事業詳細

研究・事例発表(一般)

【Session 1】半導体の故障解析

1-1 TRE(時間分解エミッション) を用いた
   IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)アバランシェ降伏時における電流集中現象の観測

遠藤 幸一 東芝デバイス&ストレージ株式会社

IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の破壊現象に強い関係があるアバランシェ降伏時において電流集中(フィラメント)の形成と移動に関して、TREを用いて実験的に観測した。従来の熱による観測で報告されていた時間分解能の数十μsに対して2桁高い、サブμsの分解能で電流フィラメントの移動を観測した.この手法を利用することで、シミュレーションでのみ検討されていた電流フィラメントの動作に関する情報が得られる。
 

1-2 X線照射によるMOSFETの電気特性変動と応答曲面法を活用した考察

山口 善孝 株式会社明電舎

パッケージを分解せずに製品内部の観察が可能なX線観察は非破壊分析として良品解析、故障解析等で広く使われており、最近ではCT観察が重宝されている。CT観察では、従来のX線観察よりもX線照射時間が長くなり、半導体の観察時に電気特性の変動が報告されている。事例として、X線照射によるFETの電気特性への影響を調査し、ゲートカットオフ電圧のX線管電圧依存性を記載している。しかし、X線照射量はX線照射条件である管電圧、管電流、照射時間、試料とX線源との距離等に依存するが、その組合せの影響は記載されていない。今回、応答曲面法を活用し、電気特性変動を防止できるX線照射条件を検討したので報告する。
 

1-3 電源電圧変調を用いたElectro Optical Frequency Mapping の技術検討

佐伯 光章 ルネサスエンジニアリングサービス株式会社

裏面タイミング解析手法の一つであるEOFM(Electro Optical Frequency Mapping)は、動作クロックなどの駆動信号と同じ周波数の変化を検出することにより、広範囲な視野で動作素子を可視化できる。一方、非周期性信号(ランダム信号)に対しては、EOFMは適用できずEOP(Electro Optical Probing)による素子レベルの波形観測が必要である。本発表では、周期的信号測定の新たな手法としてDC電源供給用デバイス端子への周期性信号入力(電源励振)を提案し、EOFMを可能とする技術を検討した。その結果、ショート不良、オープン不良の故障箇所同定に成功したので、その手法と解析事例を報告する。

【Session 2】電気・電子の故障解析

2-1 環境制御型超高圧電子顕微鏡によるCuワイヤ接合部in-situ解析

八巻 潤子 ルネサスエンジニアリングサービス株式会社

半導体デバイス製品の信頼性において、Alパッド/Cuワイヤ界面の接合強度を向上させることは重要なファクタである。Cu材はAu材と比較して高温環境下での酸化が課題となっている。そこで、環境制御型超高圧電子顕微鏡(以下UHV_ETEM)を用い、できるだけバルクに近い状態でAl/Cu界面のその場観察を実施した。その結果、Al/Cu加熱によって合金形成が進む様子をその場観察し、Al粒界に沿って合金化が進むこと、さらに合金形成に伴うAl/Cu界面近傍の構造変化を捉えることができた。Al/Cu界面の加熱、ガス雰囲気実験ではAl/Cu界面のCu側に空隙が観察されCuが脆弱であることがわかった。本手法が故障メカニズム解明に有効であることを報告する。
 

2-2 高耐圧積層セラミックコンデンサの故障解析報告
   (直並列接続回路型構造セラミックコンデンサの解析)

佐久間 雅人 内藤電誠工業株式会社 デバイスカンパニー

高耐圧積層セラミックコンデンサで内部直並列にコンデンサが構成されたものの、絶縁破壊の故障解析報告である。故障部位は積層セラミックコンデンサの内部のほぼ中心にあり、超音波探傷装置(SAT)により内部に積層の剥離(デラミネション)が確認され、その部分に内部電極のマイグレーションが発生していることが観察された。今回、このデラミネション部位を物理的に開いて観察できたので報告するものである。この直並列接続の積層セラミミックコンデンサは、電極部のクラックによる短絡を防止できることで採用されているものであるが、稀に今回のようなデラミネションにより絶縁破壊で焼損することを経験し、焼損の原因を特定する過程についても報告する。
 

