日本品質奨励賞のご案内

ご挨拶

日本科学技術連盟は、1946年に創立以来、品質管理を中心とする経営管理技術の研究開発と普及発展に尽力してまいりました。今日、わが国の製品品質が世界的に高い評価を得てきておりますことは、当連盟の永年の事業の成果が些かなりともお役に立ててきたからではないかと思っております。
しかしながら、ここ最近では、産業競争力がモノ造りの力だけでは計れない時代となりました。その結果、日本の国際競争力は低下してきていると言わざるを得ません。加えて新型コロナウイルスの流行や、地球温暖化に伴う気候変動や異常気象の発生、DXに代表される科学技術の急激な進化など、将来予測が難しく刻々と移り変わる厳しい環境下において、我が国が世界と戦い、産業競争力を高めていくためには、高付加価値の新たなビジネスモデルを生み出すイノベーション力の向上と共に、一人ひとりの労働生産性の向上が不可欠であります。

TQMは、顧客の要求に合った価値創出を合理的かつ組織的に行うための色々な手法、理論の総称ですが、これを世界的なレベルに向上させていくことによって企業の未来が開けてくるといっても過言ではないでしょう。
社会やお客様のニーズの変化、高度化を常に先取りし、その満足度向上を図る品質経営を支えるためには、TQMを経営TOPから第一線の職場担当者まで全員が一丸となって取り組むことが必要です。
TQMは単なる生産管理技術ではなく、活力ある企業づくりに極めて有効なマネジメント・ツールであります。品質マネジメントシステムの国際規格 ISO 9001が2015年に改訂されましたが、その内容はTQMの精神を汲み取り。大幅にその良い方法論を取り込んだものです。

日本品質奨励賞は、わが国の産業の現状を踏まえ、この賞に挑戦することにより、厳しい国際競争に勝ち抜く優れた企業を輩出することを狙いとして、当連盟の創立50周年を記念して2000年に創設したものであります。特にわが国のTQM活動の裾野を一段と広げると共にデミング賞挑戦への一里塚として位置づけておりますことから、製造業のみならず、あらゆる産業分野の企業競争力の強化、知的生産性の向上、高品質製品の開発など、多くの企業がエクセレント・カンパニーを目指して、日本品質奨励賞に挑戦されることを期待しております。

一般財団法人 日本科学技術連盟
理事長 佐々木 眞一

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