事業詳細

研究・事例発表(一般)

【Session 1】半導体デバイスの故障解析

1-1 半導体デバイスの故障解析における電流可視化技術の現状と課題

二川 清 金沢工業大学

ここ数年、電流を可視化する新しい技術がいくつか提案されている。それらの技術の根にある90年代に提案された技術も含めてレビューする。
これらの技術は、ビームで加熱し抵抗変化をみる技術と、電流が誘起する磁場を検出する技術に大別できる。ビームで加熱する技術は光ビームで加熱するOBIRCH、電子ビームで加熱するEBIRCH、超音波ビームで加熱するSOBIRCHが開発された。電流が誘起する磁場を検出する技術はSQUID顕微鏡、GMR顕微鏡、TMR顕微鏡が開発された。最近、MOFMというまったく別の発想で磁場を検出する技術が開発された。
これらの技術をいろいろな観点から比較し今後の課題を検討する。

1-2 磁場顕微鏡を用いた非破壊でのパワーデバイスの短絡箇所の絞り込み

西川 記央 東芝ナノアナリシス株式会社

パワーデバイスは、パッケージを開封すると電気的特性が変動してしまい、不具合箇所の特定が困難になる場合がある。また、低抵抗の短絡箇所では、特定に必要な発熱や抵抗変化が得られない場合があり、同様に不具合箇所の特定が困難になる場合がある。磁場顕微鏡では、電流に発生する磁場分布を非破壊でイメージングすることにより電流経路を可視化することが可能となる。本発表では、磁場顕微鏡を用いパッケージを開封せずに短絡箇所の絞り込みに成功した事例を紹介する。

1-3 半導体デバイスの電気的破壊実験と故障解析事例

金子 卓史 株式会社クオルテック

自動車をはじめ、身の回りの製品で電子化が伸展し、高信頼性が求められる中で、IGBTなど半導体デバイスの故障解析への関心・要求が高まっている。本発表では、半導体デバイスの代表的な故障事例である電気的破壊に着目し、静電気破壊や過電力破壊の再現実験を行なった。そして、そこで発生した各種破壊品の故障解析を行い、その破壊メカニズムを考察したので、それらについて述べる。また、電気的特性測定、LIT、超音波顕微鏡、X線透視・CTといった複数の非破壊測定手法を適切に組み合わせて故障箇所をより詳細に絞り込むことが、その後の物理解析・原因究明を効率的に成功に導くことを紹介する。

【Session 2】安全性を支える信頼性技術

2-1 製品安全性を支える電気絶縁性の標準と研究開発状況

門田 靖 株式会社リコー/東京都立産業技術研究センター 信頼性・安全技術研究会

従来製品安全性は、リスクアセスメント・リスクマネジメントやフールプルーフ等安全設計手法や考え方の面や、具体的な市場事故の技術的な解析といった面から論じられることが多かった。今回筆者は製品安全性を左右する重要な特性である電気絶縁性の重要性を市場事故情報から抽出し、それに対する標準及び近年の研究面から体系的に調査したので報告する。

2-2 ガラスエポキシ基板の発火・延焼に関する一考察

石原 慎司 株式会社リコー/東京都立産業技術研究センター 信頼性・安全技術研究会

電気・電子機器の中には多くの電気・電子部品が使用されているが、万が一、それらが発火したとしても、近傍に難燃性樹脂を用いるなどの手段を用いて延焼を防ぐことで重大事故に至らないような安全設計をおこなっている。また、プリント基板に実装されている電気・電子部品が異常状態になり発熱・発火した場合、その部品と共に難燃性を有しているプリント基板も発火するといったことが顕在化してきている。
今回、積層セラミックチップコンデンサの故障を起因としたプリント基板の発火試験を実施したところ、プリント基板が発火した後、基板上を延焼していくことが確認できたので、その結果とそこから想定される基板延焼メカニズムについて報告する。