2-3 Snウィスカ~第2のリスク到来の予兆~

斎藤 彰 株式会社村田製作所

電子機器におけるSnウィスカのリスクは、IECやJEDECが規定した適切な試験方法のおかげで、極めて低レベルに抑えられている。しかし、電子機器や部品の小型化による配線間や電極間の短縮、新たなはんだ合金の登場やとりわけ低温はんだの普及など、状況の変化によってSnウィスカのリスクが高まりつつある。低温はんだ実装品での評価結果と新たなウィスカ成長メカニズムを示しながら、今後注意すべき点を考察する。

 

【Session 3】特別企画セッション つながる時代の安全性

特別企画セッションの詳細はこちら

 

【Session 4】ツール展示企業による発表

4-1 物理モデルとデータ分析のハイブリッドアプローチによるPHMとデジタルRAMSの実現
山崎 まりか 株式会社電通国際情報サービス

Prognostics and Health Management(PHM)とはコンディションモニタリングを主とする保全活動で、マシンの寿命予測と健康管理のための技術である。PHMを実現するためには故障検知を目的とした計測や監視が必要だが、運用条件やシステムが複雑化するとモニタ対象を決定することが難しくなる。本発表では、モニタ対象の選定課題と故障予知の特徴量選定課題を解決し、高効率・高精度でPHMを実現するモデルベース解析ツール"The MADe Suite"を紹介する。
 
4-2 AnyLogicシミュレーション・ツールで作る
   デジタルツインWindchill Risk & Reliabilityを用いた故障率予測計算/FMEA/FTAのご紹介
原 良孝 テックサポートマネジメント有限会社

AnyLogicシミュレーションツールで作成した、製造工程のデジタルツイン化シミュレーション例他を紹介する。また、Windchill Risk & Reliabilityソリューションの故障率予測計算とFMEA・FTAの機能を紹介する。
 
 

【Session 5】

発表なし

【Session 6】信頼性データ解析

6-1 一般化線形モデルを使用した金属腐食の進行予測

石井 雅博 株式会社IHI

ジェットエンジンは定期的に取り下ろして分解整備を行っているが、分解時に部品の金属腐食が進み過ぎていると補修が不可能となり、新しい部品に交換しなければいけなくなる。しかし、対象が大型部品であると交換にかかる時間やコストがかさみ、運航会社に多大な迷惑をかけることになる。そこで、腐食の進行を予測して、補修可能なうちに分解整備を行いたい。しかし、腐食の進行は非線形である上にばらつきが大きく、回帰分析などの古典的な多変量解析では実用可能な予測モデルの作成は困難である。そこで、機械学習で多用される一般化線形モデルを適用して、腐食の進行を予想するモデルを作成することを試みた。
 

6-2 局所クラスタ化した欠陥を伴うTDDB寿命分布のパラメータ推定精度の研究

國井 喬介 電気通信大学

微細化の進んだ半導体デバイスの製造においては、加工のゆらぎによって生じる欠陥を把握、抑制し、早期に製品の信頼性を確保することが課題である。その手段の一つとして、 2つの形状パラメータを有するブール分布タイプXIIを、不均一な絶縁膜におけるTDDB (Time-dependent Dielectric Breakdown)の寿命分布として応用する研究が進んでいる。その際、低い累積故障確率まで精度よく推定するためのパラメータ推定精度が問題となる。本研究では、 事前情報を用いたベイズ推定により推定精度を確保する方法と、その有効性を検討する。従来の推定法と比較して、サンプル数、 及び事前分布のパラメータ推定精度に与える影響を考察した。
 

