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QC入門コースからQCベーシックコースへのステップアップ<2017年08月04日>

 当社は、2013年からTQMを導入し始めて以降、「QC的ものの見方・考え方教育」および「QC手法の教育」を実施してきました。さらに、それらの教育の習得を確実なものにするため、60歳以上を除く社員全員がQC検定3級を取得するように取り組んでいます。
ただ、今後の社内の人財育成を考えると、「QC検定3級レベル止まりではなく、品質管理を積極的に進めていくことができる人財を育てていかなければ品質のレベルアップにはつながらない」という考えが社内で芽生えてきました。

そこで、人財育成の担当者から白羽の矢が立ったのが私でした。私は設備設計を担当しているので、設計に従事している私が品質管理を学んで意味があるのか?と疑問に思ったのが、素直な最初の想いでした。しかし、会社からの後押しもありましたので、品質管理のセミナーとして、日本科学技術連盟殿にて開催している品質管理セミナー入門コース(※以下、QC入門コース)を受けることにしました。もちろん、品質管理セミナーベーシックコース(※以下、QCベーシックコース)という選択肢もありましたが、社内には品質管理セミナーを受講したことのある人は誰もいないことと、QCベーシックコースは30日間におよぶセミナーのため、ハードルが高いと判断しました。そこで、まずは合計8日間のQC入門コースを受講するに至りました。
QC入門コースを受けたことで感じたことは大きく3つあります。

 まず一つ目は、初めて学ぶ品質管理の内容は、私の予想とは違うものでした。というのも、私の予想というのは「狭義の品質管理」を学ぶものだと思いこんでいたからです。しかし、実際に講義を受けていくと、セミナーの内容は「広義の品質管理」であり、QC手法の基本的な内容から、正規分布や検定・推定、分散分析手法など、開発・研究段階や設計段階から活用できるような内容もありました。当然、管理図や検査など、私と同じように多くの方が思い浮かべるような「狭義の品質管理」の内容も多くありました。自分の周りの多くの事象に対して品質管理の手法が活用されていることを学んだことで、品質管理の奥深さ、重要性を感じるとともに、面白さに触れることができました。

 二つ目は、QC入門コースを受講後すぐに、私はQC検定2級を受験し、無事に合格することができました。QC入門コースをしっかり聞いて理解していたので、試験勉強は苦にならずにでき、合格に至りました。社内では、これからQC検定3級を受ける社員への社内教育の担当者として選任されました。QC入門コースを受講したおかげで、例えば正規分布とその基準化については、ただ教えるのではなく「こういう身近な所に活用されているんだよ。基準化するとこんなに簡単に求めたい確率が出せるんだよ」といった感じで、少しでも興味を持ってもらえるように心がけながら教えるようにしています。これは、セミナー期間中、どの先生方からも“品質管理の面白さを知ってもらいたい”という強い想いが伝わり、自分が理解しやすかったからです。その成果が少しはあったのか、今まで何回かQC検定3級を受験していても受からなかった方々も無事に合格するようになってきており、QC入門コースを受講した成果といえると思っています。

 三つ目は、QC入門コースを受けたことで、実は私の頭の中に疑問が浮かんでいました。それは「検定・推定を学んだものの、どういう場合に活かされるのか、統計的判断をするためとは言うが、実際どういう機会に使うのだろうか」といったことでした。そんなことを疑問に思いつつ、QC入門コースを受講し終え、約7カ月が経った2016年の9月頃、ついにQCベーシックコースの受講についても白羽の矢が立ち、翌月10月からのセミナーの受講が決まりました。今思えば必然だったのだろうと思います。

とはいえ、受講が決まった時は仕事でも私事でも大変な時期でした。仕事は忙しく誰かに自分の仕事を引き継ぐこともできない、また生後間もない初めての子供に夫婦でドタバタしていたため、職場でも家でも「この半年間は試練だね」と話をした覚えがあります。
QCベーシックコースがQC入門コースと異なる点は、セミナーが始まる前からでした。セミナー申し込み後、セミナー初日までに自職場での解決したい課題や問題のテーマを掲げ、テーマの選定理由から現状把握までをレポートにまとめて持ってくる、という課題が出されたことからでした。受講前から課題が出る、ということで一味違うセミナーを受けるのだと気が引き締まったものです。

