Tutorial Session 1 MEMSの信頼性
T1-1 MEMSの実装と構造強度信頼性 東北大学大学院 教授 三浦 英生 氏
【所属】 東北大学大学院 教授 工学研究科 附属エネルギー安全科学国際研究センター センター長
【講演概要】 MEMS産業の発展のためには、LSIとの融合統合も含めた機能の多様化や性能の向上と同時に低コスト化が期待されており、材料や構造あるいは製造プロセスは複雑化する一方である。多様な材料を組み合わせて形成される構造においては、異種材料界面の接合(結合)状態が性能や信頼性を支配する場合が多い。これは、この異種材料界面では結晶間の格子不整合に起因したひずみや結晶欠陥が発生し易いためで、特にこれらの相互作用に伴う原子拡散により生じる結晶構造の変化(破壊)が経時変化(劣化)の要因となる。そこで、本講演では、MEMSにおける構造強度信頼性を原子レベルから実装構造レベルまで広い視点で論じる。
【略歴】 (株)日立製作所機械研究所にて電子デバイス、エレクトロニクス関連製品の強度信頼性に関する研究開発に従事。研究室長、主管研究員等を歴任。2003年より東北大学教授大学院工学研究科、2009年より現職。
【主な論文・著書】 『ナノスケールの材料力学』日本機械学会 論文集A編72巻717号(2006), pp.595-600. 『製品開発のための材料力学と疲労設計入門』共著,日刊工業新聞社(2009)
Tutorial Session 2 製品安全の重要性と最近の動向
【セッション概要】 2007年5月14日から施行された改正消費生活用製品安全法(改正消安法)によって、消費生活用製品に対する重大製品事故報告が義務づけられました。しかしながら、公的な技術基準の強制だけでは製品の安全性が確保できない状況に直面しており、さらに産官学が一丸となって取り組む必要があります。 当企画では、安心・安全な社会作りのために、事故情報を収集・調査し、その結果を公表または情報提供し、社会貢献している団体にご協力いただき、活動の紹介および製品安全の最近の動向について紹介します。
T2-1 NITEの活動と今後の日本の製品安全はどうあるべきか (独)製品評価技術基盤機構 長田 敏 氏
【所属】 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 参事官
【講演概要】 1. 事故情報収集制度について 昭和49年に事故情報収集制度が発足。平成19年5月からは、製品事故の報告・公表制度が発足。平成21年4月からは、長期使用製品安全点検制度、表示制度が発足。制度の変遷で、事故情報の通知がどのように変化してきたか概観する。 2. 製品安全を巡るこれまでの歴史的な経緯 製品安全は国際的に、どのように進んできたか概観する。 (1)1957年 オールドアプローチ 欧州統合のために製品の規制を統一化、しかし、技術基準の整合化進まず。 (2)1972年 英国・ローベンス報告 労働安全政策の抜本的改革。任意規格活用による規制。 (3)1985年 EU・ニューアプローチ決議 最低限の必須要求事項と整合(任意)規格の活用。 (4)1990年 ISO/IECガイド51制定 ISOとIECの共同作業によってISO/IECガイド51制定。 (5)1994年 TBT協定 世界貿易機構において貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)が締結。 3. 今後の我が国の製品安全はどう進むべきか 本の安全と国際的な観点から見た場合との相違について概観する。 (1)絶対安全を求める日本と相対安全の海外 (2)ISO/IECガイド51に基づく安全設計。製品の設計者はリスクアセスメントを導入。 (3)日本はISO/IECに対して、積極的な提案を行うとともに、民間規格を技術基準として積極的活用する必要がある。 (4)技術基準は「その時点で適用可能な最高レベルの技術」を織り込むべき。
【略歴】 1992.10 通商産業検査所(現NITE)から通商産業省産業政策局消費経済課に出向。 1992.10〜1994.04 産業構造審議会総合製品安全部会(通産省における製造物責任法等の審議)担当。 1994.05〜1997.03 通商産業省生活産業局総務課において、経済産業対策を担当。 1997.04〜1999.03 NITEバイオテクノロジーセンターに異動し、微生物ゲノム解析プロジェクトを担当。 1999.04〜2001.03 通商産業省基礎産業局生物化学産業課に出向。DNA組換え技術工業化指針に基づく安全審査を担当。ヒト完全長cDNA解析プロジェクト、NITE生物遺伝資源センター設立を担当。 2002.04 NITEバイオテクノロジーセンターに異動し、特許微生物寄託センター設立を担当。 2003.04 NITE生活・福祉技術センターに異動し、製品安全を担当。 2003.04〜2005.03 02〜05年度にNITEが収集した事故情報によって、誤使用事故を分析。 2004.04〜2009.02 消費者向けと事業者向けの2つの誤使用事故防止ハンドブックの開発を担当。4年以上にわたり工業会などを対象に事業者が対応すべき製品の誤使用対策について説明を実施。 2007.07〜2008.03 経済産業省からの委託事業により、製品安全基準の整備(製品安全規格体系の調査)をとりまとめ。NITEとして階層的規格体系を見据えた製品安全4法の在り方などを提言。
