BC
96.BC修了は学びの終わりでは無く、学びのきっかけ~興味を抱く事が学ぶ意思に繋がる~<2024年05月07日>
(株)エクセディ
車 祐樹(134BC・O)
車 祐樹(134BC・O)
『BCを受講する為に、企業はコースの受講料だけでは無く、コースの受講期間中(6週間)も皆さんのお給料も支払っている。』
『それだけ企業が皆さんに投資しているのだ。だから是非講義に真摯に取り組んで頂きたい。』
私がBCを受講させて頂いた際に講師の方から頂いた言葉で、今も記憶に残っている。
政府が推し進める経済刺激策の1つとして『リスキリング』という言葉を度々耳にする。
『リスキリング』は学びなおしとも訳されるが、『時代の変化によってこれから必要とされる新たなスキルや知識を身につけさせるために行う教育』である。
また、賃上げをある一定程度行った企業に対して、法人税を優遇する様な政策にも、『人材教育に使った費用』が加味されるほどだ。
経済の活性化において教育が重視されている。
社会情勢を鑑みても、日本の終身雇用を良しとする風潮は変革を迎え、優秀な人材を積極的にヘッドハンティングする様な時代になりつつある。
メディアでも、転職支援を事業とされる企業広告を度々目にする。
『直ぐに会社を辞めてしまう様な人は根性がない』などという転職者に対するマイナスイメージを持つ企業は、今やほとんど存在しないのではないだろうか。
個人の価値を高める事と、企業の利益を高める事は相反しない。
企業は個人の教育に時間を割いたり、スキルを有する方にはそれ相応の対価を支払う。 スキルに対価が見合わなければ、優秀な人材が流出する。
これだけだと企業は一方的に損をするはずだが、それだけ教育の結果であるリターンが大きいのは言うまでも無いだろう。
個人、企業共にWin-Winの関係で利益を得れば、それを原資として社会全体の消費に繋がり、それがまた企業の収益を底上げする。
すなわち、これらの循環によって、日本で働く方々のスキルが上がる事は、日本経済を活性化する事に繋がっていく。
バタフライエフェクトかも知れないが、そこには確かな因果関係が存在する。
BCの受講費用は冒頭に記述した様に、決して安くは無い。 それでも多くの産学に支持され、毎年多くの統計的品質管理の技術者を排出している。
それ程、付加価値の高い教育と評価されているが故だろう。
BC開設以来、70年以上に渡って脈々と意思は受け継がれ、時代の潮流に適合する様に常に進化を続けている。
営利を目的とせず、産学/企業の垣根を越えて技術者を育成/排出し、社会に貢献をしてきた先人方には頭が上がらない。
BC修了生の皆さんにおかれましては、『日本の経済を活性化するのだ!』という高尚な目標意識では無く、『自身/家族の生活を豊かにする為』にと、
エゴイスティックな動機で構わないので、少しでも興味を持って貰いたい。少なくとも皆さんは幸運にもその機会を得たのだから。
BC修了は学びの終わりでは無く、学びのきっかけである。
講義の難しさにそぐわない『ベーシック』という言葉の本質はそこにあるのだと思う。
末端ではあるが教育に携わる者として、生意気ながらに思う。 興味を抱く事が学ぶ意思に繋がると私は信じる。
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