事業詳細

推奨報文賞・奨励報文賞

第43回(2014年度) 信頼性・保全性シンポジウム 推奨報文賞・奨励報文賞・特別賞の紹介

去る2013年7月2日~3日に開催された第43回信頼性・保全性シンポジウムにおける推奨報文賞・奨励報文賞・特別賞が、2013年10月8日の組織委員会で決定されましたのでご報告します。 なお、表彰式は2014年7月10日~11日に開催予定の第44回信頼性・保全性シンポジウムにおいて、執り行う予定でございます。

鈴木 和幸 電気通信大学大学院 教授
第43回信頼性・保全性シンポジウム報文小委員会委員長

推奨報文制度の目的と選考方法

 本表彰制度は、研究発表者のインセンティブを喚起するとともに、一般参加者には推奨報文の推薦を通して本シンポジウムへ積極的に参画していただくことをねらいとしています。これにより、報文を含む発表内容の質の向上が期待され、本シンポジウムの発展に役立つと考えています。
 本シンポジウムは、企業の第一線で活躍されている研究者や技術者の方々が現実的に重要な信頼性、保全性さらにヒューマンエラー防止など安全性にかかわる問題を解決していくための知見を共有する場でもあるという特長をもっています。すなわち、発表者と参加者との討論により、問題点を整理し、得られた知見をより体系化し、知識の共有化を図ることを目的としています。
 このようなねらいと背景から、参加者全ての方々に幅広く推奨報文の推薦をお願いし、これに基づいて選考を進めています。本年も参加者の皆様の多様な視点から、多くの報文の推薦をいただきました。推薦された全ての報文について、慎重に審議し、下記に示す報文3件を「推奨報文賞」として選定しました。

【推奨報文賞】(発表番号、所属は発表時のものです)

1)Session 2-1
報文名:等価時間サンプリング手法を用いたPower MOSFETにおけるUIS熱応答測定
著 者:○遠藤 幸一1)、菅野 和明1)、長峰 真嗣1)、藤原 健志1)、吉井 一郎2)、長友 俊信2)、藤巻 智3)
所 属:1)(株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社 2)DCGシステムズ(株) 3)(株)カズテクニカ

2)Session 3-3
報文名:R-Map手法を用いた日本及び米国の一般製品リコールのリスク評価 著 者:藤原 俊明
所 属:損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)

3)Session 8-1
報文名:SQCとCAEの併用によるトラックキャブの最適ボデー構造の検討
著 者:○石灰 伸好1)、山本 渉2)、鈴木 和幸2)
所 属:1)日野自動車(株)、2)電気通信大学大学院

 一般投票では灯のあたりにくい専門分野や理論的な研究について、今後の信頼性・保全性の研究や発展を期待して奨励報文制度も設けています。今年度は下記に示す報文1件を「奨励報文賞」として選考しました。

【奨励報文賞】(発表番号、所属は発表時のものです)

1)Session 9-4
報文名:ライフサイクルコスト分析による電柱仕様と運用の最適化
著 者:○小林 奨、瀧澤 大輔、阿多 淳子、吉田 幸三、浦島 佳弘、井浪 保高、岡村 教孝、松田 守史
所 属:関西電力(株)

 特別賞は2004年度から新設されたもので、その内容が学術的または労力的見地から表彰に値する発表、または啓蒙的であって参加者にとって有益と判断された発表を対象にしています。
 今回は、発表内容が啓蒙的で、参加者にとって大いに有益であると判断される報文1件を「特別賞」として選定しました。なお、一般参加者からの投票結果も高かったことを申し添えておきます。

【特別賞】(発表番号、所属は発表時のものです)

1)Session 4-2
報文名:信頼性と安全性の融合化
著 者:柴田 義文
所 属:安信経営工学研究所

―推奨報文賞・奨励報文賞・特別賞の選定理由― 以下に、推奨報文賞、奨励報文賞・特別賞の選定理由を記します(○印は発表者、Session番号順)。

推奨報文賞・奨励報文賞の選定理由

以下に、推奨報文賞、奨励報文賞の選定理由を記します(○印は発表者、Session番号順)。

推奨報文賞1
報文名:等価時間サンプリング手法を用いたPower MOSFETにおけるUIS熱応答測定
著 者:○遠藤 幸一1)、菅野 和明1)、長峰 真嗣1)、藤原 健志1)
吉井 一郎2)、長友 俊信2)、藤巻 智3)
所 属:1)(株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社 2)DCGシステムズ(株) 3)(株)カズテクニカ

選定理由:
 Powerデバイスの破壊の解析には、当該箇所が既に溶融しているケースなど、容易に解析できないケースが多い。破壊の根本原因の特定のため、特に非破壊での解析手法の確立が望まれている。Powerデバイスの非破壊での熱解析の手法として、ロック・イン・サーマル(LIT)解析が知られるが、局所的なこと、データの転送速度などの制約から高速熱応答が難しいといった問題があったが、本報告では、LIT解析装置に、等価時間サンプリングが可能なようにソフトを追加、また、得られた各結果を合成することで、全体の熱応答を観察できるようにしたもので、制約の多い従来の解析方法の欠点を、工夫を以て、範囲を拡張したものである。本報告の試みは、画期的であり、今後の非破壊解析の技術への貢献も大いに期待されること、また、複数の実デバイスでの、検証もなされており、論文としての完成度も高いと考えられることから、本発表を推奨報文賞として選定しました。