2-3 はんだ付け強度と信頼性に関する考察

小川 文輔 NECスペーステクノロジー株式会社

宇宙空間に暴露されるSAP(Solar Array Panel)でも、ワイヤハーネスの接合には、はんだを用いる。そこで、Sn10,Sn28,Sn62の3種類のはんだを用いて、130℃ 2,000 hours前後でのPeel試験を実施した。これは、Sn62での高温放置後のPeel強度の低下原因が、Pb含有量の多いα固溶体の粗大化に加え、Sn含有量が多いことによるIMC (InterMetallic Compound)の増加であるとの考えから、Pb含有量の多いはんだを用いれば、高温放置後のPeel強度の低下も抑えられるではないかとの仮説に基づく。ここでは、その仮説検証の結果と、その応用事例について述べる。

2-4 X線透視によるメモリ素子の特性悪化と回避策

勅使河原 寛 富士通クオリティ・ラボ株式会社

近年、携帯電話やタブレット端末をはじめとする小型、薄型電子機器が普及し、高密度実装の要求が恒常化する中、メモリ素子を含み複数の素子で構成されるLSIは多ピン化が容易なBGAパッケージで基板実装されるが、半田未着や位置ずれ等の実装品質を損なう可能性がある。その為、実装状態をX線透視装置で検査を行っているが、X線検査後の基板からメモリエラーが発生し、解析の結果、DRAMのデータ保持特性が悪化している事が判明。
今回、DRAM不良が発生した事により、メモリ関連素子のX線照射量と特性悪化の因果関係を確認すると共に、X線検査における特性悪化の回避策を検討した。

【Session 3】深層学習・ビッグデータの信頼性解析への活用

3-1 畳み込みニューラルネットワークを用いたシステムの
   特性劣化の特徴量抽出と運用条件検討への応用

遠藤 駿 電気通信大学

本研究では、実際の設備のオンラインモニタリングデータについて、深層学習の手法の一つである畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional Neural Network: CNN) を用いたシステムの劣化予測への可能性と特徴量抽出について考察する。従来の知見によって作成した固定効果を考慮した統計解析、機械学習と、深層学習による評価の比較に基づいて議論する。また、可視化したデータを学習させることによって、CNNが抽出した特徴量の解釈を容易化し、それに基づく運用条件の考察について紹介する。

3-2 地域毎に適確した工業部品の安全率の最適化のための
   ビッグデータへのセットベース設計手法の適用
   ~地域毎で異なる各使用環境条件を包括する適切な設計条件の決定法~

石灰 伸好 日野自動車株式会社

市場のビッグデータを用いてのセットベース設計手法の結果から、工業製品における構成される各構成部品の荷重負荷状況と各構成部品の設計限界値との乖離を把握できる。その結果から構想設計段階で決定した構成部品の設計限界値の妥当性の検証が可能になる。設計限界値との乖離の大小の結果からその部品の安全率の最適化が図れる。

3-3 動的因子の影響を考慮したベイズおよび深層学習に基づく信頼性解析

貝瀨 徹 兵庫県立大学大学院

市場において動的に変化する因子がアイテムの信頼性特性に影響を与える場合を考える。ここでは、動的因子モデルを状態方程式、およびワイブル分布による故障時間のモデルを観測方程式とする状態空間モデルを構成し、フィルタリングの適用によりパラメータの推定を行う。なお、ここで扱う方法は、階層ベイズモデルにおいてベイズフィルタリングおよび変分法を用いるものであり、さらに深層学習の方法論も組み込む構成を提案する。

【Session 4】オンラインモニタリングによる検証と設計への活用

4-1 お客様訪問調査と製品内部モニタリング情報を活用した
   対象市場の特徴把握と信頼性検証プログラムへの反映

金子 勝 富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社

信頼性検証では主に製品仕様から設定した条件での確認試験を行うが、個々のお客様の要求に対する網羅性を上げる事は難しい。今回、LPM(ローレンジ印刷用途白黒機)市場向け製品開発において、お客様訪問調査での使用条件の特徴抽出と共に、製品内部モニタリング情報を分析して検証プログラムへの反映を試みた。その結果、お客様の使われ方に起因する不具合の早期検出と信頼性作り込みへ有効な見通しを得た。

