よくある質問
QFD(品質機能展開)
QFD(品質機能展開)について 既存製品の改良で品質表を書いてみることは意味のあることか。
世の中で新製品と呼ばれているものの多くが、既存製品の改良である。現状、品質展開を適用したケースの多くは、既存製品の改良についてであり、品質表を作成することが目的ではなく、作成した品質表を活用して、既存改良型の新製品を短期間に開発することが品質展開の目的である。
新規開発型の商品の場合、現状ではどのように顧客から要求を収集すべきかという方法が明確ではない。むしろ既存商品に対する要求を細分化し、再統合する過程で新しい発想が生まれる可能性があり、既存の知識を活用することによる新製品開発を考えている。[1]
QFD(品質機能展開)について 原始情報から要求品質への変換の真の目的は何か。
ユーザの生の要求から、表面に現われていない裏にある真の要求を引き出すことが目的である。ユーザの生の要求表現は、クレーム情報のようにネガティブ的表現が多いため、ネガティブ的表現をポジティブな表現にする必要があり、また、一つのデータから複数の要求を引き出し、情報量を拡大するという目的もある。この原始情報から要求品質に変換するステップは、品質展開における最大のポイントであり、品質展開の成否のカギを握っているポイントである。顧客の要求が仕様書などにより、特性値が要求されている場合も、何故要求されるスペックが必要であるかを吟味し、真の要求品質を見出す必要がある。そして、真の要求品質を満足させるために、特性値はどのような値でなくてはならないのかを考え、設計品質を設定する必要がある。[1]
QFD(品質機能展開)について プロジェクトの達成プロセスについて、プロジェクト・メンバー間の認識のずれを修正するため、ミーティングを繰り返すことがあります。業務の目的・目標を共有することの他、認識のずれを起こさないための良い方法はないでしょうか。
日々の業務の中で、仕事を与えた側と受けた側の意思疎通の難しさを経験された方は、多数おられることと思います。それは、「同じものを見ているから」「同じ情報に触れているから」「同じことばを使っているから」といって、同じ認識とは限らないからです。
多くの情報は“翻訳”して理解する“場”を経ないと、「共通認識」となりません。 共通認識に達するためには、情報を共有したうえで対話の“場” をつくり、そこで、適切なことばを使って相互の認識の差異を無くし、目的を達成するための検討プロセスそのものを共有することが重要なのです。
この、適切なことばを使った目的達成プロセスを実践するのに有効なツールが“業務機能を展開する”という考え方、アプローチです。「業務目標の展開」、「その達成に必要な業務機能の展開」を行い、業務全体を俯瞰したうえで、どの業務が目標達成のために重要かについて、関係者間でしっかりと共有してベクトルを合わせて活動することが重要です。
QFD(品質機能展開)について 品質機能展開(QFD:Quality Function Deployment)の考え方の一つに、「業務機能展開」というものがあると聞きました。QFDといえば新製品開発に使われる手法という認識でしたが、「業務機能展開」は品質マネジメントシステムの運用にも効果的であると聞きました。 「業務機能展開」とはどのようなものなのでしょうか。
QFDは、「品質展開」と「業務機能展開」の総称です。「品質展開」は顧客の要求する商品の品質を明らかにして生産・サービス提供面の留意点などを明確にします。また、「業務機能展開」は企画・設計・購買・生産・サービスなどの各業務機能別に品質を確保する「仕組み」を明確にします。
この「業務機能展開」を活用することで業務を可視化することができます。
業務機能の展開は、「品質を形成する職能ないし業務を目的・手段の系列で、ステップ別に細部に展開していくこと」と定義されています。
品質を形成する職能とは、企画・設計・購買・生産・サービスなどの各業務機能(職能)のことです。これらの職能ごとにその業務の目的・手段を系列化して、ステップ別に細部に展開して具体化していくことで、品質を確保する「業務機能の仕組み」と業務実施の手順を明確にして可視化(記述)してゆきます。
業務機能の展開は、次のように進めます。
1)業務機能は名詞(対象)と動詞(作用)を用いて表現する
2)業務機能の細部への展開は対象を展開した後、作用を展開する
3)顧客満足(CS)を向上するために重要な業務機能を明確にする
4)重要な業務機能については作業マニュアル(作業手順書)を作成する
5)顧客期待の業務レベルを確保するための注意点・ポイントを明確にする
6)作業マニュアルは単位作業業務のレベルで作成する
QFDの、品質マネジメントシステムへの活用については、『Q9025マネジメントシステムのパフォーマンス改善ー品質機能展開の指針』にまとめられています。