よくある質問

商品企画(P7)関連

Q.

商品企画(P7関連)について  お客様から情報を集める手法として「インタビュー調査」と「アンケート調査」というものがあると聞きましたが、何が違うのですか?

A.

たしかに「お客様から情報を集める」という意味では同じかもしれませんが、これらはそのアプローチ方法や得られる効果が違います。

インタビュー調査とは、お客様個人やあるいは少人数のグループに対して、たとえばある商品の日常的な使用方法や、意見・要望などを対面形式で聞いていく物です。インタビュアーが直接質問をしますので、知りたいことに対してより具体的な話が聞くことができますし、特にグループでのインタビューの場などでは、あえて多少の脱線を許すことで思ってもみなかった意見が集められることもあります。しかし、その特性上、一度に多数の意見を集めることができないという点や、インタビュアーに質問の仕方や回答の引き出し方、答えやすい雰囲気作りなどのファシリテーション技能が必要となるなど、制約条件も存在します。

対してアンケート調査とは、特定の質問項目や選択肢を書いたアンケート用紙(近年ではウェブベースのアンケート方法もあります)を事前に用意して、多数の人に回答してもらい、その結果を集計することでお客様の意見を集めるやり方です。こちらはインタビュー調査に比べて多数の人の意見を聞くことができるというメリットがありますが、逆に事前に設定した質問項目についてしか聞くことができず、また意見の深掘りができない、というデメリットも存在します。また、アンケート調査票の作成の仕方が意外と難しい、という課題もあります。一見、アンケート調査票としてきちんと出来ているように思えても、ちょっとした設問の表現方法や選択肢の設定の仕方によって、知らぬ間に回答者の意識を誘導してしまって結果に偏りが出たり、誤解を与えて有効なデータが集められなかったり、というケースも存在します。

いずれにせよ、インタビュー調査とアンケート調査、ともに長所と短所、向き不向きがあります。例えばインタビュー調査で傾向を深掘りして、アンケート調査でその調査結果を広く検証するなど、集めたい情報の内容によってうまく使い分けたり、あるいは双方を組み合わせたりして活用していくことが求められます。

Q.

商品企画(P7関連)について  アンケート調査等を行って商品企画に「顧客の声」を活かそうと考えていますが、なかなか画期的な企画につながりません。何かコツはありますか?

A.

たしかに顧客の声は重要なファクターです。そのため、顧客の声を「神の声」のごとく扱ってしまう場合がありますが、顧客の声はあくまで「人の声」であることを注意しておく必要があります。

まず意識しておくべき事は、顧客は商品企画をしようとして声を発しているのではなく「聞かれた事に対して意見を述べているにすぎない」ということです。商品への意見を求められたとき、一般の回答者(消費者)は、自分がその商品に対して持っているイメージや先入観の延長線上でものごとを考え、回答します。例えば、携帯電話について聞かれれば「もっと軽い方が良い」とか「カラーバリエーションがほしい」などの回答は得られますが、そこから一気にスマートフォンの企画につながるような、画期的な意見はそうそう簡単に出てくるものではない、ということです。

もちろん、既存製品の強化のための調査ならそれで十分だと思いますが、もし今までにない画期的な新製品の「タネ」を探すために調査をしているなら、それでは不十分かと思います。

もし、そういった画期的な新製品の企画を考えているなら、一つは質問の仕方を変えて商品の使用シーンについて深掘りをしたり、顧客の行動観察をしたり、といったことを通して顧客の声の後ろにある「なにか」を探り当てること、もう一つはやはり、あくまで「企画者」が企画の“オーナー”になって、上記のような背景情報を基に発想の転換をはかることが求められるのではないかと思います。

Q.

商品企画(P7関連)について  顧客の声を分析していますが、調査結果が毎回同じような傾向になるので、必然的に似たような企画の再生産になってしまいます。どうすれば良いでしょうか。

A.

顧客の声の元になる「母集団」はどうなっているでしょうか? お得意様の顧客層ということで、そういった人たちばかりから意見を集めると、必然、集まってくる答えも「かたより」を持つ物になってしまいます。

たとえば平日昼間、専業主婦層を対象に洗剤のインタビューを実施したとします。当然、既存のメインユーザーの意見は集まるでしょうが、その場では、昼間に働いている兼業主婦の意見は入ってきません。夜中に洗濯するからこうしてほしい、とか、休日にまとめて洗うのにこうなっていると便利、といった意見は集まらない訳です。

企画のねらいとして、既存の顧客層への商品強化を考えているならそれでも良いと思います。しかし、もし既存の延長線上の企画ではなく、例えば新規市場をねらった新商品企画など、なんらかの「広がり」を考えているのなら、調査をする対象をもう一度見直してみる必要があります。既存の層「だけ」にしか意見を聞いていないなら、既存顧客「以外」の、「まだお客様ではない、しかしこれからお客様になりそうな層」にも関心をはらうことで、新しいニーズ、新しい使用シーンが見つかるかもしれません。

Q.