 
4-2 ダイカスト金型冷却水量の流量検知手法の確立

衛藤 大介 アイシン精機株式会社

当社の第二生技開発部では「革新的生産技術の継続的な提供による『勝てる商品』の創出」を方針に活動している。その中で私の担当業務はダイカスト製品の品質向上に寄与する暗黙知の見える化技術の開発であり、今回は、品質への影響が強く、金型温度を変動させる要因の一つである「冷却配管個別流量」の見える化に取組んだ。冷却配管は、金型内で細管により複雑に分岐しており、市販の流量センサを組みこむスペースは無い。そこで考案したのは、各冷却配管に温度センサを設置し、計測した温度から流量を推定する手法である。本報告は、冷却配管個別流量の見える化に向け、温度センサの良品条件を応答曲面法、重回帰分析などを活用してモニタリングに成功した事例である。

 

4-3 単位空間の最適化によるプラント異常診断の精度向上

茂木 悠佑 株式会社IHI

MTシステムは多数のセンサを持つ機械設備などの異常診断に対して有効な手法である。IHIでは、センサデータを活用したプラントの異常診断システムとして、実用化に取り組んできた。しかし、(1)稼働状況がダイナミックに変動する(2)季節変動の影響を受ける、といった診断対象の場合、正常であるにも関わらず状況変化を異常と判定する「誤検知」や、異常であるにも関わらず正常と判定する「未検知」の問題が生じていた。本研究では、この誤検知、未検知の問題に対応するため診断毎に単位空間を最適化する技術を開発し、検知精度を大きく向上させた。
 

4-4 車両ユニットの信頼性寿命評価におけるオンラインモニタリングの活用 -第2報-
   開発用モニタリングデータとICTビッグデータの併用

熊崎 千晴 日野自動車株式会社

製品開発の初期段階で信頼性目標値を決めるにあたり、市場実態を如何に正しく把握できているかが重要となる。この精度を上げるために市場調査として実製品のモニタリングデータを集めるが、商用車のように様々な仕向け地/用途/環境で使われる製品では、なるべく多サンプル・長期間のデータが必要であった。
近年は専用ロガー端末を用いて出来るかぎり多くの実車データを足で稼ぐことで対処してきたが、昨年から弊社製品もICT対応し、簡易であるが非常に多くの稼働データが取れるようになった。
そこで本報告では、第45回R&Mシンポジウムで報告した開発用モニタリングデータ解析事例に、簡易なICT稼働データも併用した解析事例を付け加えて報告する。鳥の目・虫の目それぞれの視点から市場を把握する。

【Session 5】システムとしての設計と解析

5-1 電動化フライトコントロールシステムの信頼性解析

菅原 寛生 株式会社IHI

近年の低燃料消費・省メンテナンスコストの要求から航空機搭載システムは電動システムへの置き換えが進んでいる。フライトコントロールシステムの電動化も検討されているものの,信頼性,電源品質,故障分離の面で課題が残っている。IHIではこれらの問題を配電システムにフライホイールによる蓄電装置を用いることで改善する研究を実施している。本蓄電装置は負荷の平準化により電源品質を改善し,アクチュエータと機体電源系を分離することで故障分離を行う。IHIはストラスクライド大学との共同研究として本電動FCSと既存の油圧式FCSの信頼性を比較するためARP4761に基づいた信頼性解析を実施した。本発表では実施手法と結果に関して説明する。

5-2 熱伝達向上を目的とした自己強制空冷システムのヒートシンクの開発

富山 真 東京都立産業技術研究センター

電子機器の放熱技術の1つとして熱電変換素子を用いた自己強制空冷システムが提案されている。しかし、発熱部品の放熱不足が解決できない可能性がある。本研究では、熱伝達向上を目的とした自己強制空冷システムのヒートシンクを提案した。提案したヒートシンクについてシミュレーションと温度測定による実測した結果、従来のヒートシンクよりも発熱部品の温度上昇を3~11%抑制可能となった。
信頼性安全技術研究会の活動として、本研究について発表を行った所、会員の皆様から成果普及と同分野の専門家と議論を行い、研究内容をさらに高度化してほしいとの要望があった。そこで、同分野が多数参加される本シンポジウムで本研究成果での発表を要望する。