6-3 信頼性加速試験における小サンプルサイズでの解析精度に関するシミュレーション研究

遠藤 幸一 東芝デバイス&ストレージ株式会社

パワー半導体のパワーサイクル試験等の試験コストが高い信頼性試験では、できるだけ少ないサンプル数で評価を行いたいという要求がある。しかしサンプルサイズと推定精度はトレードオフ関係にある。本研究では、従来のワイブル解析、JEITA規格にある平均m法、最近の統計解析ソフトで実現されているワイブル回帰について、乱数シミュレーションを用いて精度とバラつきの検証を行う。

 

【Session 7】信頼性試験の物理

7-1 加速試験のあり方と故障物理に関する考察

小川 文輔 NECスペーステクノロジー株式会社

一般に加速試験とは、予め試験等により算出された加速係数を用いて、規定された値よりも厳しい条件で試験を行うことで試験時間を短縮するために行われる試験である。しかし、各種制約条件により、初めて加速試験を行う場合にはハードルが高い。したがって、極多品種少量生産品目の代表である人工衛星搭載機器の開発において、実務的にはどのように試験条件を決め、試験を実行し、その結果を製品に適用しているのかを示すことで、そのハードルを下げることを目的とする。

 

7-2 加湿試験での試験条件による影響性評価(第二報)

鈴木 智晴 楠本化成株式会社

第一報では、温度を固定し湿度の影響を明らかにし、加湿試験で温度が与える影響を明確にすることに取り組んできた。そこから、温度を固定した場合、試験モードを「加湿」にするための湿度の下限値が存在すること、絶対湿度が同じであっても温度条件により試験モード(加湿⇔乾燥)が変わることがわかった。本報では、材料が異なる場合(紙フェノールとガラスエポキシ)、吸水率と材料はどのような関係にあるのか、また吸水率の違いは絶縁寿命にどのような影響を与えるのかを明らかにした。
 

7-3 熱衝撃試験と温度サイクル試験の違いについての比較検証

鍵弥 綾香 エスペック株式会社

実装基板はんだ接合部等の信頼性評価に用いる熱衝撃試験、温度サイクル試験は温度変化率の違いによって温度急変試験(温度変化率:30℃/分~)と定速温度変化試験(温度変化率:1℃/分~15℃/分)があり、日本国内では外部環境の急激な温度変化を目的とした温度急変試験(30℃/分~)が主流であるが、欧米では、市場に近い状況を模擬した定速温度変化試験(5℃/分~20℃/分)が主流である。最近の動向として自動車部品を中心に日系企業も欧米との取引が多く、取引先からの定速温度変化試験の要求が増している。そこで本評価では、二つの試験方法の違いである温度変化率に着目し、寿命評価に与える影響と、その相関関係を検証した。

 

【Session 8】信頼性試験の応用

8-1 HALT(6自由度振動)と電動加振(単軸振動)が供試品に与えるストレスの
   相関性についての一考察

藤本 恵一 エスペック株式会社

HALT (Highly Accelerated Limit Test)は、厳しいストレスを与えて短時間で製品の潜在的な弱点を検出する定性的な加速試験であり、主に開発サイクルの短縮を目的として実施されることが多く、短時間での不具合検出の実績も多く認められる。しかしながら、HALTの6自由度ランダム振動は、従来試験との違いなどから、定量的な研究報告がなく、その効果についての理解が十分得られていなかった。この報告では、HALTと従来試験で同じ供試品を使用した試験を行い、振動の大きさと実装部品の故障時間及などから、HALTの振動の大きさと故障時間及び従来試験の故障時間の相関について、定量的な評価を行った。

