事業詳細
研究会

第10年度 実践!信頼性・品質技術研究会(RQ研究会)

第1研究分科会 材料・部品解析分科会

主 査:
杉谷 全令
副主査:
大西 久男
委 員:
木村 忠正、平本 抽、小原田 一真

本分科会では、製品の品質保証・信頼性造り込みへ“材料・部品の解析技術”を如何に活用するかについて、参加者全員 で情報共有し全員で考えます。それは、故障の再発防止や未然防止を図るには、材料・部品レベルの解析を通して機能の発 現や劣化のメカニズムを理解することが重要だからです。

年間7回の分科会初回には参加者全員の意見を基に各回にテーマを割り付け、以降の分科会では回ごとのテーマに関連した課題や事例、質問などを持ち寄り、参加者全員で共有し意見を交換します。例えば、工程や市場で発生した不具合事例を前に、皆さんはどんなストーリー(仮説)を描き、どんな分析(検証)を選択して、その結果をどのように考察(解析)しますか。お互いが先例を学び、異なる視点での議論を通して、より多くの解析の道筋を持つことができます。もちろん今まさに解決したい問題など突発的な事例や質問は、持ち込みの都度に議論の俎上に上げます。

これまでには、突発的な問題や質問も含めて、以下の項目を取り上げてきました。

(1) 故障/劣化のモードやメカニズム
腐食、磨耗、マイグレーション、ウィスカ、光劣化、変色、アウトガス、クラック、疲労破壊、界面剥離等

(2) 解析技術/計測技術
表面観察(SEM、AFM…)、表面分析(XPS、AES、EDX…)、化学分析(FT-IR、GC-MS…)、各種物性計測等

(3) 信頼性評価方法
温湿度試験、熱衝撃試験、疲労試験、混合ガス腐食試験、耐候(光)性試験、各種再現試験等

本分科会の範疇を超える項目は、他の分科会メンバーを交えたテーマ別分科会での議論の場を用意します。

本分科会の参加者が事例や質問を持ち寄り共に考えることで、問題解決のヒントや、自身の業務課題に向き合う時の知見を得ることができます。さらに、相互に価値のある人の繋がりを得るためにも、ぜひ1枚のスライドでも1行の文章でも発信する積極的なご参加をお待ちしております。

 

第2研究分科会 部品・デバイス(電子部品)分科会

主 査:
山口 浩二
副主査:
三井 直人
委 員:
伊藤 卓也、横川 慎二、瀬戸屋 孝、柏木 謙一

本分科会は、エレクトロニクス製品に使用される部品に焦点を当てた研究分科会です。 
デバイス・電子機器・ユニット・材料の各メーカ、企業それぞれの立場から、本音で議論できるクローズドでユニークな分科会です。 
運営委員は、国内デバイスメーカ、電子機器メーカの品質・信頼性について豊富な経験を持った方々が担当し、参加されるメンバーは、設計・技術・生産・購買・品質保証・品質管理を実践している技術者の方々で構成されています。 

取り扱うテーマは、「部品・デバイスの品質・信頼性技術全般」です。

(1) 定例テーマ討論
初回に討論したいテーマを発言いただき、回ごとの主テーマを定めます。2回目以降は、そのテーマに従って、自社での取組みや事例などを発表し合う形式で討論を進めさせていただきます。内容によって、本分科会で十分に討論がしきれない場合は、テーマ別分科会や他分科会との合同討論の実施などで、柔軟に対応させていただき、幅広い討論を行います。

(2) 緊急テーマ討論
直面している電子機器や電子部品で起こっている品質・信頼性の具体的な問題を持ち寄っていただき、幅広い知見に基づき、報告書に明記されることのない真の原因や、その解釈、波及性など多角的な議論を行っています。 
事前に課題を分科会のメーリングリストで発信いただければ、参加メンバーが未公表情報を持ち寄り、活発な議論が行われます。

(3) 討論テーマのご紹介
昨年度、様々な議論を行いましたが、そのキーワードの一例をご紹介します。

●各種部品固有の品質・信頼性問題
●認定制度・生産終了品の対応方法・海外部品の採用と諸問題
●品質とコストのバランス
●信頼性試験・加速試験・ワイブルの正しい使い方