T2-2 製品の安全と安心を作り込む―俯瞰的能力と引き算の心による丁寧な仕事の進め方― 中央大学教授 宮村 鐵夫 氏
【所属】 中央大学 教授 理工学部 経営システム工学科
【講演概要】 下記の視点から、「製品の安全と安心を作り込む」ことについて、考え方と方法論について具体的に述べる。 ・製品設計や工程設計など"design"の仕事はソルーションであるとの考え方から、足し算の心に加えて、意図せざるマイナス機能である故障モードなどは許容できるレベルまで取り除く引き算の心による仕事が必須であること。 ・製品安全の定義には「危険がない」ということが含まれていることから、「引き算の心」で危険を取り除く丁寧な仕事の進め方が重要であり、これを開発の源流段階で的確に行うと効果が大きい。 そのためには俯瞰的能力と開発・生産・営業など部門間の情報の流れをよくするコミュニケーション能力とともに、試験・検査能力と情報をフィードバックして共有・共用し価値化できる組織能力が大切である。
【略歴】 経済産業省 産業構造審議会 製品安全小委員会委員長(平成19年1月〜現在に至る)
【主な論文・著書】 “「製品とサービス」の安心・安全を確保する”,クオリティマネジメント誌,2008.Vol.59, No.1, pp.50〜62.
T2-3 改正消安法(長期使用製品安全点検制度)に対する特定製造事業者の取り組み (株)ノーリツ 山口 憲一 氏
【所属】 株式会社ノーリツ 品質保証推進本部 本部長付
【講演概要】 消費者自身による保守が難しく、経年劣化による重大事故の発生のおそれが高いものについて、経年劣化による製品事故を未然に防止するため、改正消安法(長期使用製品安全点検制度)が平成21年4月施行された。この制度では特定保守製品が政令で定められ、この製品を製造するメーカーに対して(1)事業の届出、(2)設計標準使用期間及び点検期間の設定、(3)製品への表示、(4)製品への書面及び所有者票の添付、(5)所有者情報の管理、(6)点検等の保守サポート体制の整備、(7)点検通知及び点検実施が義務付けられている。この制度に対するメーカー対応状況について、実例を交えて紹介する。
【略歴】 平成14〜18年 (社)日本ガス石油機器工業会ライフ研究専門委員会委員長 平成19年〜現在 同工業会点検制度委員会委員長
【主な論文・著書】 上記ライフ研究専門委員会での報告書作成を行う。 ・ガス・石油機器の機器点検制度、住宅部品の耐用年数(平成15年) ・メンテナンスに関するアンケート調査(平成16年) ・ガス・石油機器耐用年数に関する市場からの石油給湯機買上げ試験報告(平成17年) ・ガス・石油機器の残存率等についてのアンケート(平成18年)
Tutorial Session 3 「日科技連『R-Map実践研究会』の活動から」
【セッション概要】 2007年5月14日から施行された改正消費生活用製品安全法(改正消安法)によって、消費生活用製品に対する重大製品事故報告が義務づけられました。しかしながら、公的な技術基準の強制だけでは製品の安全性が確保できない状況に直面しております。 こうした事故を減らそうと、経済産業省は、設計の段階から危険のある場所を特定してリスクを定量的に評価する「リスクアセスメント」の導入を検討しております。この定量的なリスクアセスメント手法の代表例として「R-Map手法」があります。 当企画では、「日科技連『R-Map実践研究会』の活動から」と題し、R-Map実践研究会の紹介および各企業でのR-Map手法の活用状況について紹介します。
T3-1 R-Map手法を活用したPSPTA手法の開発と実践 日立アプライアンス(株) 巻島 文夫 氏
【所属】 日立アプライアンス株式会社 品質保証センタ センタ長
【講演概要】 消費生活用製品安全法改正後、経済産業省に報告された重大製品事故2,382件(平成21年1月30日現在)の内、電気製品の事故が1,243件と52%を占め、更にその中で火災が1,135件と91%を占めている。 家電品は身近で使用しており、事故が起きると製品周囲への延焼等二次被害を生じ易く、重大製品事故を防止するためには、家電品の開発段階でPSリスクアセスメントを行い、特に製品外郭には延焼しないことを確認することが重要である。 R-Map法を包含した、活用し易いPSPTA手法を開発し展開すると共に、死に様試験による安全性検証を徹底することにより製品安全を確保しているので、PSPTA手法及び死に様試験の開発経緯並びに実践事例を紹介する。
【略歴】 1974年 (株)日立製作所入社。栃木工場配属。冷蔵庫の品質保証を担当後、1999年から日立栃木テクノロジー(株) 品質保証部長。2001年から(株)日立製作所 家電グループ 品質保証本部長 兼 お買物相談センタ長。2002年から日立ホーム&ライフソリューション(株) CS品質部門長を経て、2006年4月から現職。消費生活アドバイザ。
T3-2 R-Mapによる開発段階からの安全構造設計〈製品安全寿命の立証方法の提案〉 2008年度 R-Map実践研究会 第1分科会/東芝テック(株) 菊池 敏郎 氏