 
8-2 効果的なHALT(Highly Accelerated Limit Test)運用プロセス導入

宮本 圭 ソニー株式会社

お客さまに「感動」をいち早くお届けするために、商品開発時間の大半を占める信頼性評価に対して「信頼性評価=時間がかかる」を変える取組みを行っている。
弊部では、そのためのツールの一つとしてHALTを選択。その有効性の検証を行っている。その概要について紹介し、製品品質を高めるために行っている様々な取り組みの一端を示す。本発表では主にHALTデータを積み上げスコア化するというアプローチについて紹介する。


 
8-3 目標品質達成のための工程管理限界の調整(3)

松岡 敏成 三菱電機株式会社

第47回の本シンポジウムにおいて、TS16949(現行のIATF16949)で定義される工程能力指数や工程性能指数の算出式に従えば、その許容下限値を1.33や1.67に固定すると、製品数量規模に応じて市場品質がばらつくことを示した。さらに市場の目標品質達成に向けて、工程性能指数の許容下限値を導きだし、その数値から工程能力指数の許容下限値を考察した。
今回は、管理ロットサイズと、管理指標とする特性の分布形状が正規分布以外の対数正規分布やワイブル分布の場合を考慮した工程能力指数として、許容累積分布確率上限値を考慮した目標設定することを検討したので報告する。

 

【Session 9】新製品設計と異常診断

9-1 機械学習を活用した空調機早期故障検知

黒田 耕平 ダイキン工業株式会社

空調機では、これまでルールベースによる検知ロジックにて故障検知を行ってきた。
しかし、空調機は配管長や室内機~室外機間の高低差等の設置環境や、サーバ室や事務所、寒冷地~熱帯地といった使用状況が異なるため、物件ごとにセンサー値の値域が異なるため、単純なルールベースでは誤検知もしくは検知漏れが発生する課題があった。
そこで、近年多くの分野で採用されている機械学習を活用し、現場の運転データから物件個別の異常検知モデルを作成することで、課題解決を図り、従来手法より精度高く、また早期に故障検知できた。
 

9-2 多目的性能の同時満足化設計のためのセットベース設計手法の提案

石川 晴雄 電気通信大学

現在、産業界では多種多様な性能要件を実現する多数の設計解を迅速に求め、製品開発の短期間、低コスト化がますます重要になっている。本研究では背反性・異種性も含む多様な性能を同時に満足し、ロバストな設計変数解を範囲(セット)で求める設計手法を提案している。手法の特徴は、後戻りのない集合演算が基本、最適化ではなく満足化、対象性能を選ばないこと、不確定性の処理、適用設計段階を問わないこと、モデルベースや1D設計などにも対応、パソコンでの短時間処理等である.適用事例として、構造系(乗り心地設計:18性能12設計変数)、電子系(電磁ノイズフィルター設計:2性能7設計変数)、制御系(2物体運動安定制御:6性能3設計変数)などがある。
 

9-3 新規事業製品の安全確保のための創りこみプロセスの構築
   ~故障要因展開を活用した安全性創り込み~

寺田 元一郎 株式会社リコー

これまで取り扱ってきた製品とは用途や使われるシーンが異なる新製品を開発するにあたり、従来の再発防止型の安全設計を行うだけでなく、使われるシーンを想定したリスク抽出、リスク評価、リスク対応といったリスクマネジメントを実行した。また、その際の開発プロセスにおいて、FTA的なアプローチとFMEA的アプローチの両方を使ってリスク低減することを採用し、標準化した。設計者・評価者が考える視点や、その解析フォーマットを標準化することにより、新規事業製品のみならず、既存分野製品においても効率的に安全性の創りこみを行うことが可能になった。

 

