Mail News Archives
 検索
   
BC-News(BC講師からのメッセージ)
BC

69.品質管理セミナーベーシックコース卒業生の皆さんへ<2023年02月10日>

パナソニック株式会社
吉川豊次(87BC・O修了)

 これは2002年のBCで卒業生からの話として講義した内容の抜粋で、SQC活用における私の心得”七ヶ条”です。当たり前の内容ですが、BC修了後に職場へ戻った時の一助になればと思います。
諸先輩方には釈迦に説法と存じますがご了承願います。

一、QCは仕事の基本 ~基礎体力~
 QCの考え方、進め方、例えば何のためにするのか始めに目的を明確にすること、PDCA、事実による判断、ばらつきの概念、問題解決のステップ等は仕事の基本になりますので、しっかりと身につけることが大事です。

一、手法は使わないと忘れる ~武器は使わないと錆びる~
 BCでいろいろな手法を体系的に学びましたが、実際に使わないと忘れてしまいます。日頃仕事で使うことは難しいかもしれませんが、今までKKDでやっていたことをデータでとってみたり、データがあればまず手法を使うようにするといいです。ただし手法を使うことが目的でないので、始めは比較する時に使ったり、改善の効果確認に使うといいです。そのうち、適用事例が増えていろいろな場面で活用できるようになります。まず使うことが大事です。

一、目的に合った手法活用 ~敵を見て武器を選べ~
 前項でデータがあればまず手法を使うと書きましたが、目的に合った手法を使わなければ何の効果もありません。そのためには、概要でいいので、たくさんの手法を知っておくことが大事です。具体的なやり方はテキストを見ればいいです。そうしていくうちに、自分の言いたいことを導き出す手法や解析する着眼点がわかってきます。最適な手法選択が大事です。

一、データは効率的に収集 ~情報はたくさん存在する~
 原因追求や改善効果を確認する際、データが必要になります。時間やコストがかかるのでデータがとれないことがありますが、新たに収集するデータ以外に既にあるデータ(商品開発時の品質評価結果等)や日常管理で収集しているデータ(工程検査データ、不良内容等)もあるので活用して下さい。

一、勿論 固有技術は重要 ~パートナーを大切に~
 分散分析や実験計画をする際は、固有技術で要因を抽出し、それらの要因について管理技術を用いて実験をおこない、実験結果から考察・判断しますが、統計的判断だけでは危険です。原理原則に矛盾がないか固有技術の観点も含め判断して下さい。

一、実践によりノウハウを身に付ける ~武器を磨く~
 皆さんはBCで学んだので知識としては十分にあり、あとは実践力の修得が必要です。そのために繰り返し活用することは前提でありますが、困った時に誰かに聞ける人脈も必要です。日科技連・大阪では毎月SQC部会という勉強会をおこなっていて、企業や大学の方々が参加し、手法活用のやり方を議論したり、品質管理の新しい情報など共有しています。自由参加ですのでお気軽に参加下さい。
またQC検定を受検することで、客観的評価で総合的な理解力を検証・確認することもいいです。武器は時代とともに進化しているので、磨き続けて下さい。

一、何といってもやっぱり使うこと ~持っている武器をフル活用~
 学んだ知識や手法は使わないと忘れるので、折角苦労して受講した研修の意味がなくなってしまいます。そのために例えばStat-Worksで直ぐに解析できる環境を整えておくこともいいです。とにかくいろいろな手法を試して下さい。

以上が私のSQC活用における心得”七ヶ条”です。
 最後にBCで学ぶことは研修名称の通り基本(ベーシック)ですので、BC修了後は日常的に使うようにして身につけて下さい。それを継続すれば、実践力が養われ、自分のモノになり、自分自身もパワーアップしていきます。一緒に頑張りましょう

 
戻る
関連記事
 
〈お問い合わせ先〉一般財団法人 日本科学技術連盟 品質経営研修センター 研修運営グループ
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 / TEL:03-5378-1213
Copyright © 2021 Union of Japanese Scientists and Engineers. All rights Reserved.