商品企画(P7関連)について  アイデアを出すのに発想法を用いていますが、同じメンバーで何回か企画会議を繰り返すと、結局は前にも聞いたようなアイデアになってしまいます。

A.

発想法は有効なツールですが、あくまでそのアイデアを生成しているのは人間の頭、思考です。言い換えれば、たしかに発想法はその思考を拡張しますが、同時にどうしてもその発想者の思考の傾向・好みに左右されてしまう=発想の方向性が出てしまうのも事実です。

もし発想の幅を広げたいなら、その自分の持つ傾向を意識してあえて変えてみるのも一つの手です。たとえば、アイデアの質の善し悪しは別にしてとにかく発想を書き出してみて、その上で「他のメンバーの出した」「最悪な」発想に乗っかってみる。あるいは、あえて「自分の好みではない」方向で発想してみる。あるいは「もし自分が○○だったら」という仮定をして発想してみる。この「○○」は何でもかまいません。社内の別の人でもいいですし、好きな映画俳優でも、あるいはシチュエーション・役割(もし自分が某国のスパイだったら)でもかまいません。そのときには、子供の「ごっこ遊び」のごとく、できるだけその役になりきるとより良いでしょう。そのまま使えるかどうかは別ですが、いつもとは違った視点での発想ができるのではないでしょうか。

また、発想法以前に、企画対象についてそれぞれが持っている「先入観」が発想の幅を狭めてしまっている場合もあります。この場合は、まずはその先入観を捨ててアプローチする必要があります。 
このように、発想法だけに頼るのではなく、その発想法の使い方に一つスパイスを加えることで、少なからず発想がリフレッシュされると思います。

Q.

商品企画(P7関連)について  「先入観を捨てろ」と言われても、具体的にどうやったら良いのか分かりません。

A.

「発想すること」を「鉄砲を撃つこと」に例えます。既存の考え方では真正面にしか撃てなかったものを、発想法を使うことで、左右に角度を広げて撃てるようになります。しかし、あくまで鉄砲を撃つ角度を「左右に広げる」だけであり、なかなか射手の「立つ位置」までは変わらないものです。この「立つ位置」こそが、人の「先入観」です。先入観を捨てる=撃つ位置まで変えてしまうことで、弾の飛び方の可能性は無限の広がりを見せます。

ではその先入観の正体とは何なのかというと、それはものの「定義」だと言えます。そしてその「定義」は無意識的な「言葉」の集合によって形作られています。もし、先入観にとらわれずに発想したいと考えるなら、その発想の対象となるものの定義を意識してみると良いかと思います。

これはあくまで一つの方法ですが、上記の考え方で行くなら、例えば自分が思う『アイスクリーム』を定義づける言葉の集まり?乳製品で、甘くて、冷たくて、カップやコーンに入っていて、柔らかくて、暑いときに食べたくなる、コンビニで買える、100円くらいの、食べ物?を書き出し、定義が成り立つ最低限の言葉にふるい落としてみたり、あるいはあえて定義を壊してみたりすることで、今までは考えつかなかった視点で見られるようになるかと思います。

Q.

商品企画(P7関連)について  商品企画を進めるに当たって、自社製品と競合他社の製品の比較をしたいと考えています。どのような方法があるでしょうか?

A.

一つは、それぞれの製品のスペックなどを一覧表にして比べる方法があります。パソコンなどのカタログの後ろの方を見ると、掲載製品のスペック一覧が載っていますが、あのようなイメージです。どのような項目が勝っていて、どのような項目が劣っているのか一つずつ比較することができます。ただ、この方法だと項目や製品が多いと比較しにくい点があります。

もう一つの方法は、製品のマップを作成してみることです(「ポジショニング分析」という方法です)。まず、四角を描いて、その縦軸・横軸に、重要と思われる指標を付けます。仮にパソコンの商品企画をしているとして、縦軸に「画面の大きさ」、横軸に「可搬性」を置いたとします。その縦横の交点に、製品をポイントしていきます。デスクトップパソコンのように画面が大きいけど持ち運べないようなものは左上に集まるでしょうし、逆にモバイルノートは右下に集まってくるでしょう。その中で、どの部分にどのような製品があるのか、自社の得意分野、他社の得意分野は何か、手薄な部分や未開拓の部分はないか、などを見ていきます。この方法だと、製品スペックなど全てを比較することはできませんが、重要な項目の位置関係について、視覚的に把握することができます。