5-3 プリンタ複合機(MFP)の給紙性能に及ぼす紙粉の影響とその評価法の開発

月山 陽介 新潟大学

プリンタ複合機(MFP)の作像・搬送性能に影響する紙粉発生の良し悪しを判断する評価手法として『ローラ摩擦紙粉検出法』を開発した。本手法は、評価対象の紙の紙粉の良し悪しをローラで100mmこすった時の摩擦低下で測る簡便な手法で、各種用紙のMFP適合性を紙粉の観点から評価可能である。発表ではローラ摩擦紙粉検出法に最適なゴム種や条件、および給紙性能が既知の用紙を使用して妥当性を検証した結果および海外銘柄29紙の評価事例を示す。また、紙粉がゴムローラの摩擦摩耗に及ぼす影響メカニズムについて説明する。手法については現在一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)に標準化提案を行っている。

【Session 6】マネジメントと手法の活用

6-1 信頼性からみた人・組織の行動とマネジメント
   —新製品開発における情報の流れと源流管理に焦点をおいて—

宮村 鐵夫 中央大学

信頼性の問題が顕在化して追い込まれてからのやらざるを得ない状況から“Proactive Approach”を計画や標準へ織り込み、組織学習を着実に進める要点を、
・活動に必要な資産と形成:活動主体の人、さらにグループ、そして組織の補完がプロセスと成果に影響
・信頼性の活動への浸透とマネジメント: 線形から非線形な情報の流れへできる活動の進め方とマネジメント対応
・信頼性作り込みの推進力(Drivers)
・方法論(Methodologies)
の視点から考える。信頼性作り込みの変化を起こすには、あるべき姿を明確にするとともに変化に対する抵抗を緩和することを考慮していかなくてはならない。

6-2 信頼性に関する社内教育の継続的改善

佐々木 市郎 アルプス電気株式会社

昨年の当シンポジウムで、「信頼性に関する社内教育の現状と課題」と題して発表した。本件はその続報である。受講者アンケート結果を基に、品質工学の望小特性SN比を算出し、それを評価軸に教育研修の継続的改善を図っている。初めて実施した講師アンケートの結果、6割近い講師が担当の継続を望んでいないことがわかった。自発的改善が難しいと判断し、筆者が担当可能な2コース(設計FMEA/FTA)について講師を譲り受け、カリキュラム・講義資料を全面的に見直したところ、SN比が改善した。また存在しなかったDRコースの新設を提案し、講師も自薦した。SN比の従来比較はできないが、他の研修と比較すると良好なレベルでスタートを切ることができた。講師の増強や育成のため、信頼性技術者(初級)の認定者を増やしたり、各種の社外セミナーの受講も続けている。以上のような各種施策について、SN比を中心に実効性を振り返りながら、改善を継続している。

6-3 R-Mapと多変量解析法組合せ活用による市場措置(社告)判断への適用技術の開発

大田 利幸

安全事故事例を基に、社告判断の必要性に直面した時、従来から定量的リスク評価手法としてR-Mapが活用されている。
今回これを更に進展させ、R-Mapと多変量解析を組合せ活用し、経年劣化要因を含むために発生確率が評価時期と共に変動する事例に対して、事故発生確率(件数)を将来に亘って予測する理論値を計算式から算出する手法を開発した。
この結果、より的確なリコール判断が可能となり、経営品質の向上が図れる。
使用する多変量解析法は次の二つ:
(1)新ワイブル分析法:「使用期間」「事故件数」「対象稼働台数」から理論値導出。
(2)ロジスティック回帰分析法:「時系列」「事故件数」「対象稼働台数」から理論値導出。