研究会は、参加いただくメンバー皆様が主人公です。議論内容を持ち寄ることによって、研究会を通じて相互理解を深め、多様な知見から問題解決力を身につけていきましょう。

第3研究分科会 機器・システム分科会

主 査:
岩下 健児
副主査:
勝田 信
委 員:
原島 瑞靖、門田 靖

本分科会は機器システムメーカの立場から、優良な製品をお客様に提供するための技術的活動です。

そもそも、システムは品質・信頼性の高い部品・材料を使えば品質・信頼性が確保されるとは限らず、また品質・信頼性が並な部品・材料からでも、高信頼性システムは構築可能です。更に先端の部品よりも旧式なリレーのほうが高信頼性であることも珍しくありません。すなわち部品の信頼性の総和を超える信頼性を達成し、いかなる巨大システムであっても、重大事故は絶対に起こさないのが、システムの信頼性技術者の醍醐味です。

対象となるシステムをどのように捉えるか?について、各種電子機器・メカトロニクス製品・住宅機器・鉄道などの産業領 域を対象とし、業界をまたがり横断的に、この高信頼性システム設計に対する課題解決や社会インフラへの影響などの議論を行う分科会であり、議論を通して、多岐にわたる分野やそれぞれの業界の知見に触れることは、参加されるメンバーの気づきとなり、メンバーの課題解決の一助となることでしょう。具体的な議論の対象は、以下に示すような信頼性技術全般を扱っており、参加メンバーが持ち寄ったテーマをもとに機器やシステム全体を対象に活発な議論を行い、課題解決の糸口を見つけてきました。 

(1) 信頼性設計など
機器やシステム全体の信頼性を維持するために、設計段階から秩然と信頼性を造り込むためのプロセスや構成部品メーカや共同開発メーカとの協業における課題。 
 
(2) 信頼性評価など
妥当性の検証として故障率や寿命を測る基本的手法や、製品開発期間短縮化の中での信頼性試験の在り方、変化するお客様の使い方、環境要件の変化などの評価条件を決めるうえでの課題。 
 
(3) 製品安全・システム安全など
信頼性や品質の延長にある製品安全問題に対しての世の中の動向や各社の取り組み方、フェールが起きても安全にかかわる重大事故に波及しないか、あるいは如何にフェールを起こさないかなど、安全設計に関する課題。

*システムとは?
「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム(ハードウェア、ソフトウェア、人間要素)の組合せ」 

第4研究分科会 品質保証分科会★

主 査:
岡本 直樹
副主査:
山下 恭幸
委 員:
木村 功

品質保証には、固有技術だけでなく品質管理手法・標準化に代表される管理技術も必要で、本分科会は、固有技術的側面 が強い他分科会に比べ、品質保証に関する考え方や組織機能に関するテーマの他に品質管理・信頼性技術の手法等の管理技術的側面のテーマを討議しています。

2019年度の参加者の皆様は、コーポレート及び事業の品質保証部門に所属されている方で、コーポレートの立場や事業 部の立場から品質保証や品質改善をテーマに、各社の取り組み事例を紹介いただきながら情報共有し、各自が持っている課題の改善の方向性を持ち帰っていただきました。

主な討議テーマは以下のとおりです。

(1) 品質保証体制/品質保証活動
品質保証は製品開発から日常管理までの各段階で各部門が行う活動です。 ISO 9001:2015や車載用のIATF 16949:2016等、第三者認証が必要なQMSの構築は勿論ですが、各社で品質 保証に関する規定を持ち、継続的改善が図られています。如何に品質保証活動のPDCAを回しスパイラルアップを 図るかをテーマに議論します。
品質保証体制(品質保証部門の組織体制や品質統制構造)、再発防止(監査・過去トラDB)、未然防止(DR・ゲート管 理等の製品保証計画)、品質不正問題、市場品質情報処理(体制・システム)

(2) 海外生産における品質管理と仕入れ先の各種変更に伴う品質問題
品質保証では欠かせない以下の手法について、上手な活用の仕方をテーマに議論します。
再発防止手法(なぜなぜ分析・FTA・過去トラDB等)、未然防止手法(設計・工程FMEA・DRBFM・SSM等)、統計 的品質管理(SQC)、信頼性技術手法(ワイブル解析等)、リスク分析手法

(3) 品質管理教育と品質技術者の育成
様々な製品が海外で生産され、かつ、自社生産以外の部品や材料を調達して、品質管理や品質保証を行っている中で、 現場で起きている問題や課題をどう解決するか、議論します。

(4) その他
品質人材育成や品質管理教育を技術伝承や人材不足というような視点で議論したら、新規事業、新規領域での品質 保証の進め方等の議論もします。

本研究会のような異業種の品質保証部門の方達が集まる研究会は少ないと思います。
「品質保証とは何ぞや」を考え、明日の品質保証のありたい姿を一緒に議論しましょう。
他社ベンチマークや技術研鑽の場として、皆様のご参加をお待ちしております。

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