なお、例では「画面の大きさ=大小」で軸を取りましたが、他にも「機能重視←→デザイン重視」など、対比される項目を軸の両極に取るやり方もあります。

ただし、いずれにおいても、製品をポイントする際に、自分たち企画者の認識と、実際に商品を買う人の認識にずれがでないように注意する必要があります。自分たちにとっては高機能な製品であっても、買う人にその高機能さが認識されていなかったり、あるいは特に必要な機能だと思われていなかったりすると、分析結果と現実の間に差が出てしまい、正しく商品企画に反映することができなくなってしまいます。

Q.

商品企画(P7関連)について  新しい商品を企画しており、ほぼ企画の概要がまとまってきました。しかし、具体的な仕様を決めようとすると、選択肢が多すぎて何が最適なのか決めきれません。

A.

商品企画を進めていく上で、軸となるアイデアは決まっているものの、具体的な仕様をどのようにして決めていくべきか迷ってしまう、ということはあると思います。言い換えると、商品のさまざまな機能(属性)とその選択肢(水準)の値や、それらの組み合わせをどうするか、という課題です。

そのような時には、商品候補の具体的な組み合わせのサンプルをお客様に提示し、意見を集めてみるのが有効な決め手となります。しかし、実際には、多数の機能の有無や性能の高低、色やサイズの違い、価格設定の高低などの複数の要素の組み合わせになりますから、その組み合わせ候補は膨大な数になってしまいます。たとえばパソコンの商品企画をしていたと仮定すると、決めるべき仕様として、ハードディスクの容量(2種類)、付属ソフトの有無(2種類)、液晶画面の大きさ(3種類)、大きさ(2種類)、重さ(3種類)、3つの付加機能の有無(3×2)、色の候補(5種類)、価格設定(2種類)があるとすると、2×2×3×2×3×6×5×2=4320通りの組み合わせが出来てしまいます。それら全てのサンプルを用意することも、またそれら全てをお客様に比較検討してもらうことも現実的ではありません。

こういった問題を解決するのが統計的な手法です。統計とは、膨大なデータを交通整理し、その中から有効な情報を引き出すための方法です。たとえばコンジョイント分析という手法を使うと、上記のように膨大な総組み合わせ数になってしまう場合でも、その中のいくつかの組み合わせを抜き出してお客様に比較検討してもらい、その結果を解析することで、どのような組み合わせ方が最適なのか結論を導き出すことが可能となります。

Q.

商品企画(P7関連)について  商品の企画をしても、製品設計などの段階で「ずれ」が出てきてしまい、結局はこちらが思ったような製品になりません。

A.

商品企画したときのコンセプトやねらいの設定と、実際のものづくり――設計開発や製造の技術的な側面の整合をどう取っていくか、という話かと思います。もちろん、商品企画の段階で決まった内容でも、実際には技術的に実現が難しいというケースもあるかと思いますが、技術的には可能なはずなのに、どこかで何かがかみ合っていなくて製品に反映されていない、というケースもあるかと思います。もちろん、商品企画と設計開発の部隊の間でコミュニケーションを取っていくことも重要ですが、ただ話し合いをすればどうにかなる問題でもありません。そのすれちがいの原因は、それぞれの「言葉」にあります。

商品企画は商品企画の言葉で、技術は技術の言葉で考え、仕事をしています。具体的には、商品企画では「お客様のこういったニーズを」という事を話し、技術は「こういった機能や機構、特性値で」という事を話します。そのお客様のニーズを、どういった機能で実現するのか、といった点が対応づけされていないのです。これではうまくかみ合う訳がありません。商品企画と技術、それぞれの言葉を「翻訳」し、橋渡ししてやる必要があります。

主に品質保証の分野で用いられる手法に「品質機能展開(QFD)」という物があります。これは、お客様のニーズなどの抽象的な項目を、機能や特性値、仕様などの具体的・技術的な項目と対比させ、置き換えていくことのできる手法です。

商品企画と設計開発、それぞれの立場や仕事を尊重することはもちろんですが、その中でこういった手法を活用することにより、お互いに共通の言葉、共通の認識を形成し、仕事をやりやすくしていくことができると思います。

Q.

商品企画(P7関連)について  ビッグデータが注目されていますが、商品企画に有効ですか?

A.