【Session 10】情報活用による安全行動

10-1 「ふりかえり動画」による安全運航のためのパイロットのレジリエンス支援
    ~航空ビッグデータ時代に向けて~

森岡 日出男 全日本空輸株式会社

「ふりかえり動画」は航空機の着陸後30分以内に、ワイヤレスで機体から自動転送されたフライトデータを動画に再加工し、各パイロットの所有するiPadでの閲覧を可能とするするANAが世界に先駆けて開発・導入した仕組みです。「ふりかえり動画」では、パイロット自身の普段のフライトを全てレビューすることが可能で、日常的なフライトの中での気づきや小さな失敗など自分自身あるいはフライト後のブリーフィングにおいて乗員同士で省みることが可能です。ふりかえり動画は、失敗から学ぶだけでなく成功の定着にも貢献し、その他モニターやCRMの能力向上、乗員同士のコミュニケーションの深化につながる新たなツールです。フライトデータを利用した新たな安全文化構築の領域にもなっています。
 

10-2 自動車運転支援システムにおけるドライバの利用意識と精神的負担

高橋 昭彦 国立研究開発法人 産業技術総合研究所

ドライバによる適宜介入が必要な運転支援システム(加減速・ステア操作の支援)を初めて利用するドライバの精神的負担を、首都高走行実験により評価した。走行後に精神的負担に関する5つの評価指標を主観評定で回答させた。実験参加者は3つの群に分けられ、事前教示によりシステム利用に関しそれぞれ異なる意識付けをされて走行に臨んだ。その結果、介入のためのシステムの動作予測を意識すると負担が上昇するが、表示等による動作確認まで併せて意識することで負担は低減した。システムの状態を適切にドライバへ提示することの重要性が示唆される結果である。
 

10-3 自動運転システムとドライバとのインタラクションが運転行動に及ぼす影響

中嶋 豊 成蹊大学

自動運転レベル2では、ドライバ自身は運転操作を行なわないが、継続的に周辺の監視をする必要がある。このような作業を伴わない周辺監視では、集中力低下や疲労が生じることから、運転操作へのマイナスの影響が生じる可能性も考えられる。本発表では、自動運転レベル2の車両に乗車中のドライバに対して、システムとの「会話」を断続的に実施することで運転行動へ与える影響を検討した.ドライビングシミュレータにてACC、LKAが機能する場面を設定し、ドライバに対して運転挙動に対する判断を求めた(会話)。実験の結果、会話の頻度が高い方が、手動運転への切り替え後の運転が安定する可能性が示された。

 

【Session 11】これからの未然防止

11-1 身の回りのトラブル情報による「私的」未然防止の取り組み

佐々木 市郎 アルプスアルパイン株式会社

昨今の信頼性保証活動は上流側即ち未然防止の比重を増している。しかし、トラブルが発生してからの改善活動と違って、未然防止活動は宿命的に成果の手応えが希薄な面を持っている。活動に弾みをつけるためには、取り組みの意義をもっと実感したいところである。JISの用語の定義によれば、ディペンダビリティの対象となる「アイテム」は「人」を含む。そこで、アイテムを人、ひいては生活面に拡張し、自ら実践していることを通して、未然防止活動の意義をあらためて考えてみたい。その際、身の回りで起きている様々なトラブル情報やインシデント情報が大きなヒントとなる。具体的な活動は、高齢運転者による交通事故防止、夜間ウォーキング時の事故防止、ドラム式洗濯機による窒息事故の防止、倒木による事故防止、健康管理による疾病予防、暖房機のシステム選択による火災防止、等である。自身の生活面で大きなトラブルを何とか回避できているのは、普段の未然防止活動の賜物と捉えたい。そう考えることが、本来の業務における未然防止活動を推進する上でも、大きな動機付けとなっている。
 

11-2 SOCIETY5.0社会の製品安全のスマート化の実施例について
    ~販売引き渡し後のリスク対応力の強化と企業ブランド強化を実現~

渡辺 吉明 TDNインターナショナル株式会社

国は、2015年、Society5.0「超スマート社会」を2020年に我が国の産業構造を変革すると公表した。2021年にはいよいよ新たな社会での産業活動が行われる。製品安全分野も、これまでの安全設計やアセスメントだけではリコールなどの対応ができないとし、「製品安全のスマート化」を2018年4月に公表した(経済産業省産業保安グループより2018年4 月4 日付け)。市場にある不適合品を速やかに排除するための取り組み(製品リコール)の成果が重要になった。北米でもCPSCよりリコール対応に対して厳しい高額な民事罰金をを持って規制強化が開始された。EU、中国などでも情報共有を行なっている。2016年の等学会のシンポジウムにて公表したモバイルアプリ[scodt]を利用したシステムでの2年間の試験運用が終わり、解析データを得て実運用を開始したscodt cloud systemsでの製品安全のスマート化の実施事例、全容を公開する。