6-4 JIS Z 8115 ディペンダビリティ(総合信頼性)用語改正の経緯と主要な変更点について

益田 昭彦 信頼性七つ道具(R7)実践工房

JIS Z 8115の信頼性用語改正は現在最終段階に入っているが、国際規格IEC 60050-192:2015の260語との整合を図りつつ、現行の2000版JIS用語の継承及び将来を見据えた新しい用語の採用を進め、合計421語の採択を行った。IoT時代を見据えた国際用語の改定に合わせ、現行JIS用語からの変更点も少なくない。特に、アイテム(item)及びディペンダビリティ又は総合信頼性(dependability)の概念の拡張に基づく用語全体の定義の見直しがなされた。信頼性の対象はこれまでの製品(ハード・ソフト)からサービスへと拡張され、信頼性概念も信頼性、保全性、アベイラビリティ、回復性、保全支援性能(又は支援性)をコアの特性としながら、耐久性、安全性、セキュリティ、アカウンタビリティなどを包含することもある。

【Session 7】展示企業による発表

7-2 Windchill Quality Solutions用いた故障率予測計算
   及びFMEA/FTA計算とAnyLogicシミュレーションツールのご紹介

原 良孝 テックサポートマネジメント有限会社

Windchill Quality Solutions の故障率予測計算とFMEA・FTAの機能を紹介します。また、AnyLogicシミュレーションツールで作成した、製造工程、サプライチェーン及び避難(人流)シミュレーション等を紹介します。

 

7-3 Model Based PHM Design

山崎 まりか 株式会社電通国際情報サービス

Prognostics and Health Management(PHM)とはコンディションモニタリングを主とする保全活動で、マシンの寿命予測と健康管理の技術です。このPHMを実現するためのPHM Designとは制御や性能評価のためのセンサだけでなく、マシンやシステムの故障や寿命をモニターすることを目的としたセンサアーキテクチャを検討する設計活動です。そのPHM Designを効率よく標準的に実施可能なソフトウェアツールThe MADe Suiteを紹介します。

【Session 8】展示企業による発表

8-1 半導体・電子部品の評価・解析OneStopサービス業務紹介

角田 淳一 内藤電誠工業株式会社

弊社は主に半導体、電子部品等の信頼性試験及び試験中間にて発生した不良品に対する故障解析まで一貫したOne Stopサービスを提供しています。
また各種環境試験、熱抵抗測定、染色試験(Dye & Pry)や物理解析を主体としたX線CT観察、パッケージ開封/ボンドテスト、SEM/EDX、クロスセクション等について事例を交えて紹介します。

 
8-2 HALT 10年の変遷と今後

川上 雅司 株式会社東陽テクニカ

第39回信頼性・保全性シンポジウムでの初発表以来、一貫してHALTの最新情報を発表してきました。この間にグローバル化による国内メーカーの生産拠点の海外移管や海外新興メーカーの台頭などで日本の工業界を取り巻く環境は急激に変化しました。その時々に即して提供してきた HALT活用の事例情報の軌跡を振り返り、今後の日本企業の体質強化に必要なものは何かを提案します。

【Session 9】信頼性物理と統計解析

9-1 ステップストレス試験に基づく加速モデルの選択

松岡 敏成 三菱電機株式会社

ステップストレス試験を適用すれば、故障までの時間の分布を効率よく調べることができる。
その試験結果に、加速モデルを仮定して、実使用条件における寿命分布に置き換える。そのようにして得られた寿命分布を適用して、試験で顕在化する故障までの時間と故障数の関係に対して、対数尤度(もしくは情報量基準)を調べる。いくつかの加速モデルを仮定して、対数尤度が最大になるようなモデルと、そのモデルに適用されるパラメータを選びだす。
この手順に従えば、3水準以上に場合分けした一定条件の試験を実行して得られる寿命分布を比較して加速モデルを調べるよりも、試験効率の改善が期待できる。

9-2 間違いやすいワイブル解析例の研究~ワイブル解析の落とし穴~

遠藤 幸一 東芝デバイス&ストレージ株式会社  廣野 元久 株式会社リコー

信頼性解析においてワイブル確率紙を用いるワイブル解析は古くからおこなわれている手法であるが、データの処理によっては誤った解釈をしてしまう場合が少なくない。特に初期故障期間は、バスタブカーブにおける減少故障率として解釈する場合が多いが、寿命の異なる増加故障率の分布が混合していると解釈する方が実態に合う。本発表では生命表のデータを元にシミュレーションソフト(JMPやRなど)を用いた解析例を示し、誤りやすいポイントを指摘する。