使い方によってはとても効果的です。ビッグデータとは、文字通り、膨大な種類と量のデータの集まりのことを指します。たとえば購入者の年齢や性別と言った属性情報から、購入した商品、地域や時間など、いろいろな情報が含まれます。それら多彩な“軸”どうしを掛け合わせて解析することで、今まで気づかなかったような傾向、要素同士の相関関係などを知ったり、より精細な予測を立てたりすることができます。

マーケティングの世界で有名な話に「ビールとおむつ」の話があります。あるスーパーマーケットでの売り上げデータを解析していたところ、ビールとおむつという、一見まったく関係のなさそうな商品どうしの売り上げに相関がみられる、という結果が出ました。これはいったいどういうことか、と調査をしたところ、子育て世代の若い人が買い物に来た時に、自分のビールと幼い子供のおむつを同時に購入していた、ということでした。そのスーパーマーケットでは、ビール売り場とおむつ売り場を隣接させたところ、売り上げが向上したそうです。

しかし、ビッグデータがあれば、誰もが簡単にヒットを出せるのか、というとそうではありません。それが冒頭で「使い方によっては」と言った理由です。ビッグデータといえども万能の魔法の杖ではありません。欠点や制約条件もありますし、また使い方を間違えれば、当然間違った結果が出てきます。ビッグデータを使いこなすには、データを正しく扱い、適切な解析ができる能力が必要になります。

Q.

商品企画(P7関連)について  ビッグデータの欠点とはなんですか?

A.

たしかに近年、「ビッグデータ」が注目されています。いまや、経済雑誌の特 集など、そのキーワードを目にしない日はないくらいです。しかし、新時代の救世主みたいに言われているビッグデータですが、実は万能ではありません。いくつか注意すべき点があります。

 一つ目は、データはあくまで行動の結果を示しているだけであり、その後ろにある思考・意図は示してくれないことです。これはデータの大小にかかわらず共通です。仮にA製品とB製品の売り上げに相関がみられたとしても、そこに有用な「何か」があるかどうかは、コンピュータは判断してはくれません。最終的には、そこは人が判断しなくてはならないのです。しかも、データが大きすぎると、無関係な解析結果がたくさん出てきてしまい、逆に惑わされる結果にもなりかねません。

 二つ目は、データ量が多すぎて手におえない場合があることです。もちろん、どんなデータも適正に処理すれば有効活用できます。しかし、その処理に必要なデータサイエンティストと呼ばれる人たちが絶対的に不足しているのが現状です。そのため、データを集めたはいいけども、どう扱ったらよいのか分からなくて放置されている、等と言うケースも散見されます。

 三つ目は、データを集めるのもタダではない、ということです。ビッグデータと言われるほどの情報を集めるには、それなりのインフラやしかけが必要です。あるいはデータを購入する必要があります。解析システムを導入している大企業や、情報処理の専門家がいるような企業ならともかく、何も知らない企業が取りあえず試しに活用してみる、という訳には行かなさそうです。

さらにダメ押しでもう一つ。自分たちが解析しているビッグデータは、同じようなデータを競合他社でも解析している可能性がある、ということです。いかに大量のデータを持っていたとしても、通り一遍の解析をして結果を出しただけでは、結局のところ競合も同じような結果を得て、同じような打ち手を出してくる可能性があります。確かに、データ解析的には正解です。しかし、それではビジネス的には不正解なのです。そこで差をつけるには、解析のアプローチの工夫、解析者の手腕が必要になります。 
ビッグデータは確かに革新的なものです。しかし同時に、その使い方を注意する必要があるもの事実なのです。

Q.

商品企画(P7関連)について  ビッグデータが使えなければ、ヒットする商品は作れないのですか?

A.

ビッグデータが使えなくても、ヒットする商品は作れます。ビッグデータが使え ない事を嘆くより、手に入るデータを有効活用していかに有用な情報を引き出すか、 を考えた方が建設的です。 

確かに、ビッグデータはうまく扱うことができれば、新しいビジネスにつながる情報や、今まで気づかなかった斬新な顧客サービスを提供するきっかけをつかむことができます。しかし、だからと言ってビッグデータがなければ話にならない、という訳ではありません。 

 「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」とは有名な言ですが、この場合はそれが当てはまります。「ビッグなデータがないなら、手に入るスモールなデータをどのようにして最大限活用するか」を考えるべきです。 

少なくとも、統計学の世界には、限られた量のデータからでも、全体を推測したり、有用な情報を引き出したりする手法がそろっています。逆に、本来はそちらの方が得意分野なのです。そういった手法を用いて、顧客に訴えかける商品を作ることは十分に可能だと思われます。

逆に、無理してビッグデータを使って、大きすぎるデータ、無関係な解析結果に惑わされるくらいなら、初めから仮説を絞り込んで小さなデータを活用した方が、よほど成果につながる仕事ができるはずです。

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