日々はあっという間に過ぎ、初めてのセミナーの一週間が始まりました。講義の進め方や講義場所などは、QC入門コースと同様でしたので、緊張感や違和感なく講義を受けることができました。そういう意味でもQC入門コースを受けたことでセミナーへの心構えができていたのは良かったと思います。

講義は大学時代を思い出させるような内容の濃いものでした。内容ごとに先生方が変わるのですが、それぞれの先生の個性が出ている講義資料や進め方をされていました。毎回毎回の講義後のアンケート結果を先生方は全て目を通し、より受講生に分かりやすい講義にするには、ということを考え、資料や進行についてPDCAを回して工夫を重ねていると聞き、さすが品質管理のセミナーだと感心しました。日科技連のQCベーシックコース担当の事務局の方々も、受講生の辛さ・気持ちを理解する必要があるという観点から、過去にQCベーシックコースを卒業されている、と聞き、その徹底ぶりに本当に感心させられました。

毎回、ひたすら講義が続くわけではありません。学んだ手法を実践で使うことを想定し、実験や体感をするためのケーススタディや限られた時間で最適な条件を見つけ出し、その結果を競いながら学ぶQCゲームなどがカリキュラムの要所要所に組み込まれています。机上の勉強だけでは覚えたつもりになっていても、実際の現場で活かせられなければ無駄になってしまうことを思えば、有用な進め方となっていました。

さらに、学んだことを本当に理解しているかの確認として、毎月セミナーの初日に行われるST(理解度テスト)が良い復習の機会になりました。勝手に小テストのようなものだと踏んでおりましたが、テスト時間は1時間あり本気のテストでした。テスト結果の分布も掲示されるので、自分が受講生の中でどのあたりにいるのかが見えるようになっており、気の抜けないテストでした。

これだけでも内容の濃い日々となるかと思いますが、週に一度、講義後の夕方から班別研究会が実施されます。ここでは、先に挙げた自職場の問題や課題解決に向けた取り組みについての報告会、および経験豊かな先生による指導が実施されます。半年間のセミナー期間中に目標を達成するため、マンツーマンでの先生のご指導は講義を受けるのとは違い、今現在抱えている自職場の課題・問題を解決に向けるためのアプローチのやり方や、セミナーで学ぶ品質管理の手法の活用を学ぶきっかけにもなり、大変有用なものだと感じました。

ちなみに、私の班は5人のメンバーで構成され、20代~50代までの幅広い年齢層、かつ異業種の方が集まった班でした。同じセミナーを受講する生徒同士、年齢も職業の垣根もなく、初めて顔を合わせた時から会話も弾み、セミナー卒業までの間、本当に親しくさせてもらいました。
この班のメンバーのおかげで、私が無事にQCベーシックコースを卒業できたと言っても過言ではありません。なぜなら、毎月出される宿題について、不明な点や分かり辛い所に対し、どう考えてどう解いたかを報告しあったり、考察について様々な議論を交わしたりもしました。自分の考察に対し、違ったアプローチの考察の仕方もあったりで宿題を進めていくのが苦ではなくなりました。過去にQCベーシックコースを受講した人が誰もいない弊社のような場合には、班の皆さんとの意見交換が非常に大きな支えになりました。
実は、今も班のメンバーとは連絡を取っており、今後も交流を続けたいと思っています。
 
QCベーシックコースを受ける前はただ辛い半年間になるのではないか。と思っていましたが、受けてみると本当に多くのことを学ぶことができ、品質管理の奥深さ、面白さを感じる機会を得られたことに感謝していますし、ここでしか会えなかっただろう異業種の方との交流も大切な機会となりました。
私に課せられた使命はその知識を活かし、会社の品質向上に役立てることと、人財育成としてQC入門コース、ならびにQCベーシックコースの受講を推進していくことだと思います。学んで終わりにせずに、学んだことをどう活かせるかを考えながら会社への貢献を果たしていきたいと思います。
最後に、今回ご指導いただきました先生方、および事務局の方々、また共に学んだ班の皆様にお礼を申し上げますとともに、この様な機会を与えていただいた会社の方々に感謝致します。
 

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Profile

     伊藤 作也 氏
    (いとう さくや)
㈱マルヤスエンジニアリング
設備設計・TQM事務局 マネージャ
2015年度 第6回 品質管理セミナー入門コース 卒業
第130回 品質管理セミナーベーシックコース
(2016年10月~2017年3月) 卒業

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