9-3 故障解析の留意点と信頼性設計の必要性に関する一考察

田辺 一彦 NECプラットフォームズ株式会社

品質保証という長期間中に障害を発生させないためには、使用環境で製品に印加されるストレスを想定し、適切な部品選定および優れた製造技術だけでなく、信頼性設計が必要である。また製品に障害が発生した場合、故障解析を行うが、原因を解明するには、分析だけでは難しく、製品の使用環境や状況、設置場所などの聞き込み情報と合わせて判断する必要がある。これらについて報告する。高信頼性設計および高精度な故障解析には、さまざまなノウハウが必要であり、一社だけではその蓄積は難しい。そのためには部品メーカ、はんだメーカ、セットメーカ、さらには製造業と大学および学会・協会の密なるコミュニケーションと情報共有が必要であると考える。

9-4 重畳再生過程に基づくイベント発生間隔分布の推定

山本 渉 電気通信大学

エンジンのシリンダーの交換、印刷機器の複数あるヘッドの交換など、システムが同一部品を複数用いている場合に、交換は記録されていても、どの部位が交換されたかの記録が残らないことがしばしばある。大きな印刷機器を複数ユーザが共用する場合など、サービスの発生間隔についても同様に、個々のユーザやサービスの内訳にはアクセスできないことが多々ある。この発表では、そのような場合のために提案された重畳再生過程に基づく発生間隔の確率分布の母数の点推定法を紹介する。また実際のデータに用いるために、信頼区間の推定方法や、モデルやデータの診断についても言及したい。

【Session 10】保全性の新たな展開

10-1 FMEAを基にしたPHM設計(FMEA-based PHM Design)の実践

山崎 まりか 株式会社電通国際情報サービス

 

IoT、ICT技術の進歩に伴い益々注目が高まるCondition Based Maintenance(CBM)を活用したPrognostics and Health Management(PHM)を成功させるためには、故障モード分析と適切な計測点の選定が重要である。本発表ではデータから予知するアルゴリズムや分析技術を駆使した機械的な故障予知と信頼性ツールを活用したハイブリッドアプローチでPHMを実現する「FMEAを活用したPHMのための計測点検討とPHMアプローチ」の有効性を論じる。

10-2 故障率増加型システムにおける複合的な点検計画に関する研究

金  路 電気通信大学

本研究では、法令や社内基準に基づいて定期点検の実施が義務付けられている故障率増加型システムへ、中間保全の追加と、併せて中間保全の最適化を提案する。義務付けられた定期点検は通常、実施間隔が長いが、その時点での安全性を確認する。これを故障の予兆を見逃さない徹底的な点検(完全点検)として扱う。これに加えて、安価で高頻度の実施が可能だが安全性喪失の検出率が100%よりは低い点検(不完全点検)の併用とその最適化を検討した結果を報告する。最適化の基準は、このシステムの安全性喪失に関するリスクを最小にすることである。具体的に、寿命分布に故障率増加型のワイブル分布を仮定したモデルにおいて、点検の費用、安全性喪失による損失、不完全点検の検出確率を考慮した総期待費用を最小化する点検の計画立案アルゴリズムを提案している。またこのアルゴリズムを用いて、最適な点検計画が持つ性質の検討と、先行研究よりも優れた点検計画が得られることの確認を行っている。

10-3 原価の高い水力発電所の設備能力限界を追及した保全方法の確立

福本 惣太 関西電力株式会社

収益性の悪い水力発電所に対し、「発電支障」や「第三者影響」のリスクを勘案したうえで、点検周期の延伸、最低限の補修などにより設備能力の限界まで保全レベルを引き下げることが求められている。
取組みでは、モデル発電所の発電設備構造を部品レベルまで階層化し、その部品が保有する機能を洗い出し、それらの機能が喪失した際に、どの程度発電原価に影響するかを「原価影響」と「発生頻度」から評価した。
その結果および機能喪失時の第三者影響を考慮して、発電原価が最小となる保全方法のあり方を検討したので、その一連の検討内容について報告する。

