著者らが所属する企業では、製品の機能や品質を効率的に精度良く評価する試験方法として、様々なノイズ(外乱、内乱)を直行表や多元配置に割付けて実施するHarry法(Hardware test method by almost orthogonal array)と呼ぶ手法を開発しています。
従来は、各種ノイズの単一レベルをそれぞれ組合せた「点」による評価法を実施してきましたが、Harry法は各種ノイズの複数レベルを直交表や多元配置により割りつける「空間枠」評価方法を採用しています。この方法によれば、「点」による評価のように、その都度トラブルの抽出と改善といったもぐら叩きのような悪循環には陥り難く、多次元的に広がるノイズに対しトラブルの抽出力に優れているため、高い信憑性のある結果が得られます。
本報文は複写機定着装置の紙しわ問題を対象とし、温度加速とHarry法を組み合わせて寿命を推定しました。本手法は応用範囲が広く、使い方によっては実用的に非常に有効であると考えられるので、推奨報文賞として選定します。