 

【Session 12】人-機械系の信頼性

12-1 ステアリング操舵周波数解析による眠気推定の検討

伊藤 一也 独立行政法人 国立高等専門学校機構

高速道路の事故における死亡リスクは一般道の約3倍であり、高速道路走行中、マイクロスリープ現象と呼ばれるごく短時間の居眠りによる運転操作のエラーに起因する死亡事故の発生を抑制することが重要と考えられる。そのため、本研究では、自動車のステアリングを用いたマイクロスリープ現象の早期推定と眠気レベルの定量化を目的に、ステアリング操舵周波数の時間変化を解析する手法を検討した。その結果、カロリンスカ眠気尺度(KSS)とステアリング操舵周波数の増大に相関傾向が見られた。これにより、本手法で眠気を早期に検知してドライバーへ休憩を促すことでマイクロスリープ現象による事故を抑制する可能性が見込まれる。
 

12-2 機械に対する人間の信頼:何が信頼感を構成するか?

李 智恩 筑波大学

自動運転技術など機械の自動化が注目されている今、機械に対する人間の信頼感が大事なキーワードとして注目されている。1980年度末カナダで行われたMuir & Morayの研究は、Dependability、 Predictability、 Faithの信頼モデルを用いて熟練してない一般ユーザーの自動化機械に対する信頼感がどのように構成されるかについて調べた。しかし、Muir & Moray (1996) 以来の初期の信頼感の構成における知見は乏しいのが現状である。本研究では、過去の実験をレプリケーションすることで現代の一般ユーザーの信頼の同的変化について調べた。過去と現在のユーザーの信頼感構成時にどのような次元が最も影響するか調べることで、システムデザインやブランディングへの新しい知見を提供することを目指す。
 

12-3 ドローン墜落事故の原因分析

平山 良彦 平山技術士事務所

国土交通省に報告のあったドローンの事故件数は、2015 年12 月〜2018 年5 月で137 件に上る。これを分析すると原因の7 割近くはヒューマンエラーであった。その内訳はベテランでも犯しがちな操縦ミスが多い。またバッテリーの劣化など保全に関する課題がある。実際の事故例をEvent Tree Analysisで解析する。これらの事故を確実に対策する為には人に依存しない自働化およびAIによる安全性予測に基づく操縦者への指示警告を実現する事である。アクティブセーフティーとしての操縦支援機能の現状と将来について考察する。
キーワード:ドローン、信頼性、保全、ヒューマンエラー、ETA、操縦支援機能、AI

 

【Session 13】信頼性設計手法の応用

13-1 IPO式なぜなぜ分析の考案

白戸 高宏 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

一般的になぜなぜ分析がうまくいかないのは、表面的な原因に捕らわれ、答えを想定して進めてしまい、網羅性が犠牲になるからである。なぜなぜ分析の目的は真因を顕在化させることだが、この基本を理解せずに用いると品質向上に効果を発揮しない。これらの課題を回避する手法が「IPO式なぜなぜ分析」である。IPO式なぜなぜ分析は「プロセスフローIPO確認」と「真因ガイドの手法」を並行して用いることで、業務プロセスごとに抜け漏れの無い課題抽出を可能にした。報告では抽出課題の分析を真因ガイドに沿って進めることで、なぜなぜ分析の熟練者でなくとも真因へ到達できるようにした手法について事例を交えて紹介する。
 