10-4 電子タグ(RFID)とタブレット端末を活用したレンタル建物部材における不具合削減、
   「安心・安全」の価値向上に向けた取組み

伊藤 潤一 大和リース株式会社

弊社の事業に仮設建物部材のレンタル事業がある。レンタル部材を繰返して使用(資産保全)するには、返却・保管時の整備が不可欠であるが、個々の部材状態やこれまでの整備内容、使用頻度や期間、発生不具合などのデータがない、あるいは紐付いていないため、レンタル中に発生する不具合削減への有効な取組みができずにいた。今回、RFIDとタブレット端末を活用して上記データのほか、関連するデータを組合せて記録・集計・分析することで、事後保全から予防保全への転換、およびトレーサビリティによる「安心・安全」の価値向上を図る。

【Session 11】安全性設計のための検証手法

11-1 安全性解析手法STAMP/STPAにおけるプロセスモデル導出の工夫

福島 祐子 日本ユニシス株式会社

IoTなどによって多くのシステム(モノ、人、SWなど)がつながると、個々のシステムが故障していなくても、つながったシステム全体としては事故が起きる可能性がある。STAMP/STPAは、故障に起因しないそのような事故の分析にも適した安全性解析手法である。コンテキスト(システムの状態)とプロセスモデル(システムが認識しているシステムの状態)が異なることが事故につながるという考え方である。そのため、プロセスモデルを重視しているが、その具体的な抽出方法が提示されていないという課題がある。そこでその抽出方法について研究し、試行した結果を共有したい。

11-2 IoTシステムの閉ループへのモデル検査適用による安全性検証

青木 善貴 日本ユニシス株式会社

IoT(Internet of Things)システムはリアルとバーチャルをまたがる複雑な構成となる。そして、その構成要素がそれぞれ正常に動作していても、構成要素間の相互作用による不整合が事故につながることがあり、その発生を事前に検証することは難しい。
IoTシステムはリアルとバーチャルをまたがってフィードバック制御のループ(以降、閉ループ)を形成している。閉ループが安定して回転していることを検証することにより、IoTシステムの安全性を確認できると考える。本稿では、形式手法の一つであるモデル検査を用いて閉ループの振る舞いを検証する手法を提案する。

11-3 地域交通自動化での事故0に資する自動車旅客輸送業の事故情報定量解析

関田 隆一 福山大学

自動車旅客輸送業にとって交通事故撲滅は経営課題でもある。しかしヒューマンファクターズが絡む交通事故は、最新技術でも対策が十分とは言えない。更に将来の地域交通自動化では、現状技術の延長に加え事故要因を網羅した発生防止策も必要となる。
本研究は、将来の地域交通自動化まで視野に入れて、自動車旅客輸送企業で蓄積した紙文書の事故情報から潜在する事故要因を定量的に明らかにすることが目的である。本発表は、第30回秋季信頼性シンポジウム発表の第2報として事故情報の計量テキスト分析結果、それを反映した数量化データベースを説明し、データの多変量解析から運転操作、運転経験、疲労、環境及び安全教育受講実績と事故の要因を抽出して事故防止策まで討議する。

11-4 FMEA/FTAの実態の課題と提言 -FTAの勧め-

柴田 義文 安信経営工学研究所

FMEA/FTAの手法はその作法だけでは限界がきている。そこで、自動車メーカーをはじめとして、デザインレビユーによるテクニカル化やエキスパート、FMEA辞書などでそれを打破しようとしている。しかし、大手企業の組織力であって一般化は難しい。そこで、設計の見える化として解析対象の階層化、つまり機能展開が不可欠である。解析・評価と設計の見える化によるクロスチェックがこの手法を有効にする。さらに故障モードの抽出はブレーストーミングで行っているが、対策も含め、発想を深めるオズボーンとTRIZが期待されると考える。従来と異なりFTAを先に解析することでシステムの欠点が見え、詳細設計でFMEAが有効に展開できる。

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