役員のための品質経営セミナー
役員への品質教育の決定版!~顧客価値の創造、価値を実現するイノベーション~
講義1:経営におけるTQMの役割とその活用
中條 武志 氏(中央大学 理工学部 ビジネスデータサイエンス学科 教授)
経営環境が大きく変わる中、持続的な成功のためには、組織として変化に迅速に対応できる能力を強化する必要があります。TQM(総合的品質管理)は、顧客・社会のニーズを満たす製品・サービスの提供を目的に、プロセスの管理・改善を、全部門・全階層の参加を得て行うことで、経営環境に適した効果的・効率的な組織運営を実現する方法です。
本講義では、TQMの原則や中核となる活動について体系的に紹介し、経営にどう活用するのがよいのかについて考えます。
企業講演1:品質経営推進におけるトップの役割・重要性
佐々木 眞一 氏((一財)日本科学技術連盟 理事長)
トヨタは創業者の豊田喜一郎が日本に自動車産業をと始めた会社で、当初はお客様にご迷惑をお掛けすることも少なくありませんでした。喜一郎は自ら故障車の現認と修理に赴きお詫びをすると共に原因の分析と改善をしました。
まさに品質経営を実践していたと言えます。今日お客様の価値観が大きく変化し車はお客様が価値を創出する為の手段となりました。車の良さだけではお客様の期待にお応えできません。お客様が価値を生み出すプロセスに寄り添い価値を共創することがこれからの品質経営となります。豊田章男会長がモビリティカンパニーになると宣言し新しい時代の品質経営に取組み始めました。その為に必要な新たな組織能力の獲得活動を紹介いたします。
企業講演2:コニカミノルタにおける品質経営の取り組み
廣田 好彦 氏(コニカミノルタ(株) DW-DX事業本部 シニア・アドバイザー)
コニカミノルタは2003年に経営統合後、両社の創業事業である写真フィルムとカメラ事業から撤退し、現在の主力事業はカラー複合機を主軸としたオフィス事業とデジタル印刷機を中心としたプロフェッショナル・プリント事業に移行しています。 しかし、コロナ影響によるリモートワークの普及やペーパーレス化の流れの中で市場は成熟しており、顧客基盤を起点とした事業変革に取り組んでいます。 その中で私は情報機器開発本部の本部長として、BM活動を取り入れた事業開発に3年間リーダーシップを発揮してきました。 このBM活動を通じて、本質的な顧客価値創造を起点に置いた事業構想とそれを実現するための組織能力強化の実践の重要性に気づきました。 品質経営を自分事として進めてきた取り組みをBM活動内容とともにご紹介し、その取り組みにおける気づきや学びを共有します。
講義2:企業における品質経営の進め方
狩野 紀昭 氏(東京理科大学名誉教授)
TQMは、全社的努力を必要とする経営戦略の実現に役立つユニークな管理手法であり、顧客指向のISOに対して、顧客指向とともに利益確保をめざしていることを具体的にご説明します。
競合優位としての品質を、顧客の基本要求への適合・顧客満足・顧客歓喜に区分し、今日の経営における位置づけを明らかにし、TQMの仕組み・具体的な手順など、経営に役立つTQM推進の実際について、各社の事例を踏まえてお話しします。
*所属・役職は2023年4月1日現在のものです。