13-2 機械設備の機能回復能力の定量化手法について

上野 仁士 国立研究開発法人土木研究所

社会基盤施設には、河川水門、洪水防止用ポンプ設備などの「土木機械設備」があり、河川・道路において極めて重要な役割を果たしている。これらの維持管理計画はMEA等による信頼性評価を基本として立案されている。しかし万全な維持管理をしていても不測の外的要因により機能喪失することもある。その場合においても確実な機能発揮を行うには早期機能回復あるいは代替手段の運用が強く求められるが、それをマネジメントするうえでの定量的評価の手法が未確立である。
そこでFMEAをベースに機能回復の遅速の定量的指標の算定手法について検討を行った。
 

13-3 FTAによるシステム構造分析と課題 ~FTAとOODA(ウーダ)~

柴田 義文 安信経営工学研究所

本来、信頼性設計の評価としてFMEA/FTAはあるべきだが、信頼性設計手法として強調されて、取引の条件のFMEAとなっている。一方、FTAは故障解析のツールとして重宝されている。しかし、先達のテキストを紐解くとFTAによる構造解析が紹介されている。現在でもその伝統を受け継ぎ教育しているが、真理表による構造分析では、受講者は複雑さを感じて倦厭し、忘れ去られている。しかし、ヨーロッパを中心に構造解析の要求が取りざたされており、購買部門も留意する必要がある。本発表は簡易的にできるFTAによる構造分析とその課題を報告する。

 

【Session 14】信頼性評価と分析技術

14-1 RIM成形ウレタン材配合量分析方法の確立

神谷 隆之 アイシン精機株式会社

車の外装部品に使用されているRIM成形ウレタン材は紫外線やオゾン等の環境要因により、影響を受ける事があるため、ウレタン材成形後の配合量(主剤と硬化剤)の確認が重要である。
ウレタン材の配合量を確認する方法として有機元素分析(CHNSO)が有効であるが、その中で検出すべき窒素量のバラツキが大きいという問題に直面し、弊社としてその問題解決が急務であった。
本報告は、標準SN比と応答局面法のD最適計画を活用する事により、窒素量のバラツキを最小化し、正確な配合量を見極めるための最適分析条件を確立する事が出来たので、その成果を報告する。
 

14-2 端子付き電線の信頼性評価事例

猪倉 慎也 楠本化成株式会社

一般に端子付電線の評価方法はJASO規格に基づき、企業独自のやり方で実施することが多く、その大半は温度変動や振動などの様々な環境ストレスをかけながら、定期的に試料を装置から取り出し、端子と電線間のかしめ締結箇所の接触抵抗を手動で測定・記録することで良否を判定することから膨大な時間と手間がかかる。
本報告は端子と電線間のかしめ部の締結強度を変え、JASO規格で規定された複合振動試験及び熱衝撃試験の環境ストレス下で締結部の接触抵抗がどのように変化するかを試験し、従来の試験方法に比べ短時間で効率的な試験ができることを検証した。
 

14-3 超音波顕微鏡を活用した新しい非破壊構造解析手法

池本 裕 株式会社クオルテック

電動化・小型化などが伸展する車載用電子機器・部品などで、その内部を非破壊で観測し、出来栄え評価や環境温度・動作ストレスで生じる劣化状況の定量的把握・故障箇所の絞り込みを可能とする解析手法が求められている。本発表では、パワーモジュールの非破壊解析を行う為、新たに考案した超音波顕微鏡(C-SAM)による解析手法を紹介する。具体的には、パワーモジュールを模したサンプルを作成、C-SAMの原理に立ち返り、これまで一般的となっている平面像中心の解析に留まらず、深さ方向データを効果的・定量的に活用することで、内部の構造や変形などを立体的に把握した事例を示す。それらをX線CT 3D像など他の非破壊解析結果と併せ考察することで、解析レベル向上が期待できる。。

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