【所属】 東芝テック(株) ドキュメントシステム事業本部 環境・品質保証統括部 品質企画部 グループ製品安全担当
【講演概要】 消費生活用製品安全法改正により、本年4月1日から、特定製品については設計上の標準使用期間と経年劣化についての注意喚起等の表示が義務化された。 民生機器メーカーは、どの民生機器においても製品安全寿命を設定し、開発段階で、その設定根拠をもって、製品開発を行う必要がある。 製品評価技術基盤機構の事故情報の中から経年劣化事故を抽出し、現状がどのようになっているか調査した。その中から、例としてコンデンサを選択し、PSPTA(Product Safety Potential Tree Analysis)とワイブル解析を併用して、製品安全寿命の根拠を示す方法を提案する。
【略歴】 1971年 東京電気(株)(現 東芝テック(株))入社。市場品質、信頼性試験、製品安全等を主に担当。現在に至る。 2005年 放送大学大学院修士課程修了。 日本信頼性学会員。
【主な論文・著書】 複写機・家電製品の「びっくり」事故二次傷害防止の一考察(危険解析法「リスクマップ法」の改良)
T3-3 R-Map分析手法の事故情報データへの適用 (独)製品評価技術基盤機構 久本 誠一 氏
【所属】 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 事故リスク情報分析室 室長
【講演概要】 消費生活用製品に係る事故の原因を究明し、同種事故の未然防止を図るためにはインシデントを含めた情報を大規模に収集し、これを分析するしくみが必要となる。NITEは昭和48年から事故情報の収集・分析を開始し、昭和49年には事故情報収集制度が発足して広く関連機関から事故の情報が集約・分析されるしくみが完成した。また、平成19年には改正消安法によって消費生活用製品に係る重大事故の報告が製造事業者等に義務付けられた。NITEでは平成7年に製品事故のリスク評価法に検討を加え、平成15年、収集した事故情報に対してISO/IEC Guide51やヒューマンファクターの観点からマッピングによるリスク評価法を検討、平成20年にはR-Map手法によるリスク分析を開始した。ここでは、平成20年度にR-Map分析を適用した5,000件を越える事例のうち、約1300件の重大事故の傾向を概説し、家電製品の具体例について報告する。
【略歴】 1979年、通産省(現経済産業省)工業品検査所入所.主として家電製品による事故の原因究明実験等に従事。2001年よりNITE(製品評価技術基盤機構.組織改編による)にて人間工学領域の業務に従事。2009年よりNITE製品安全センター事故リスク情報分析室長。2005年よりISO/TC159(人間工学)/SC3国際幹事。博士(学術)。
【主な論文・著書】 ・Hisamoto, S., Higuchi, M., Miura, N.: Age-related differences of extremity joint torque of healthy Japanese, Journal of Gerontechnology [International society of gerontechnology] (Vol.4(1),pp.27-45), 2005 ・Hisamoto, S., Higuchi, M.: Age-related changes in muscle strength of healthy Japanese, International Association of Societies of Design Research (IASDR) 2007(CD-Rom), 2007 ・Hisamoto, S., Higuchi, M., Miura, N., Morimoto, K., Kurokawa, T.: Generation differences of joint torque in upper and lower limbs in healthy Japanese, The 6th Asia Design International Conference, F-17(CD-Rom), 2003 ・久本誠一、樋口雅俊、三浦範大、森本一成、黒川隆夫:Hand-heldセンサを用いた簡便な肘関節発揮トルク計測法の検討、バイオメカニズム学会誌[バイオメカニズム学会] (Vol.28(1),pp.27-33), 2004 ・久本誠一:日本人の筋力の変遷と将来予測,シミュレーション,Vol.27(4), pp.239-242, 2008
Tutorial Session 4 最新信頼性・安全性解析(展示企業の発表)
T4-1 Relex Reliability Studio 信頼性工学ソリューション OPUS10 稼働率/スペアパーツ最適化ソリューション テックサポートマネジメント(有) 原 良孝 氏 T4-2 HALT後進国 日本への警鐘 (株)東陽テクニカ 川上 雅司 氏 T4-3 HALT試験の故障モードと解析事例 楠本化成(株) 小林 吉一 氏 T4-4 信頼性評価の可視化技術 楠本化成(株) 井原 惇行 氏 |