役員のための品質経営セミナー
【初・オンライン開催】
役員への品質教育の決定版!~顧客価値の創造、価値を実現するイノベーション~
講義1:経営におけるTQMの役割とその活用
中條 武志 氏(中央大学 理工学部 経営システム工学科 教授)
経営環境が大きく変わる中、持続的な成功のためには、組織として変化に迅速に対応できる能力を強化する必要があります。TQM(総合的品質管理)は、顧客・社会のニーズを満たす製品・サービスの提供を目的に、プロセスの管理・改善を、全部門・全階層の参加を得て行うことで、経営環境に適した効果的・効率的な組織運営を実現する方法です。
本講義では、TQMの原則や中核となる活動について体系的に紹介し、経営にどう活用するのがよいのかについて考えます。
企業講演1:安川電機の顧客価値創造経営
津田 純嗣 氏((株)安川電機 代表取締役会長)
「顧客価値創造」が会社をはじめとする組織の存在理由であるとドラッカーがその著書マネジメントで喝破していますが、今ではそれは品質経営の目標であり、企業価値を高める術と捉えられています。安川電機の105年の歴史を振返ってみても、事業の大きな転換点においては顧客あるいは市場を意識して方針が決定されてきました。
現在、データをベースとしたIndustrie4.0の時代あるいはデータ駆動社会のSociety5.0の時代に向かって社会が動き始めています。私どものお客様も新たな時代に向けてのビジョンの策定を進められ、新たな方針での活動を開始されようとしています。そのお客様の新たなビジョン・方針においての当社の立ち位置を、顧客との対話と試行を進める中で明確にして行きつつ、当社の事業としても進めることで、最終的にはお客様のビジョン実現に貢献することを、当社の「顧客価値創造」と新たに定義しました。顧客に向き合い、顧客のビジョン実現に向けての製品・サービスの開発を実行するための当社の改革をご紹介します。
企業講演2:企業価値向上活動~品質経営とトップの役割~
坂根 正弘 氏(株式会社小松製作所 顧問)
1950年代にコマツは本社を東京に移転、太平洋側の港の近くに工場を建設し、輸出を拡大。その後、円高で国内のモノづくりに自信を失うと、一気に海外生産を加速。まさに日本の縮図でした。21世紀に入り、私は会社の構造改革の第一歩として、モノづくりコストを工場の変動コストに絞って国際比較をし、日本の競争力が十分にあることを認識。その後、社内に説明し国内回帰に舵を切りました。一連の構造改革でV字回復が実現する中、本社機能の一部を石川に移すことで、年間7億円規模の経済効果が地域にもたらされました。2012年、私は自民党の第一回日本経済再生本部の会合では、デフレ脱却と、地方を元気にすることの重要性を強く訴えました。現在は地方創生、国家戦略特区など、政府の仕事を通してこの国の課題に挑戦しています。
特別講義:品質不正とTQM
狩野 紀昭 氏(東京理科大学名誉教授)
準備中
企業講演3:しぶとい日本のものづくりへ~組織能力向上と仕事の変革~
永田 理 氏(トヨタ自動車九州(株) 代表取締役社長)
トヨタ自動車九州はトヨタ自動車の100%出資子会社で、福岡県でレクサス車を生産しています。
自動車産業はCASEやMaaSといった大きな変革期に来ています。また、社会全体が自然災害や感染症などの苦難に直面する中で、雇用維持・経済復興に貢献する役割を果たし続けたいと願っています。
この様な変化や困難を乗り越えるために、弊社では組織能力の向上と仕事の変革に取り組んできました。
昨年のデミング賞大賞受賞後の変化を中心に、組織能力向上と仕事の変革についてご紹介します。
講義2:企業における品質経営の進め方
狩野 紀昭 氏(東京理科大学名誉教授)
TQMは、全社的努力を必要とする経営戦略の実現に役立つユニークな管理手法であり、顧客指向のISOに対して、顧客指向とともに利益確保をめざしていることを具体的にご説明します。
競合優位としての品質を、顧客の基本要求への適合・顧客満足・顧客歓喜に区分し、今日の経営における位置づけを明らかにし、TQMの仕組み・具体的な手順など、経営に役立つTQM推進の実際について、各社の事例を踏まえてお話しします。
*所属・役職は2020年4月現在のものです。