② 成果 14 ©JUSE ISO Center 取得動機と継続理由 取得動機はそのまま継続理由としても引き継がれている。それぞれの動機をあげている組織は、同じものを継続理由としてもあげる傾向を示している。 また、「取引先からの要求」を動機としてあげる組織は「自社MSの整備」と「社員の教育訓練・力量向上」を継続理由としてはあげない傾向を示している。「自社MSの整備」、「社員の教育訓練・力量向上」、「自社の経営向上」を動機とする組織は「取引先からの要求」を継続理由としてあげない傾向も示されている。社外的な要因からのISO運用と、社会的な要因に基づく運用とを切り離して考えている傾向を示すものと思われる(付属資料1参照)。このことは、「取引先からの要求」以外の取得動機と継続理由との間では、多くのプラスの関係性が示されていることからも推察される。 認証取得効果 認証取得効果としては、継続理由から推測されるが、「社員教育」(かなり出た20.6%、多少出た66.8%)での効果が最も高い。これに「リスク低減」(かなり出た21.0%、多少出た64.6%)が続く。ISOではリスクマネジメントがますます重視されてきているが、リスクを低減させるという視点からは、その成果が出ているようである。 これに比べると、事業成果に直接的に結び付く「効率化」(かなり出た11.6%、多少出た64.0%)と「利益向上」(かなり出た9.8%、多少出た53.4%)では、相対的に成果が低いことになっている。とはいえ、ともに5割以上の組織が効果を認めていることも指摘されるべきであろう。
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