをたくさんいただきました。受講生のテーマとその解決活動の様子は、企業での実務的な取り組みを感じられるものでした。大学にいるだけではわからなかったことです。他の指導講師の先生方の指摘やコメントは鋭いものが多く感銘を受け、受講生のみならず私にとっても班別研究会で得たものは、貴重な私の礎となりました。産学の方々が集まり、さまざまな視点で議論することは、貴重な体験ではないかと考えています(議論
の後に、メンバーで懇親を深めたのはいい思い出です)。

 ST委員会にも参加しており、試験問題を作成するなかで、改めてBCテキストを読み返すことが多くあります。受講生に誤解を与えない問題にすることや解答にミスがないことなどにも気をつけて検討しています。BC テキストの内容や注に記載されていることなどをじっくりと読み返すことで、講義の際には気がつかなかったことに気づくことがあります。
BCという長い歴史の中で培われてきたテキストは、BC 修了生の方にとっても貴重な財産になると思います。ぜひ、セミナー後もテキストを読み返してください(自分の仕事に関係する科目のものは、テキストがすり切れるまで読み込んでもらいたいものです)。

 BCの講義では、新QC 七つ道具の科目をかわきりに、問題解決法やQFD などを担当しています。テキストの内容や実務で活用するヒントなどを講義時間内に説明するために、講義準備に創意工夫しているつもりですが、いつも四苦八苦しています。講義アンケートで良い評価をいただいたときは、「次への活力」「さらに講義を改善する意識」がわいてきます。

 現在はBC 以外のセミナーも担当しています。品質管理の指導者としてのキャリアを歩めたのは、BC を受講したことが大きく、日科技連の方々に大変感謝しています。

4. BC 修了生へ
 「継続は力なり」です。ぜひ、BCで学んだことを実践してください。数値データならQC七つ道具やより高度な統計的手法を、言語データなら新QC 七つ道具などを、自分の組織内で活用する・使いこなせるようになることを期待しています。セミナーや書籍などを活用して、スキルアップしてください。セミナーに参加すると講師や他の受講生の視点などをヒントに、普段と違ったものの見方ができるかもしれません。実務で成果につなげられるように、「学び」を継続することをお勧めします。

 まとまりのない文章となりましたが、最後にBC 修了生として今後のさらなるご活躍をお祈りします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 
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