推奨報文賞2
報文名:R-Map手法を用いた日本及び米国の一般製品リコールのリスク評価
著 者:藤原 俊明
所 属:損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)

選定理由:
 リコールは日本の他、米国、欧州を初めとする海外諸国でも実施されている。本発表では日本と米国のリコール製品に関する情報を分析することにより日本のリコールの特徴や米国に製品を輸出する日本の事業者が注意すべき点を明らかにしている。日米のリコールの特徴の比較を行う際にはR-Mapを用いたリスク評価を行っている。さらに、米国のリコール文書についてテキストマイニングと多次元尺度構成法を用いることによりリコール事例の可視化を行い、クラスター分析を通してリコール事例の特徴を分析している。  リコールに関する調査や研究は数多いが、本発表のように統計的手法を駆使して得られた定量的な結果をベースにした考察はそれほど多くない。また、R-Mapを用いた分析では日米のデータの違いという問題を上手く解決するための工夫も施されており、単に既存手法をそのまま用いるのではなく、著者なりのオリジナルのアイディアが随所に見られる。以上の点を評価し、本発表を推奨報文賞として選定しました。

推奨報文賞3
報文名:SQCとCAEの併用によるトラックキャブの最適ボデー構造の検討
著 者:○石灰 伸好1)、山本 渉2)、鈴木 和幸2)
所 属:1)日野自動車(株)、2)電気通信大学大学院

選定理由:
 昨今、全てのトラックメーカーは、積載量アップ及び燃費向上の為に車両重量の軽量化が求められている。しかし、トラックにおいては軽量化と衝突性能にはトレードオフの関係がある。
 また、乗用車と比べ衝突エネルギー吸収面からみて制約があるトラックにおいては、充分な乗員の生存空間を確保する事は重要である。本発表では、トラックキャビンの変形量が乗員傷害値と関連性の高い事を把握して、先ずはキャビンの変形量を小さくする事が必須である事を解明し、更に競合車のキャビン構造のデータで主成分分析を実施し、キャビンにおいては年々衝突安全性能を重視する構造になってきている事が明らかにされている。そして、本発表での大型トラック開発においては、SQCとCAEの併用により、軽量かつ衝突性能の両目標を満足する最適なキャブ構造が提案され、また構造の見直し前と比較して、この構造による効果として市場での死亡に至る割合に関し、48%の削減が実現されている。以上の点を評価し、本発表を推奨報文賞として選定しました。

奨励報文賞
報文名:ライフサイクルコスト分析による電柱仕様と運用の最適化
著 者:○小林 奨、瀧澤 大輔、阿多 淳子、吉田 幸三、浦島 佳弘、井浪 保高、岡村 教孝、松田 守史
所 属:関西電力(株)

選定理由:
 本発表は、今後の電柱の経年化によるコスト増加に対して、ライフコスト評価を行い対策の検討を行っている。検討の範囲は、製造、運搬から保守、廃棄処理に渡っており、自社のみならず関係機関を含めることで外的な要因も考慮されており、トータルライフについて検討が行われている。また、検討にあたっては、コストのみでなく、時間、品質も検討項目となっており、企業において重要な品質維持を前提とした検討がなされている。本発表では、検討結果に基づく改善策が具体化されており、コスト分析が実際に活かされている点からも、信頼性を維持しつつコスト削減が必要とされる様々な問題において参考となる優れた内容であることから、本発表を奨励報文賞として選定しました。

特別賞
報文名:信頼性と安全性の融合化
著 者:柴田 義文
所 属:安信経営工学研究所

選定理由:
 一般に、安全・安心と表現されますが、安全と安心との関係は、まだ明らかにされてはいません。本発表では、安全と安心との間には人の主観に依存する信頼の問題があると考え、それを心理的信頼と信頼性工学の両面よりモデル化されています。そして、信頼性と安全性の融合化による本質安全のための信頼性獲得こそが安全・安心に向かうことになるとの観点から、全体の構図を示されました。そこでは、発生確率の低減が最も重要な課題となり、そのために活用される幾つかの手法も考察され ています。
 本発表では、大枠を示したに過ぎず、様々な観点から考察した問題提起に近い発表でしたが、心理的信頼に着目して信頼性と安全性との融合化を図っている部分は大変興味深いものでした。安全性に対する評価のみならず信頼性に対する評価も、主観的な部分が存在することは確かです。従来の信頼性工学が対象としてこなかった信頼の問題をいかに取り入れてゆくべきか、更なる考察が必要ですが、フロア から「現実の問題点や状況を反映している内容で今後の進展を期待する」との意見があり、多くの参加者からも有意義な問題提起の発表に賛同する支持が得られました。そこで本研究内容の更なる発展を期待し、本発表を特別賞として選定しました。

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