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BC-News(BC講師からのメッセージ)
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78.あのときもう少しちゃんと聞いておけば……<2023年02月19日>

拓殖大学 商学部 准教授
佐野 雅隆(108BC)

卒業生の皆さんこんにちは。108BC卒の佐野雅隆です。早稲田大学で品質マネジメントを研究している棟近研究室に所属した私は、修士課程のときに書記として受講することになりました。統計については学部時代から棟近先生と永田先生に教わっていましたので、コースの内容のほとんどは学習済みでした。研究室からは毎年複数名が参加していたこと、カルテが先生に送られるらしいということから、講義はそっちのけでSTと宿題をどう攻略するかに心血を注いでいたように思います。その割にはそこまでよい成績ではなかったので恥ずかしい限りです。

コース卒業後しばらくして、STや宿題の問題作成にかかわり、卒業生の皆さんとの議論を通じて問題解決のストーリーと統計手法の習得を両立させることの難しさを学びました。班別研究会を担当させていただいた後には、ベテラン講師の指導のもと、講義を担当することになりました。

初めての講義をしながら、改めて思ったことがあります。習ってわかったということと人に教えられるようになることや使えるようになることとのギャップが大きいことは、経営工学を勉強してきたためによくわかっていたはずなのですが、話をするだけで精一杯で、計画した内容を終えることもできず、質問に満足に答えることができませんでした。

それ以降も機会に恵まれ、大学での経験も積んできましたが、質問をいただくたびに不勉強を実感します。いただく質問は、数理的に細かい話であるとか、問題解決の場面で出会いそうなポイントとなる部分だとか、受講生の背景によって様々です。宿題演習や講義の際にご質問いただくたびに、先生方がわかりやすく解説していたおぼろげな記憶がよみがえります。詳細を忘れてしまっているので、実際にはしどろもどろお答えするのですが、もう少しちゃんと聞いておけばよかったなぁと思っています。

卒業してすぐの皆さんも、しばらくたった方も、何らかの形で社内での品質管理教育に携わっておられることかと思いますが、冷や汗をかくと身につくと言った点では共感いただけるのではないかと思います。
大学でもオンラインを中心として教育が展開される中で、どのように効果をあげるか試行錯誤しています。先日、宿題演習で先生方や受講生の皆さんの質疑応答に参加しましたが、あのときの緊張感のまま、またいつも以上に活発な議論がなされていました。一方で、講義の合間の時間や班別で聞いていた何気ないやりとりが理解を助けていたと実感しています。大学教育の中でも、やりとりできる場を意識的に作ることがこれまで以上に重要になっていると思います。あのとき聞いておけばと思い出したことを機に、みなさんのお仕事の中でいま聞いてもらうための工夫があれば、お聞かせいただければ幸いです。 

 
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